既報の通り、4月17日(金)、ニューヨークで行われたユース・アメリカ・グランプリ(YAGP)2015のガラ公演〈レガシー〉に東京バレエ団が出演し、アメリカ・デビューを飾りました。会場は舞台芸術の殿堂リンカーン・センター内にある、ニューヨーク・シティ・バレエの本拠地、デヴィッド・H.・コーク劇場。
ニューヨークの一大バレエ・イベント、今回で16回目を迎える国際バレエ・コンクール、YAGP。決選終了後に行われる恒例のガラ公演の二日目に、今年は現役スターダンサーであるデヴィッド・ホールバーグが自身と繋がりのある団体を集めて企画した〈レガシー〉が行われ、共演経験のある東京バレエ団が招聘されることになったものです。
東京バレエ団はこれまで海外公演を30か国152都市において738回実施していますが、バレエ団としてアメリカ合衆国の舞台に立つのはこれが初めてとなりました。
上野水香、木村和夫を含む一行8名は4月14日にニューヨーク入りし、現地では次期芸術監督の斎藤友佳理も合流。2日間のリハーサルを経て本番の舞台に臨みました。
〈レガシー〉では7つのプログラムが上演され、東京バレエ団の登場順は前半の最後。ボリショイ・バレエのエフゲーニャ・オブラスツォーワとセミョーン・チュージン、アメリカン・バレエ・シアターのヴェロニカ・パルト、マリインスキー・バレエのエカテリーナ・コンダウーロワ、チュージンに続いて、東京バレエ団が十八番のモーリス・ベジャール作品「バクチⅢ」を上演。木村扮するシヴァ神と、上野扮するその妻シャクティを中心に、真紅の衣裳に身を包んだ8名による、エキゾチックで力強く、かつエレガントなダンスに、会場は歓声が飛び交うほどの盛り上がりを見せました。
木村和夫は「一回だけの公演で一発勝負だけに、会場の空気をしっかり感じながらも、地に足をつけてベジャールのスタイルをしっかり見せることを心掛けました。東京バレエ団の存在をアピールできたと思います」。YAGPのガラにはホールバーグ、ホセ・カレーニョとともに出演経験がある上野水香は、「ニューヨークの観客のノリの良さは知っていましたが、ベジャールの作品をとても喜んでくださって嬉しかったです。また、上演前にホールバーグが舞台上で東京バレエ団の紹介をしてくれたのですが、彼の心遣いや人との繋がりを大切にする気持ちが伝わってきて、ありがたいと感じました」と語りました。
ユース・アメリカ・グランプリ2015
デヴィッド・ホールバーグ プレゼンツ 〈レガシー〉
2015年4月17日(金) 7:00p.m. デヴィッド・H・コーク劇場(リンカーン・センター)
出演:
「ファラオの娘」よりパ・ド・ドゥ エフゲーニャ・オブラスツォーワ、セミョーン・チュージン(ボリショイ・バレエ)
「スクリャービン・ダンス」 ヴェロニカ・パルト(アメリカン・バレエ・シアター)
「ダイヤモンド・パ・ド・ドゥ」 エカテリーナ・コンダウーロワ(マリインスキー・バレエ)、セミョーン・チュージン(ボリショイ・バレエ)
「バクチⅢ」 上野水香、木村和夫、安田峻介、永田雄大、吉田蓮、和田康佑、竹下虎志、宮崎大樹(東京バレエ団)
新作 ABTスタジオ・カンパニー
「アンスポークン・ダイアローグ」 アンバー・スコット、ルディ・ハークス(オーストラリア・バレエ団)
「コレオグラフィック・ゲーム 3×3」 エカテリーナ・コンダウーロワ、アレクサンダー・セルゲイエフ、ほか(マリインスキー・バレエ)
撮影(舞台):瀬戸秀美
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