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新着情報2017/05/12

東京バレエ団 ~ 新入団員紹介③

東京バレエ団 新入団員紹介、第三弾をおとどけします。

第三弾は女性ダンサー2名が登場します! ぜひご一読ください!

質問内容・・・①名前の由来 ②出身 ③踊ってみたい役、作品
       ④東京バレエ団を志望した理由 ⑤これからの抱負



nakazawa2.JPG中沢 恵理子(なかざわ えりこ)

①何事にも恵まれ、道理をわきまえた子に育つようにという思いを込めてつけたそうです。

②東京都

③「ラ・シルフィード」「ジゼル」「白鳥の湖」のようなイメージカラーが白い作品は好きです。他にもストーリー性のある「オネーギン」や「ロメオとジュリエット」も素敵だと思います。

④東京バレエ団は古典の全幕作品から現代バレエまで、多くのレパートリーを持っているので、魅力的です。また、海外の指導者、振付家、ダンサーの指導を直接受けることが出来るということや、東京文化会館を始め、地方公演、海外公演などで多くのことを学べると思いました。

⑤長年にわたり先輩たちが培ってきた歴史を大切にし、東京バレエ団の名に恥じないよう、良いところは伸ばし短所は直していくよう、自分と向き合いながら日々精進して参ります。



nakano.jpg中野 遥(なかの はるか)

①「遥」には広いという意味があり、心が広い人になってほしいからだそうです。

②大分県

③「眠れる森の美女」、バランシン作品

④何度か舞台を観に行ったことがあり、昔からずっと憧れのバレエ団だったから。

⑤自分の弱いところや苦手な部分を直し、少しでも追いつけるよう努力していきたいと思います。よろしくお願いします。


新入団員紹介 第一弾はこちら>>
新入団員紹介 第二弾はこちら>>

新着情報2017/05/10

東京バレエ団 ~ 新入団員紹介②

東京バレエ団 新入団員紹介、第二弾をおとどけします。

第二弾から女性ダンサーたちが登場! ぜひご一読ください!

質問内容・・・①名前の由来 ②出身 ③踊ってみたい役、作品
       ④東京バレエ団を志望した理由 ⑤これからの抱負


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瓜生 遥花(うりう はるか)

①響きと、はるかのどかなイメージが良いと思ったからだそうです。

②北海道

③「ドン・キホーテ」「ジゼル」「くるみ割り人形」

④東京バレエ団の「ドン・キホーテ」のDVDを小さい頃からずっと観ていて、いつかこんな素晴らしい作品をつくる一員となりたいと思っていたからです。

⑤素晴らしい環境で学ばせていただいていることに感謝し、地道に努力し続けたいと思います!体幹強くします!



otsubo.jpg大坪 優花(おおつぼ ゆうか)

①優しく花のように可憐な子に育ってほしいという願いを込めて名付けられました。

②神奈川県

③どんな役でも多様に踊れるようになりたいので、たくさんの作品を通して自分のステップアップに繋げていきたいです。

④海外公演を積極的に行うなど、東京バレエ団の規模の大きさやレパートリーの豊富さに惹かれて入団したいと思いました。

⑤まだまだ未熟者ですが、東京バレエ団でたくさんのことを経験し、吸収し、成長していけたらなと思います。素晴らしい環境で日々学べていることに感謝し、これからも頑張っていきたいです。



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工 桃子(たくみ ももこ)

①「もも」の響きが可愛かったのと、実りのある人生を送れるように成長してほしかったからだそうです。

②熊本県

③「眠れる森の美女」

④さまざまな新しいことに挑戦している東京バレエ団が魅力的だったのと、日本に留まらず海外でも公演を行い活躍していて、憧れのバレエ団だったからです。今は、とても広いスタジオでレッスンが出来て幸せです。

⑤美しいバレエを魅せられるように、身体の使い方をもっと学びたいと思います。自分の踊りをきちんと見直して、憧れの先輩方に少しでも近づくことが出来るように頑張ります。よろしくお願い致します。


新入団員紹介 第一弾はこちら>>

新着情報2017/05/08

東京バレエ団 ~ 新入団員紹介①

本年4月より東京バレエ団に11名の新たなメンバーが加わりました。
本日より4回に分けて、フレッシュな団員たちの素顔を紹介していきます。
第一弾は男性ダンサー3名が登場! ぜひご一読ください!


質問内容・・・①名前の由来 ②出身 ③踊ってみたい役、作品
       ④東京バレエ団を志望した理由 ⑤これからの抱負


ken.JPG後藤 健太朗(ごとう けんたろう)

① とても小さく生まれたので健康で朗らかに育ってほしいという願いを込めて名付けたそうです。

② 神奈川県

③ 「ザ・カブキ」

④ 東京バレエ学校を通じて伝統のある東京バレエ団で踊っている先輩方に憧れを持ち、自分も「ザ・カブキ」などの舞台に触れたことで、このバレエ団で多くの舞台に立ち、輝きたいと思いました。

⑤ 自分の踊りをとおして、人に感動を与えられる人間になりたいです。そのために、クラスレッスンやリハーサルで学び、感じ取ったことを自分のものにして表現していきたいと思います。ダンサーとして、人として大きくなりたいと思います。


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鳥海 創(とりうみ そう)

①創造性が豊かであってほしいという願いが込められています。

②富山県

③「オネーギン」

④たくさんのレパートリーがあり、自分もそのバレエの数々に身近で携わることができると思い、入団を希望しました。

⑤日々のレッスンで基本に忠実に、自分の弱点や癖などを直して、自分の目指すダンサーに近づいていきたいです。


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二村 康哉(ふたむら こうや)

①健康で幸せになってほしいという願いを込めて名付けてくれました。

②愛知県

③「ザ・カブキ」「ボレロ」「春の祭典」、ベジャール作品など

④東京バレエ団の公演を観たときにとても衝撃を受けて、自分も同じようになろうと思ったのと、東京バレエ団は唯一日本でベジャール作品を踊れるバレエ団だからです。

⑤基礎がまだ自分に足りていないので、基本から見直して克服し、自分の長所を伸ばし短所は無くしていきます。


レポート2017/05/06

<上野の森バレエホリデイ2017>レポート~後半


 4月29日、30日に開催された<上野の森バレエホリデイ2017>のレポート後半をお届けします。

 大ホールのロビー中央には淡いピンクのランウェイが登場。「これなんだろう?」と疑問に思った方も多いのではないでしょうか?

IMG_8912.JPG 実はコレ、新作のバレエウェアを発表するファッションショーのためのランウェイなのです。東京バレエ団からは三雲友里加、波多野渚砂、柿崎佑奈、菊池彩美、今村のぞみ、酒井伽純、大坪優花の女性ダンサー7名がモデルとして参加しました、が、もちろんただのモデルではありません! なにしろダンサーです。踊ります! それぞれ華麗な7変化をキメて会場を盛り上げました(因みに振付&演出は元東京バレエ団ソリストの長瀬直義さん!)。

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  「ドン・キホーテの夢」公演の終了後は野外に舞台を移しTheTokyoBalletChoreographicProjectⅠとして、東京バレエ団のダンサーたちが創作を披露! 今回は6名のダンサーが作品を発表しました。


 さまざまな振付家の作品を踊っている東京バレエ団のダンサーたちだけあって、どの作品も違った個性が光ります。トップバッターのブラウリオ・アルバレス振付「隣に歩いて」、続く木村和夫振付「ハミングバード」はどちらも女性ダンサー2人の出演による作品ですが、動きの中にドラマを感じさせるブラウリオ作品、題名どおりのたわむれる小鳥たちをイメージしたという木村作品、好対照をなす振付です。

C1.jpgブラウリオ・アルバレス振付  「隣に歩いて」  出演:伝田陽美、崔美実

C2.jpg木村和夫振付  「ハミング・バード」  出演:秋山瑛、足立真里亜


 3番目に登場したのは岡崎隼也振付「Scramble」。身体能力の高い岡崎らしい、5人のダンサーたちがシャープに舞う振付で会場はさらに盛り上がります。次の岡本壮太振付「The Door」では1組の男女の関係を机や椅子といった小道具もつかって効果的に描き出しました。

C3.jpg岡崎隼也振付「Scramble」出演:伝田陽美、金子仁美、崔美実、岸本秀雄、井福俊太郎、岡本壮太

C4.jpg岡本壮太振付  「The Door」  出演:秋山瑛、樋口祐輝


 そして「On D Echo」を振付けたのは竹本悠一郎。"鬼太鼓"を意味するタイトルどおりの男性2人による力強い踊りです。トリを飾った安楽葵振付「カフェイン」では男性ダンサー5人が惜しげもなくテクニックを魅せ、まるでコンサート会場のような盛り上がりに!

C5.jpg竹本悠一郎振付  「On D Echo」  出演:竹本悠一郎、井福俊太郎

C6.jpg安楽葵振付  「カフェイン」  出演:高橋慈生、安楽葵、中村瑛人、樋口祐輝、山本達史


 東京バレエ団の<The Tokyo Ballet Choreographic Project>はまだはじまったばかり。次のプロジェクトⅡでは会場をめぐろパーシモンホールに移し、<バレエ・コンサート>の一部としてふたたび作品を披露します。進化を続ける東京バレエ団に引き続きご注目ください!

・・・こうして<上野の森バレエホリデイ2017>は無事に幕を下ろしました。<上野の森バレエホリデイ>は来年も開催されますので、今回ご来場いただけなかった方、また2018年の春、上野の森でお会いしましょう!

レポート前半はこちら>>

レポート2017/05/03

<上野の森バレエホリデイ2017>レポート~前半


 去る4月29日(土祝)、4月30日(日)、東京文化会館、および近隣の施設にて<上野の森バレエホリデイ2017>が初開催され、東京バレエ団が「ドン・キホーテの夢」公演をはじめ様々なイベントに出演し、会場を盛り上げました。 

 今回はなんと2日間で31,200名(フラッシュ・モブをのぞく)もの方がご来場されるというビッグ・イベントに!


889.JPG東京文化会館大ホールロビーも<上野の森バレエホリデイ>特別仕様に変身しました


 まずは両日ともフラッシュ・モブで開幕。29日はサプライズ企画ということで具体的な内容は発表せず、時間と場所だけをお知らせしていましたが、ふたをあけてみると開始前から続々と人が集まり、終わるころには500名強もの人だかりが! 

 東京バレエ団からは渡辺理恵、柄本弾、2名のプリンシパルをはじめ17名のダンサーが参加。東京バレエ学校の生徒たちとともに爽やかなパフォーマンスで道行く人々を魅了しました。30日には噂を聞きつけた方々が開始前からカメラをもってスタンバイ。ダンサーたちも衣裳を一部変更し、さらにパワーアップした内容で公園内は大いに盛り上がりました。


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 そして子どものための「ドン・キホーテの夢」を東京文化会館ではじめて上演。公演に関連し、前日のリハーサルと30日のクラスレッスンを特別に公開!
 公開リハーサルには定員を大幅に上回る方からご応募いただきました。また、クラスレッスンには想定をはるかに上回る1,400名もの方がお見えになり。予定を変更して文化会館の4階席までフル稼働するほどの大盛況!スタッフ一同、お客様の関心の高さを改めて感じました。

 今回は「ドン・キホーテの夢」の上演にあたってロシア・バレエ界のレジェンド、ウラジーミル・ワシーリエフ氏が来日し、特別に指導にあたりました。


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 氏のアイデアにより、第1幕では主役を囲む群舞のダンサーたちが掛け声を出す演出が取り入れられ、そのほかにも第2幕のキトリのヴァリエーションにあわせて周囲のダンサーが同じ身振りで盛りあげるなど、さらにスケールアップした舞台で客席は大いに沸きました。また、"子どものためのバレエ"ならではの演出としてサンチョ・パンサ役のダンサーが語り部をつとめ、馬のロシナンテが登場します。今回はなんとワシーリエフ氏は自ら馬(ロシナンテ)の声も担当! あまりにも本物の馬の鳴き声にそっくりだったため、気が付かなったお客様も多数いらっしゃったようです。


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 ドン・キホーテが新たな旅から戻ってくるまで、この作品はしばらくお休みをいただきます。次回のドン・キホーテの物語にどうぞご期待ください!

レポート後半につづく>>


海外ツアーレポート2017/04/08

東京バレエ団第32次海外公演〈シュツットガルト〉  初日開幕レポート!

 4月7日(金)、東京バレエ団にとって第32次海外公演となるシュツットガルト州立劇場で初日の幕があがりました。今回の演目はナタリア・マカロワ版『ラ・バヤデール』。「シュツットガルトは、クランコに育まれた"バレエの町。"そこでアカデミックな基礎が問われる古典作品を上演するのは、バレエ団にとっても私にとっても、大きな挑戦でした」と斎藤友佳理芸術監督。久々の海外での古典全幕上演であり、『ラ・バヤデール』の初めての国外上演でもあります。    座席数1,404席のシュツットガルト州立劇場は3日間とも早々にソールド・アウトとなり、観客の関心の高さを物語っています。開演前から活気づくフォワイエの観客の中には、「わざわざスイスから東京バレエ団を見るために夫婦で来ました! 私は東京バレエ団を見るのは2回目なのですが、妻に見せたいと思って一緒に来ました。チケットを取るのもなかなか大変で。毎年来てほしい!」「東京バレエ団は前回の『ザ・カブキ』も見ましたよ。素晴らしかった」といった方から、「ふだんは現代的な作品の方が好きなのですが、『ラ・バヤデール』を見たことがないのでぜひ見たいと思って来ました」という方までさまざま。    この作品はシュツットガルト・バレエ団のレパートリーにないということもあり、幕が上がるや異国情緒の漂う舞台、主演を務める上野水香と柄本弾の演技に見入っていく観客の様子が印象的でした。また、当初出演予定だった奈良春夏が足を痛めたため、2日目にガムザッティ役デビューの予定だった伝田陽美が急きょ出演。上野、柄本と合わせる時間もほとんどと取れなかったのですが、歌劇場関係者から「後で聞いてびっくりしました。とてもそのようなアクシデントがあったとは思えないくらい素晴らしかった」と言わしめたほど、立派にガムザッティ役を務めあげました。    第2幕、ナタリア・マカロワが「他のバレエ団を指導する際は、東京バレエ団の群舞の写真を「完璧」のお手本として見せている」という十八番の《影の王国》では、一糸乱れぬコール・ド・バレエに喝采が贈られ、拍手がなかなか鳴りやみません。第3幕の冒頭には、地元ジョン・クランコ・バレエ学校の卒業生でもある宮川新大が初役ながら素晴らしいブロンズ・アイドルを披露。彼にも大きな拍手が贈られました。最後の幕が降りるや、馬蹄形の客席を天井桟敷まで埋め尽くした超満員の観客から怒涛のような拍手と歓声が上がり、カーテンコールが繰り返され、劇場全体が大喝采に包まれて初日の幕が下りました。また、幕間に2階フォワイエで行われた出演者によるサイン会にも、興奮した様子の観客が多く詰め寄せていました。  small_Applaus_02(photo_Roman Novitzky).jpg  公演終了の舞台上ではシュツットガルト・バレエ団芸術監督のリード・アンダーソン氏より「素晴らしい舞台でした。また皆さんをお迎え出来て大変嬉しいです」という労いの言葉があり、バレエマスターで次期監督のタマシュ・デートリッヒ氏もあたたかく歓迎してくださいました。シュツットガルトまで駆けつけ、前日から舞台の最終仕上げを手伝ってくださった振付指導のオルガ・エヴレイノフ氏もダンサーたちを労いつつ、さっそく翌日に向けてアドバイス。    主演の大役を終えた上野水香は、「今回は急なキャスト変更があり、演技の絡みに少しドキドキしましたが、シュツットガルトの劇場はお客様の距離も近くて、緊張感というよりもとてもあたたかい雰囲気があって踊りに入りやすいんです」と、笑顔を見せていました。斎藤芸術監督も「本番が始まるまでは生きた心地がしませんでしたが、ダンサーたちを信じて送りだしました。本番では気持ちを一つにして、しっかり応えてくれたと思います。また、故佐々木忠次代表がクランコ氏と築き上げた信頼関係があってこそ、今日の公演までつながっていると思うと、身が引き締まる思いでした。私自身も『オネーギン』を踊った時からリードさんはよく存じ上げていますし、これからもこの親密な関係を大事にしていきたいと願っています。」とほっとした様子を見せていました。    シュツットガルト州立劇場はオペラ、演劇、バレエを包括する総合劇場ですが、日本でもおなじみのシュツットガルト・バレエ団の本拠地です。故ジョン・クランコが1961年にバレエ団の芸術監督となる以前はオペラの観客が中心だったそうですが、彼の着任以後は、熱心にレクチャーやデモンストレーションを行い、観客を育てる努力を惜しまず重ねてきました。現在も、すべての公演でプレトークを行い、毎シーズン必ず、小さな劇場で観客に近い距離でリハーサルを見せる〈ビハインド・ザ・シーン〉を企画するなどその遺志が引き継がれています。こうしてシュツットガルトには熱心な観客が育ち、彼らは古典作品、クランコ作品、コンテンポラリー、新作などの演目の種類に関わらずつねに劇場に足を運び、サポートを惜しまないのだそうです。この4~5年は全シーズンのチケットセールスは97~8%とほぼソールド・アウトが続くほどの人気を誇っており、いまや定期会員になるのも難しく、会員権はほとんど家族に遺贈されていくのだとか。    東京バレエ団にとって、1973年に初めて招聘されて以来、今回が10回目の訪問となります。シュツットガルトの観客にとって東京バレエ団の認知度は高く、昨年2016/17年シーズン・ラインナップが発表されるや、公演についてかなりの問い合わせが来たそうです。州立劇場では公演日の2か月前にチケット販売が開始されますが、その直後に50~60%の予約が入り、一般発売後1週間~10日でチケットが売り切れたのだとか。「東京バレエ団がいかにクオリティーの高いバレエ団ということは、観客もよく知っています。その素晴らしいバレエ団が、今までシュツットガルトで観る機会のなかった古典バレエの名作を上演する。この相乗効果によって、また大きな期待を呼んだのだと思います。チケットが売れるのはとても早かったですよ!」と、劇場広報のヴィヴィアン・アーノルド氏は語ってくれました。    シュツットガルトはバーデン=ヴュルテンベルク州の州都であり、ドイツを代表する工業都市のひとつですが、中央駅からすぐに位置する州立劇場近辺くには公園も散在し、街中はのどかな雰囲気に包まれています。劇場前のオーベラーシュロスガルテン(宮殿北側庭園)と名付けられた公園を横切る小道は「ジョン・クランコの小道」(John-Cranko-Weg)と名付けられ、シュツットガルト・バレエ団が市民と密接な関係にあるのがうかがわれます。    東京バレエ団は2017年、新年早々にベルギー・フォレストナショナルにてモーリス・ベジャール・バレエ団との合同公演『第九交響曲』で第31次海外公演を終え、今回の第32次海外公演3公演終了後には海外公演30か国153都市761回の記録を達成いたします。 photo:Ulrich Beuttenmueller

公演情報2017/02/06

<ウィンター・ガラ>「イン・ザ・ナイト」キャスト決定

2月22日(水)、23日(木)に上演する、東京バレエ団<ウィンター・ガラ>「イン・ザ・ナイト」のキャストが決定いたしましたので、お知らせいたします。 【2月22日(水)】  沖香菜子-秋元康臣  川島麻実子-ブラウリオ・アルバレス  上野水香-柄本弾 【2月23日(木)】  沖香菜子-秋元康臣  川島麻実子-ブラウリオ・アルバレス  上野水香-柄本弾 

レポート2017/02/06

『イン・ザ・ナイト』振付指導ベン・ヒューズ インタビュー

 東京バレエ団が、満を持して、新たなレパートリーに挑戦する。芸術監督の斎藤友佳理が、一昨年に芸術監督に就任して以来、上演を切望していた『イン・ザ・ナイト』。東京バレエ団が初めて取り組むジェローム・ロビンズ作品にして、日本のバレエ団による同作初演である。

 ロビンズ財団から派遣された振付指導者ベン・ヒューズの下でリハーサルを始めて2週間が過ぎた2月初頭、その手応えを彼に語ってもらった。


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完璧主義者で鳴らしたロビンズのように、リハーサルではディテールにまで目を光らせます。

─ 先ほど、見学したリハーサルでは、デュエットの技術的な事項よりも、動きの細部について指示を出されていたことが印象的でした。
「このバレエは三組の男女が踊る小品とはいえ、けっして簡単な作品ではありません。複雑なステップとパートナリングが随所に組み込まれているので、振付を指導する際には、ごく小さなディテールにまで目を光らせなくてはなりません。完璧主義者で鳴らしたロビンズが、そうしていたように。腕の差し出し方、頭の角度、リフトのタイミング、ポーズをした時の腕を静止させるのか、動かすのか...。
 振付には幾つかのオプションがあって、生前のロビンズがニューヨーク・シティ・バレエ(NYCB)で新しいダンサーを起用した時や、パリ・オペラ座やマリインスキー劇場に彼自身が赴いて『イン・ザ・ナイト』を上演した時にも、振付を微調整したうえで、公演に臨みました。いまの私も、東京バレエ団のダンサーにもっとも相応しいやり方を選別しているところです」


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ロビンズを踊るには、知性と音楽的なセンス、しっかりとしたパーソナリティが必要

─ 雰囲気の異なる3つのデュエットが連なる作品です。出演者には、何が求められるのでしょうか。
「自分自身になることです。しっかりとしたパーソナリティを持ち、様々な陰影や自分らしさを表現し、三組三様の愛の形を描いていきます。知性と音楽的なセンスも必要です。作品のディテールを体にしみこませ、女性は女性らしく、男性は男性らしく、流れるように踊る。どれも、けっして簡単なことではありません」

─ 音楽的なセンスとは、具体的にどのようなことでしょうか。
「古典バレエでは、カウント通りに踊ることが鉄則です。一方、ロビンズ作品では、NYCBのもう一人の立役者、ジョージ・バランシンの作品でもそうするように、ほんの一瞬だけ、ステップを音楽より遅らせます。この僅かな時間差を使って、ダンサーがサーフィンのように音楽を乗りこなせば、ダンスはより美しく見えるのです。まず音楽ありき、と言われるゆえんです。音楽に耳を澄ませば、いま、何をすべきか、どう踊るべきか、おのずと明らかになるはずです」

─ ヒューズさんは、ロビンズ作品に加えて、バランシン作品の指導もされています。両氏の作品には、どのような違いがありますか。
「バランシンが振り付けたバレエは、ステップを忠実に踊れば、ダンサーがさほど優秀でなくても、見栄えがします。振付自体が強固で、綿密に構成されているのです。ロビンズ作品の場合は、優秀なダンサーが不可欠です。さもないと、作品は空中分解してしまう。『イン・ザ・ナイト』も例外ではありません。ある意味、ロビンズ作品は繊細で、儚いものだと言えるでしょう」

─ 『イン・ザ・ナイト』のように、Mr.ロビンズは、随意に選曲し、構成した音楽を使って作品を振り付けることが、多々、ありました。
「ロビンズは、自由自在に音楽を使いこなしました。ショパンのピアノ曲を使った一連のバレエの場合、彼が思い描く通りにダンサーを踊らせるために、本来のテンポを変えた場面があるので、ピアニストを困惑させた、といった逸話も語り継がれています。バランシンが、作曲家が作曲した通りに音楽を用いたのとは、対照的です」

─ Mr.ロビンズがMr.バランシンを師と仰いでいたことは、つとに知られています。振付家として、彼はバランシンから何を学んだのでしょうか。
「バレエという芸術表現の根幹をなすテクニックを学んだのだと思います。ロビンズは、アメリカン・バレエ・シアターで発表したデビュー作『ファンシー・フリー』(1944年初演)で成功をおさめた後、バレエを踊り、振り付けるだけでなく、ブロードウェイのミュージカルを幾つも手がけていました。その後、NYCBに移籍したのは、バランシンの身近で仕事を続け、振付家としての技術を吸収したかったからなのでしょう」

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ロビンズのリハーサルに参加することは特別な経験でした。
─ ヒューズさんは、Mr.ロビンズの許で10年にわたり、踊った経験をお持ちです。印象的なエピソードはありますか。
『「In G Major」というバレエのリハーサルをしていた時のことです。その日、彼は私の腕の上げ方が気に入らなかった。何度、やり直してもロビンズは納得せず、私は途方にくれました。翌日、配役表から私の名前は消えてしまった。公演は来週にせまっていたので、彼は他のダンサーをリハーサルに招集したけれど、結局、私が呼び戻されました」

─ 腕の動きは解決したのですか?
「もう何年も踊っていた作品だったので、もともと問題はなかったんです。ただ、ロビンズはふとしたはずみで、誰かのちょっとした動きが気にかかり、先に進めなくなることがあった。ダンサーを思い通りに踊らせることができず、試行錯誤せざるを得なかったのでしょう。ダンサーにとって、彼の振付リハーサルに参加することは、苦労のしがいのある、特別な経験でした。産みの苦しみを経て、素晴らしい作品の誕生に立ち会えるのですから」

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─ 粛々と振付を進めたMr.バランシンとは対照的ですね。
「確かにロビンズには気難しい部分もあったけれど、パフォーマンスの出来映えが良ければ、言葉に出して褒め、敬意をはらってくれました。私自身、彼と食事に行ったり、オペラを見に行き、芸術について、人生について、あるいは日常のちょっとしたことについて語り合ったことは、懐かしい思い出です」

─ 稽古場の空気を一変させる、"裏技"があったのだとか。
「彼は大の犬好きでした。ダンサーが稽古場に犬を連れてきたら、大喜び! ダンサーには厳しく接することがあったけれど、犬にはいつも大甘で、犬がいる時には、彼の気持ちが和むのが分かりました。私達は、ダンサーの誰かが犬を飼っていると聞きつけたら、その犬をリハーサルに連れてきて、と頼み込んだものです」

─『イン・ザ・ナイト』は、東京バレエ団が初めて踊るロビンズ作品です。出演者の取り組みは、いかがですか。
「とても熱心で、協力的で、ほんとうに踊りたい、という気持ちが伝わってきます。十数年ほど、振付指導の仕事をしていますが、日本のダンサーとはいつもスムーズにリハーサルをすることができ、嬉しい限りです」

取材・文/上野房子(ダンス評論家)

リハーサル撮影:長谷川清徳


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記者懇親会にて:(左から)ブラウリオ・アルバレス、柄本弾、ベン・ヒューズ、斎藤友佳理、上野水香、川島麻実子、秋元康臣


レポート2017/01/30

「孤独な祝祭 佐々木忠次」 西日本新聞書評

西日本新聞(2017年1月22日)読書館に掲載された、評論家梁木靖弘氏よる書評をご紹介します。  孤独な祝祭 カバー表1画像250.jpgこれは稀有なインプレサリオの伝記である。このイタリア語を興行主、団長などと訳してみたところで、胡散臭くなるばかりだ。芸術家ではないが、舞台製作のすべてに権力と責任を持つ大物を西欧ではインプレサリオと呼ぶ。日本でそれに値する人物がいるとすれば、佐々木忠次だけだろう。  ベジャールの振付や、クライバーの指揮に飛びつく愛好家でも、来日公演を実現させたのが誰かを知る人は少ない。筆者も例外ではない。40年前、興奮して見た二十世紀バレエ団の東京公演。それも佐々木だったと本書で知った。  彼は海外から一流のオペラ・バレエを招聘しただけではない。主宰者として東京バレエ団を世界で絶賛されるカンパニーに育て上げた。また「ザ・カブキ」など傑出した創作バレエを作った。求めていた舞台は「人々が熱狂し、陶酔し、心躍らせる歓喜の場、祝祭空間としての劇場だった」。そのためには妥協しなかった。情熱はどこから来るのか。本書の最終章は「怒りの人」と題されているが、佐々木の情熱は、日本という国家に対する怒りに比例するようだ。彼の驚嘆すべき業績をいまだに理解も評価もしないのが日本である。彼はそれがわかっていたから、挑戦するように美の世界を構築しようとしたのではないか。  それを象徴するのが、東京バレエ団の社屋。ギリシャ風の柱や装飾的な欄干のバルコニーを持つ「ヨーロッパ風建築」だが、「舞台のセットが組まれたかのような違和感」があると著者は言う。ただちに連想されるのはロココ趣味の三島由紀夫邸である。「佐々木にとっては、舞台世界こそが究極の美の世界であり、それを現実の部屋に取りこむことはまさに夢でさえあった」。彼の美意識は、三島に似ている。ベジャールが佐々木のために作ったバレエ「M」が、三島その人をテーマにしていたのもうなずける。  白鳥の例を思い出す。佐々木忠次の生涯は、水中で必死にもがき続ける脚だった。そのおかげで水上に美しい白鳥を見ることができたのだと、思わずにはいられない。 (評論家 梁木靖弘)

レポート2017/01/03

(1/3[火])更新 東京バレエ団ダンサーからの年賀状2017

新年明けましておめでとうございます!!

2016年は東京バレエ団にとって大きな節目の年になりました。創立者、佐々木忠次が去る4月30日に他界。東京バレエ団のスタジオで<お別れの会>を行い、ご来場くださった大勢の方々が佐々木の功績に想いを寄せました。10月には東京バレエ団の代表作「ザ・カブキ」の初日を<メモリアル・ガラ>として上演し、ダンサーたちは舞台から天国の佐々木へ追悼の想いを捧げました。

また、昨年はブルメイステル版「白鳥の湖」の初演を皮切りに、「ラ・シルフィード」、第30次海外公演(カリアリ【伊】)、「エチュード」、子どものためのバレエ「ドン・キホーテの夢」全国公演、第4回めぐろバレエ祭り<夏祭りガラ>(「パキータ」、「スプリング・アンド・フォール」、「ボレロ」)、「ザ・カブキ」、「くるみ割り人形」、合計50回もの公演を無事に終えることができましたのも、劇場へ足を運んでくださった全ての方々のお力添えのおかげと感謝いたしております。ダンサー、スタッフ一同、心より御礼申し上げます。

2017年の年明けに、恒例となりましたダンサーからの新年のご挨拶を申し上げます。「クラブ・アッサンブレ」の会員様には、直筆サイン入りの年賀状をお送りしております。下記にて全ダンサーのサインを一挙公開いたしますので、どのダンサーからの年賀状か、楽しみにご覧ください。

2017年元日、東京バレエ団のダンサーたちは第31次海外公演(ブリュッセル)、「第九交響曲」に出演するため、朝早く日本を旅立ちました。公演の様子は追って本ブログでご紹介いたしますので、どうぞ楽しみにお待ちください。

今年も「イン・ザ・ナイト」、「アルルの女」の新作初演を含め、多彩なラインアップで皆様のご来場をお待ちいたしております。2017年も東京バレエ団に変わらぬご声援を賜りますよう、謹んでお願い申し上げます。

1/3(火)更新

1/1(日)にアップしました本ブログに誤りがございました。ソリストのサインのうち二瓶加奈子、岸本夏未の名前が逆に掲載されておりました。下記のとおり訂正し、お詫び申し上げます。大変申し訳ございませんでした。



【プリンシパル】

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【ファーストソリスト】

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【ソリスト】

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★東京バレエ団2017年のラインアップはコチラ>>>

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「スプリング・アンド・フォール」公開リハーサルレポート

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第33次海外公演(オマーン)ダンサーレポートその2〜二瓶加奈子

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第33次海外公演(オマーン公演) ~現地の公演評~

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第33 次海外公演(オマーン)ダンサーレポートその1~樋口祐輝

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第6回めぐろバレエ祭り ダンサー交流会レポート

 8月下旬、めぐろパーシモンホールにて開催された第6回めぐろ...

開幕直前レポート! 〈夏祭りガラ〉〈プティパ・ガラ〉のリハーサルより

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ブルメイステル版「白鳥の湖」プロモーション映像完成!

 ブルメイステル版「白鳥の湖」。今回は6月16日(土)の鎌倉...

ブルメイステル版『白鳥の湖』再演、 東京バレエ団オリジナルの新衣裳がついに完成へ!

 公演まであと3週間。ブルメイステル版『白鳥の湖』の今回の再...

アンソニー・ダウエル(「真夏の夜の夢」振付指導) 特別インタビュー 

 まもなく初日をむかえる東京バレエ団「真夏の夜の夢」のリハー...