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新着情報2017/05/19

東京バレエ団「ラ・バヤデール」ダンサーインタビュー Vol.1 伝田陽美

東京バレエ団「ラ・バヤデール」2017年 東京公演が迫ってまいりました!

本日より、ニキヤ役・ソロル役・ガムザッティ役のダンサー計5名によるインタビューをおとどけしていきます。

第一弾は、ガムザッティ役の伝田陽美。4月のシュツットガルト公演で初役となるガムザッティを見事つとめあげた伝田に公演のエピソードや作品への想いを熱く語ってもらいました! ぜひご一読ください!



役作りはどのようにして進めていましたか?

 まずは、歴代で踊ってきた先輩たちのビデオや、自分の好きなダンサーのDVDを観て参考にしていました。ガムザッティはともすると、意地悪に見えると思うんです。でも、それをあまり出さないようにしようと。最初は少しきつい感じに演じていたのだけれど、(斎藤)友佳理さんや(佐野)志織先生から、私の場合は、あまりやりすぎるとアクが強く見えてしまうから、凛として見せるほうが良いと言われて、注意しながらやっていました。


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シュツットガルト公演では予定が変わって、ガムザッティ役を急きょ3日間すべて踊ることになりましたね。舞台にはどのような気持ちで上がりましたか? 

 初日はもう本当に数時間前に言われたので、心の準備も出来ないまま舞台に出ることになったんです。でも、そこで腹をくくりました。(ニキヤ役の上野さん、ソロル役の柄本さんとは)一度もリハーサルできなかったから、失敗もするかもしれない。けれど、どこか一ヵ所、二ヵ所上手くいけばそれでいい。そうですね。"やるっきゃない"という感じでした。


踊っているとき、踊りきったとき、どのようなことを考えていましたか? また、現地のお客さんの反応はどうでしたか?

 ふだんは、けっこう緊張するほうなんですけど、その日はびっくりするくらい冷静で。落ち着いてできたのでほっとしました。もちろんまだ初日で、気は抜けない。2日目に向けての改善点がいろいろわかったので良かったです。

 お客さんはすごくあったかかったですね。シュツットガルトの人たちが初めて観る作品だったので、喜んでいただけたのかなと思います。


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photo:Bernd Weissbrod


東京公演に向けて、シュツットガルトでの経験をどう活かしたいですか?

 シュツットガルト公演までは、踊りはともかく、演技を練習する時間がとれなかったので、今回の東京公演に向けては、演技をもう一回見直そうと思っています。あとは、練習をしながらいろいろアイディアが出てくると思うので、その都度考えてやっていこうかなと思います。


リハーサルなどで忙しい毎日が続くなか、気分転換のために何かしていることはありますか?

 休みの日は家でゆっくり、のんびりして、身体を休めています。お風呂が好きです、 銭湯にもよく行くんですよ。


最後に、公演を楽しみにしているお客さまへメッセージをお願いします。

 踊りも物語も含めて、楽しんで観てもらえたら嬉しいです。バレエの物語に出てくる男はダメ男が多いのですが、とくにソロルは、二人の女性の間でふらふらしている優柔不断な男。でも彼は死んでも(ニキヤと)結ばれるんです! ガムザッティが一番可哀そうだと思っているので、少しでも彼女に同情していただければ嬉しいです(笑)。

新着情報2017/05/15

東京バレエ団 ~ 新入団員紹介④

東京バレエ団 新入団員紹介、第四弾をおとどけします。

最終回、第四弾は女性ダンサー2名の登場です! ぜひご一読ください!


質問内容・・・①名前の由来 ②出身 ③踊ってみたい役、作品
       ④東京バレエ団を志望した理由 ⑤これからの抱負



hasegawa.jpg長谷川 琴音(はせがわ ことね)

①母が琴の音色が好きだから。

②北海道 札幌市

③リハーサルを見てとても楽しそうだったので、「ドン・キホーテ」に出てみたいと思いました。

④憧れのダンサーの方がいて、私も一緒の舞台に立ってみたいと思い、東京バレエ団に応募しました。あと、古典以外の作品もたくさんレパートリーにあるので、そこも魅力でした。

⑤先輩たちの足を引っ張らないように、日々のレッスンを精一杯がんばります!!よろしくお願いします。


miyazaki.jpg宮崎 彩奈(みやざき あやな)

①彩りある人生を歩むように。

②神奈川県 逗子市

③バランシン作品

④東京バレエ学校のときから憧れていて、いつか私も東京バレエ団の舞台に立ちたいと思っていたからです。

⑤少しでも早く先輩のみなさんに追いつけるように頑張りたいです。よろしくお願い致します。


新入団員紹介 第一弾はこちら>>
新入団員紹介 第二弾はこちら>>
新入団員紹介 第三弾はこちら>>

新着情報2017/05/12

東京バレエ団 ~ 新入団員紹介③

東京バレエ団 新入団員紹介、第三弾をおとどけします。

第三弾は女性ダンサー2名が登場します! ぜひご一読ください!

質問内容・・・①名前の由来 ②出身 ③踊ってみたい役、作品
       ④東京バレエ団を志望した理由 ⑤これからの抱負



nakazawa2.JPG中沢 恵理子(なかざわ えりこ)

①何事にも恵まれ、道理をわきまえた子に育つようにという思いを込めてつけたそうです。

②東京都

③「ラ・シルフィード」「ジゼル」「白鳥の湖」のようなイメージカラーが白い作品は好きです。他にもストーリー性のある「オネーギン」や「ロメオとジュリエット」も素敵だと思います。

④東京バレエ団は古典の全幕作品から現代バレエまで、多くのレパートリーを持っているので、魅力的です。また、海外の指導者、振付家、ダンサーの指導を直接受けることが出来るということや、東京文化会館を始め、地方公演、海外公演などで多くのことを学べると思いました。

⑤長年にわたり先輩たちが培ってきた歴史を大切にし、東京バレエ団の名に恥じないよう、良いところは伸ばし短所は直していくよう、自分と向き合いながら日々精進して参ります。



nakano.jpg中野 遥(なかの はるか)

①「遥」には広いという意味があり、心が広い人になってほしいからだそうです。

②大分県

③「眠れる森の美女」、バランシン作品

④何度か舞台を観に行ったことがあり、昔からずっと憧れのバレエ団だったから。

⑤自分の弱いところや苦手な部分を直し、少しでも追いつけるよう努力していきたいと思います。よろしくお願いします。


新入団員紹介 第一弾はこちら>>
新入団員紹介 第二弾はこちら>>

新着情報2017/05/10

東京バレエ団 ~ 新入団員紹介②

東京バレエ団 新入団員紹介、第二弾をおとどけします。

第二弾から女性ダンサーたちが登場! ぜひご一読ください!

質問内容・・・①名前の由来 ②出身 ③踊ってみたい役、作品
       ④東京バレエ団を志望した理由 ⑤これからの抱負


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瓜生 遥花(うりう はるか)

①響きと、はるかのどかなイメージが良いと思ったからだそうです。

②北海道

③「ドン・キホーテ」「ジゼル」「くるみ割り人形」

④東京バレエ団の「ドン・キホーテ」のDVDを小さい頃からずっと観ていて、いつかこんな素晴らしい作品をつくる一員となりたいと思っていたからです。

⑤素晴らしい環境で学ばせていただいていることに感謝し、地道に努力し続けたいと思います!体幹強くします!



otsubo.jpg大坪 優花(おおつぼ ゆうか)

①優しく花のように可憐な子に育ってほしいという願いを込めて名付けられました。

②神奈川県

③どんな役でも多様に踊れるようになりたいので、たくさんの作品を通して自分のステップアップに繋げていきたいです。

④海外公演を積極的に行うなど、東京バレエ団の規模の大きさやレパートリーの豊富さに惹かれて入団したいと思いました。

⑤まだまだ未熟者ですが、東京バレエ団でたくさんのことを経験し、吸収し、成長していけたらなと思います。素晴らしい環境で日々学べていることに感謝し、これからも頑張っていきたいです。



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工 桃子(たくみ ももこ)

①「もも」の響きが可愛かったのと、実りのある人生を送れるように成長してほしかったからだそうです。

②熊本県

③「眠れる森の美女」

④さまざまな新しいことに挑戦している東京バレエ団が魅力的だったのと、日本に留まらず海外でも公演を行い活躍していて、憧れのバレエ団だったからです。今は、とても広いスタジオでレッスンが出来て幸せです。

⑤美しいバレエを魅せられるように、身体の使い方をもっと学びたいと思います。自分の踊りをきちんと見直して、憧れの先輩方に少しでも近づくことが出来るように頑張ります。よろしくお願い致します。


新入団員紹介 第一弾はこちら>>

新着情報2017/05/08

東京バレエ団 ~ 新入団員紹介①

本年4月より東京バレエ団に11名の新たなメンバーが加わりました。
本日より4回に分けて、フレッシュな団員たちの素顔を紹介していきます。
第一弾は男性ダンサー3名が登場! ぜひご一読ください!


質問内容・・・①名前の由来 ②出身 ③踊ってみたい役、作品
       ④東京バレエ団を志望した理由 ⑤これからの抱負



ken.JPG後藤 健太朗(ごとう けんたろう)

① とても小さく生まれたので健康で朗らかに育ってほしいという願いを込めて名付けたそうです。

② 神奈川県

③ 「ザ・カブキ」

④ 東京バレエ学校を通じて伝統のある東京バレエ団で踊っている先輩方に憧れを持ち、自分も「ザ・カブキ」などの舞台に触れたことで、このバレエ団で多くの舞台に立ち、輝きたいと思いました。

⑤ 自分の踊りをとおして、人に感動を与えられる人間になりたいです。そのために、クラスレッスンやリハーサルで学び、感じ取ったことを自分のものにして表現していきたいと思います。ダンサーとして、人として大きくなりたいと思います。



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鳥海 創(とりうみ そう)

①創造性が豊かであってほしいという願いが込められています。

②富山県

③「オネーギン」

④たくさんのレパートリーがあり、自分もそのバレエの数々に身近で携わることができると思い、入団を希望しました。

⑤日々のレッスンで基本に忠実に、自分の弱点や癖などを直して、自分の目指すダンサーに近づいていきたいです。



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二村 康哉(ふたむら こうや)

①健康で幸せになってほしいという願いを込めて名付けてくれました。

②愛知県

③「ザ・カブキ」「ボレロ」「春の祭典」、ベジャール作品など

④東京バレエ団の公演を観たときにとても衝撃を受けて、自分も同じようになろうと思ったのと、東京バレエ団は唯一日本でベジャール作品を踊れるバレエ団だからです。

⑤基礎がまだ自分に足りていないので、基本から見直して克服し、自分の長所を伸ばし短所は無くしていきます。


レポート2017/05/06

<上野の森バレエホリデイ2017>レポート~後半



 4月29日、30日に開催された<上野の森バレエホリデイ2017>のレポート後半をお届けします。

 大ホールのロビー中央には淡いピンクのランウェイが登場。「これなんだろう?」と疑問に思った方も多いのではないでしょうか?

IMG_8912.JPG 実はコレ、新作のバレエウェアを発表するファッションショーのためのランウェイなのです。東京バレエ団からは三雲友里加、波多野渚砂、柿崎佑奈、菊池彩美、今村のぞみ、酒井伽純、大坪優花の女性ダンサー7名がモデルとして参加しました、が、もちろんただのモデルではありません! なにしろダンサーです。踊ります! それぞれ華麗な7変化をキメて会場を盛り上げました(因みに振付&演出は元東京バレエ団ソリストの長瀬直義さん!)。

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  「ドン・キホーテの夢」公演の終了後は野外に舞台を移しTheTokyoBalletChoreographicProjectⅠとして、東京バレエ団のダンサーたちが創作を披露! 今回は6名のダンサーが作品を発表しました。


 さまざまな振付家の作品を踊っている東京バレエ団のダンサーたちだけあって、どの作品も違った個性が光ります。トップバッターのブラウリオ・アルバレス振付「隣に歩いて」、続く木村和夫振付「ハミングバード」はどちらも女性ダンサー2人の出演による作品ですが、動きの中にドラマを感じさせるブラウリオ作品、題名どおりのたわむれる小鳥たちをイメージしたという木村作品、好対照をなす振付です。

C1.jpgブラウリオ・アルバレス振付  「隣に歩いて」  出演:伝田陽美、崔美実

C2.jpg木村和夫振付  「ハミング・バード」  出演:秋山瑛、足立真里亜


 3番目に登場したのは岡崎隼也振付「Scramble」。身体能力の高い岡崎らしい、5人のダンサーたちがシャープに舞う振付で会場はさらに盛り上がります。次の岡本壮太振付「The Door」では1組の男女の関係を机や椅子といった小道具もつかって効果的に描き出しました。

C3.jpg岡崎隼也振付「Scramble」出演:伝田陽美、金子仁美、崔美実、岸本秀雄、井福俊太郎、岡本壮太

C4.jpg岡本壮太振付  「The Door」  出演:秋山瑛、樋口祐輝


 そして「On D Echo」を振付けたのは竹本悠一郎。"鬼太鼓"を意味するタイトルどおりの男性2人による力強い踊りです。トリを飾った安楽葵振付「カフェイン」では男性ダンサー5人が惜しげもなくテクニックを魅せ、まるでコンサート会場のような盛り上がりに!

C5.jpg竹本悠一郎振付  「On D Echo」  出演:竹本悠一郎、井福俊太郎

C6.jpg安楽葵振付  「カフェイン」  出演:高橋慈生、安楽葵、中村瑛人、樋口祐輝、山本達史


 東京バレエ団の<The Tokyo Ballet Choreographic Project>はまだはじまったばかり。次のプロジェクトⅡでは会場をめぐろパーシモンホールに移し、<バレエ・コンサート>の一部としてふたたび作品を披露します。進化を続ける東京バレエ団に引き続きご注目ください!

・・・こうして<上野の森バレエホリデイ2017>は無事に幕を下ろしました。<上野の森バレエホリデイ>は来年も開催されますので、今回ご来場いただけなかった方、また2018年の春、上野の森でお会いしましょう!

レポート前半はこちら>>

レポート2017/05/03

<上野の森バレエホリデイ2017>レポート~前半



 去る4月29日(土祝)、4月30日(日)、東京文化会館、および近隣の施設にて<上野の森バレエホリデイ2017>が初開催され、東京バレエ団が「ドン・キホーテの夢」公演をはじめ様々なイベントに出演し、会場を盛り上げました。 

 今回はなんと2日間で31,200名(フラッシュ・モブをのぞく)もの方がご来場されるというビッグ・イベントに!


889.JPG東京文化会館大ホールロビーも<上野の森バレエホリデイ>特別仕様に変身しました



 まずは両日ともフラッシュ・モブで開幕。29日はサプライズ企画ということで具体的な内容は発表せず、時間と場所だけをお知らせしていましたが、ふたをあけてみると開始前から続々と人が集まり、終わるころには500名強もの人だかりが! 

 東京バレエ団からは渡辺理恵、柄本弾、2名のプリンシパルをはじめ17名のダンサーが参加。東京バレエ学校の生徒たちとともに爽やかなパフォーマンスで道行く人々を魅了しました。30日には噂を聞きつけた方々が開始前からカメラをもってスタンバイ。ダンサーたちも衣裳を一部変更し、さらにパワーアップした内容で公園内は大いに盛り上がりました。


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 そして子どものための「ドン・キホーテの夢」を東京文化会館ではじめて上演。公演に関連し、前日のリハーサルと30日のクラスレッスンを特別に公開!
 公開リハーサルには定員を大幅に上回る方からご応募いただきました。また、クラスレッスンには想定をはるかに上回る1,400名もの方がお見えになり。予定を変更して文化会館の4階席までフル稼働するほどの大盛況!スタッフ一同、お客様の関心の高さを改めて感じました。

 今回は「ドン・キホーテの夢」の上演にあたってロシア・バレエ界のレジェンド、ウラジーミル・ワシーリエフ氏が来日し、特別に指導にあたりました。


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 氏のアイデアにより、第1幕では主役を囲む群舞のダンサーたちが掛け声を出す演出が取り入れられ、そのほかにも第2幕のキトリのヴァリエーションにあわせて周囲のダンサーが同じ身振りで盛りあげるなど、さらにスケールアップした舞台で客席は大いに沸きました。また、"子どものためのバレエ"ならではの演出としてサンチョ・パンサ役のダンサーが語り部をつとめ、馬のロシナンテが登場します。今回はなんとワシーリエフ氏は自ら馬(ロシナンテ)の声も担当! あまりにも本物の馬の鳴き声にそっくりだったため、気が付かなったお客様も多数いらっしゃったようです。


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 ドン・キホーテが新たな旅から戻ってくるまで、この作品はしばらくお休みをいただきます。次回のドン・キホーテの物語にどうぞご期待ください!

レポート後半につづく>>


海外ツアーレポート2017/04/08

東京バレエ団第32次海外公演〈シュツットガルト〉  初日開幕レポート!

 4月7日(金)、東京バレエ団にとって第32次海外公演となるシュツットガルト州立劇場で初日の幕があがりました。今回の演目はナタリア・マカロワ版『ラ・バヤデール』。「シュツットガルトは、クランコに育まれた"バレエの町。"そこでアカデミックな基礎が問われる古典作品を上演するのは、バレエ団にとっても私にとっても、大きな挑戦でした」と斎藤友佳理芸術監督。久々の海外での古典全幕上演であり、『ラ・バヤデール』の初めての国外上演でもあります。
 
 座席数1,404席のシュツットガルト州立劇場は3日間とも早々にソールド・アウトとなり、観客の関心の高さを物語っています。開演前から活気づくフォワイエの観客の中には、「わざわざスイスから東京バレエ団を見るために夫婦で来ました! 私は東京バレエ団を見るのは2回目なのですが、妻に見せたいと思って一緒に来ました。チケットを取るのもなかなか大変で。毎年来てほしい!」「東京バレエ団は前回の『ザ・カブキ』も見ましたよ。素晴らしかった」といった方から、「ふだんは現代的な作品の方が好きなのですが、『ラ・バヤデール』を見たことがないのでぜひ見たいと思って来ました」という方までさまざま。
 
 この作品はシュツットガルト・バレエ団のレパートリーにないということもあり、幕が上がるや異国情緒の漂う舞台、主演を務める上野水香と柄本弾の演技に見入っていく観客の様子が印象的でした。また、当初出演予定だった奈良春夏が足を痛めたため、2日目にガムザッティ役デビューの予定だった伝田陽美が急きょ出演。上野、柄本と合わせる時間もほとんどと取れなかったのですが、歌劇場関係者から「後で聞いてびっくりしました。とてもそのようなアクシデントがあったとは思えないくらい素晴らしかった」と言わしめたほど、立派にガムザッティ役を務めあげました。
 
 第2幕、ナタリア・マカロワが「他のバレエ団を指導する際は、東京バレエ団の群舞の写真を「完璧」のお手本として見せている」という十八番の《影の王国》では、一糸乱れぬコール・ド・バレエに喝采が贈られ、拍手がなかなか鳴りやみません。第3幕の冒頭には、地元ジョン・クランコ・バレエ学校の卒業生でもある宮川新大が初役ながら素晴らしいブロンズ・アイドルを披露。彼にも大きな拍手が贈られました。最後の幕が降りるや、馬蹄形の客席を天井桟敷まで埋め尽くした超満員の観客から怒涛のような拍手と歓声が上がり、カーテンコールが繰り返され、劇場全体が大喝采に包まれて初日の幕が下りました。また、幕間に2階フォワイエで行われた出演者によるサイン会にも、興奮した様子の観客が多く詰め寄せていました。
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 公演終了の舞台上ではシュツットガルト・バレエ団芸術監督のリード・アンダーソン氏より「素晴らしい舞台でした。また皆さんをお迎え出来て大変嬉しいです」という労いの言葉があり、バレエマスターで次期監督のタマシュ・デートリッヒ氏もあたたかく歓迎してくださいました。シュツットガルトまで駆けつけ、前日から舞台の最終仕上げを手伝ってくださった振付指導のオルガ・エヴレイノフ氏もダンサーたちを労いつつ、さっそく翌日に向けてアドバイス。
 
 主演の大役を終えた上野水香は、「今回は急なキャスト変更があり、演技の絡みに少しドキドキしましたが、シュツットガルトの劇場はお客様の距離も近くて、緊張感というよりもとてもあたたかい雰囲気があって踊りに入りやすいんです」と、笑顔を見せていました。斎藤芸術監督も「本番が始まるまでは生きた心地がしませんでしたが、ダンサーたちを信じて送りだしました。本番では気持ちを一つにして、しっかり応えてくれたと思います。また、故佐々木忠次代表がクランコ氏と築き上げた信頼関係があってこそ、今日の公演までつながっていると思うと、身が引き締まる思いでした。私自身も『オネーギン』を踊った時からリードさんはよく存じ上げていますし、これからもこの親密な関係を大事にしていきたいと願っています。」とほっとした様子を見せていました。
 
 シュツットガルト州立劇場はオペラ、演劇、バレエを包括する総合劇場ですが、日本でもおなじみのシュツットガルト・バレエ団の本拠地です。故ジョン・クランコが1961年にバレエ団の芸術監督となる以前はオペラの観客が中心だったそうですが、彼の着任以後は、熱心にレクチャーやデモンストレーションを行い、観客を育てる努力を惜しまず重ねてきました。現在も、すべての公演でプレトークを行い、毎シーズン必ず、小さな劇場で観客に近い距離でリハーサルを見せる〈ビハインド・ザ・シーン〉を企画するなどその遺志が引き継がれています。こうしてシュツットガルトには熱心な観客が育ち、彼らは古典作品、クランコ作品、コンテンポラリー、新作などの演目の種類に関わらずつねに劇場に足を運び、サポートを惜しまないのだそうです。この4~5年は全シーズンのチケットセールスは97~8%とほぼソールド・アウトが続くほどの人気を誇っており、いまや定期会員になるのも難しく、会員権はほとんど家族に遺贈されていくのだとか。
 
 東京バレエ団にとって、1973年に初めて招聘されて以来、今回が10回目の訪問となります。シュツットガルトの観客にとって東京バレエ団の認知度は高く、昨年2016/17年シーズン・ラインナップが発表されるや、公演についてかなりの問い合わせが来たそうです。州立劇場では公演日の2か月前にチケット販売が開始されますが、その直後に50~60%の予約が入り、一般発売後1週間~10日でチケットが売り切れたのだとか。「東京バレエ団がいかにクオリティーの高いバレエ団ということは、観客もよく知っています。その素晴らしいバレエ団が、今までシュツットガルトで観る機会のなかった古典バレエの名作を上演する。この相乗効果によって、また大きな期待を呼んだのだと思います。チケットが売れるのはとても早かったですよ!」と、劇場広報のヴィヴィアン・アーノルド氏は語ってくれました。
 
 シュツットガルトはバーデン=ヴュルテンベルク州の州都であり、ドイツを代表する工業都市のひとつですが、中央駅からすぐに位置する州立劇場近辺くには公園も散在し、街中はのどかな雰囲気に包まれています。劇場前のオーベラーシュロスガルテン(宮殿北側庭園)と名付けられた公園を横切る小道は「ジョン・クランコの小道」(John-Cranko-Weg)と名付けられ、シュツットガルト・バレエ団が市民と密接な関係にあるのがうかがわれます。
 
 東京バレエ団は2017年、新年早々にベルギー・フォレストナショナルにてモーリス・ベジャール・バレエ団との合同公演『第九交響曲』で第31次海外公演を終え、今回の第32次海外公演3公演終了後には海外公演30か国153都市761回の記録を達成いたします。

photo:Ulrich Beuttenmueller

公演情報2017/02/06

<ウィンター・ガラ>「イン・ザ・ナイト」キャスト決定

2月22日(水)、23日(木)に上演する、東京バレエ団<ウィンター・ガラ>「イン・ザ・ナイト」のキャストが決定いたしましたので、お知らせいたします。

【2月22日(水)】
 沖香菜子-秋元康臣
 川島麻実子-ブラウリオ・アルバレス
 上野水香-柄本弾

【2月23日(木)】
 沖香菜子-秋元康臣
 川島麻実子-ブラウリオ・アルバレス
 上野水香-柄本弾 

レポート2017/02/06

『イン・ザ・ナイト』振付指導ベン・ヒューズ インタビュー

 東京バレエ団が、満を持して、新たなレパートリーに挑戦する。芸術監督の斎藤友佳理が、一昨年に芸術監督に就任して以来、上演を切望していた『イン・ザ・ナイト』。東京バレエ団が初めて取り組むジェローム・ロビンズ作品にして、日本のバレエ団による同作初演である。

 ロビンズ財団から派遣された振付指導者ベン・ヒューズの下でリハーサルを始めて2週間が過ぎた2月初頭、その手応えを彼に語ってもらった。


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完璧主義者で鳴らしたロビンズのように、リハーサルではディテールにまで目を光らせます。

─ 先ほど、見学したリハーサルでは、デュエットの技術的な事項よりも、動きの細部について指示を出されていたことが印象的でした。
「このバレエは三組の男女が踊る小品とはいえ、けっして簡単な作品ではありません。複雑なステップとパートナリングが随所に組み込まれているので、振付を指導する際には、ごく小さなディテールにまで目を光らせなくてはなりません。完璧主義者で鳴らしたロビンズが、そうしていたように。腕の差し出し方、頭の角度、リフトのタイミング、ポーズをした時の腕を静止させるのか、動かすのか...。
 振付には幾つかのオプションがあって、生前のロビンズがニューヨーク・シティ・バレエ(NYCB)で新しいダンサーを起用した時や、パリ・オペラ座やマリインスキー劇場に彼自身が赴いて『イン・ザ・ナイト』を上演した時にも、振付を微調整したうえで、公演に臨みました。いまの私も、東京バレエ団のダンサーにもっとも相応しいやり方を選別しているところです」


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ロビンズを踊るには、知性と音楽的なセンス、しっかりとしたパーソナリティが必要

─ 雰囲気の異なる3つのデュエットが連なる作品です。出演者には、何が求められるのでしょうか。
「自分自身になることです。しっかりとしたパーソナリティを持ち、様々な陰影や自分らしさを表現し、三組三様の愛の形を描いていきます。知性と音楽的なセンスも必要です。作品のディテールを体にしみこませ、女性は女性らしく、男性は男性らしく、流れるように踊る。どれも、けっして簡単なことではありません」

─ 音楽的なセンスとは、具体的にどのようなことでしょうか。
「古典バレエでは、カウント通りに踊ることが鉄則です。一方、ロビンズ作品では、NYCBのもう一人の立役者、ジョージ・バランシンの作品でもそうするように、ほんの一瞬だけ、ステップを音楽より遅らせます。この僅かな時間差を使って、ダンサーがサーフィンのように音楽を乗りこなせば、ダンスはより美しく見えるのです。まず音楽ありき、と言われるゆえんです。音楽に耳を澄ませば、いま、何をすべきか、どう踊るべきか、おのずと明らかになるはずです」

─ ヒューズさんは、ロビンズ作品に加えて、バランシン作品の指導もされています。両氏の作品には、どのような違いがありますか。
「バランシンが振り付けたバレエは、ステップを忠実に踊れば、ダンサーがさほど優秀でなくても、見栄えがします。振付自体が強固で、綿密に構成されているのです。ロビンズ作品の場合は、優秀なダンサーが不可欠です。さもないと、作品は空中分解してしまう。『イン・ザ・ナイト』も例外ではありません。ある意味、ロビンズ作品は繊細で、儚いものだと言えるでしょう」

─ 『イン・ザ・ナイト』のように、Mr.ロビンズは、随意に選曲し、構成した音楽を使って作品を振り付けることが、多々、ありました。
「ロビンズは、自由自在に音楽を使いこなしました。ショパンのピアノ曲を使った一連のバレエの場合、彼が思い描く通りにダンサーを踊らせるために、本来のテンポを変えた場面があるので、ピアニストを困惑させた、といった逸話も語り継がれています。バランシンが、作曲家が作曲した通りに音楽を用いたのとは、対照的です」

─ Mr.ロビンズがMr.バランシンを師と仰いでいたことは、つとに知られています。振付家として、彼はバランシンから何を学んだのでしょうか。
「バレエという芸術表現の根幹をなすテクニックを学んだのだと思います。ロビンズは、アメリカン・バレエ・シアターで発表したデビュー作『ファンシー・フリー』(1944年初演)で成功をおさめた後、バレエを踊り、振り付けるだけでなく、ブロードウェイのミュージカルを幾つも手がけていました。その後、NYCBに移籍したのは、バランシンの身近で仕事を続け、振付家としての技術を吸収したかったからなのでしょう」

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ロビンズのリハーサルに参加することは特別な経験でした。
─ ヒューズさんは、Mr.ロビンズの許で10年にわたり、踊った経験をお持ちです。印象的なエピソードはありますか。
『「In G Major」というバレエのリハーサルをしていた時のことです。その日、彼は私の腕の上げ方が気に入らなかった。何度、やり直してもロビンズは納得せず、私は途方にくれました。翌日、配役表から私の名前は消えてしまった。公演は来週にせまっていたので、彼は他のダンサーをリハーサルに招集したけれど、結局、私が呼び戻されました」

─ 腕の動きは解決したのですか?
「もう何年も踊っていた作品だったので、もともと問題はなかったんです。ただ、ロビンズはふとしたはずみで、誰かのちょっとした動きが気にかかり、先に進めなくなることがあった。ダンサーを思い通りに踊らせることができず、試行錯誤せざるを得なかったのでしょう。ダンサーにとって、彼の振付リハーサルに参加することは、苦労のしがいのある、特別な経験でした。産みの苦しみを経て、素晴らしい作品の誕生に立ち会えるのですから」

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─ 粛々と振付を進めたMr.バランシンとは対照的ですね。
「確かにロビンズには気難しい部分もあったけれど、パフォーマンスの出来映えが良ければ、言葉に出して褒め、敬意をはらってくれました。私自身、彼と食事に行ったり、オペラを見に行き、芸術について、人生について、あるいは日常のちょっとしたことについて語り合ったことは、懐かしい思い出です」

─ 稽古場の空気を一変させる、"裏技"があったのだとか。
「彼は大の犬好きでした。ダンサーが稽古場に犬を連れてきたら、大喜び! ダンサーには厳しく接することがあったけれど、犬にはいつも大甘で、犬がいる時には、彼の気持ちが和むのが分かりました。私達は、ダンサーの誰かが犬を飼っていると聞きつけたら、その犬をリハーサルに連れてきて、と頼み込んだものです」

─『イン・ザ・ナイト』は、東京バレエ団が初めて踊るロビンズ作品です。出演者の取り組みは、いかがですか。
「とても熱心で、協力的で、ほんとうに踊りたい、という気持ちが伝わってきます。十数年ほど、振付指導の仕事をしていますが、日本のダンサーとはいつもスムーズにリハーサルをすることができ、嬉しい限りです」

取材・文/上野房子(ダンス評論家)

リハーサル撮影:長谷川清徳


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記者懇親会にて:(左から)ブラウリオ・アルバレス、柄本弾、ベン・ヒューズ、斎藤友佳理、上野水香、川島麻実子、秋元康臣


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