今週末に上演するベジャールの「くるみ割り人形」。今回の舞台で2回目の母に挑戦する渡辺理恵、初役となる政本絵美、2人の"母"にプチ・インタビューを行いました。ぜひご一読ください!
渡辺理恵
"演じない"で演じる難しさ! その動きにつながる「動機」を探し中。
"母"役を踊るのは2回目です。初役のときはポジションや動きをかたちにする、土台作りに時間がかかりました。前回とはスタートラインが違いますが、リハーサルでは壁にぶつかることばかり。前回踏み込めなかった部分について考えさせられ、新しい発見があります。
印象的なのは第1幕のパ・ド・ドゥ。(小林)十市さんが「演劇性を重視」とおっしゃっていたのですが、私自身の見方、とらえ方を含め、色々な角度から考えることができて、踊っていてもその場その場で発見がある、全編をとおして踊ると、本当に重みのある作品です。
昨年、古典の「くるみ」を全幕踊っているんですが、だからこそベジャール版の独自性、面白さも感じます。こんなにも違うものなのか・・・と改めて思いました(笑)。
(吉岡)美佳さんには、「自然に、演技になりすぎず」と言われました。歩く、振り向く、見る、すべて日常生活にある動きですが、"演じない"でやることに難しさを感じ、試行錯誤しています。
普段の生活で行われている動作には当然意味があるわけですから、舞台上で同じことをするうえで"母"がその振り、動きをすることにつながる「動機」を、今、探しています。
政本絵美
これまで気づかなかった大事なシーン。ビムとの永遠の別れを実感します。
2012年の上演の時にはアンダーキャストだったので舞台には出られず、今回初めての挑戦となります。本当は「花のワルツ」でタキシードを着る女性の役にずっと憧れていたんですけど(笑)、思いがけず母を演じることになりました。
実は母役は踊るところが少ないんです。なので「振り」にならないように、自然に見えるようにと気を付けています。普段の生活でも子どもに手を伸ばしたりして、それをどれだけ自然に見せることができるか、と考えながら演じています。
リハーサルをしてみて、プロローグとエピローグの演じ分けにも難しさを感じています。(吉岡)美佳さんに指導していただいているのですが、エピローグでは「笑わないで」と注意を受けました。ただ、悲壮感が漂ってしまってもいけませんが。そう、演じてみて初めてわかったんですが、母は最後鏡の前で手を振るんです。これまでも観ていたのに全く気がつきませんでした。お客さまもこの場面はビムをみているので気がついてない方が多いと思います。確かに、最後はビムと母の永遠の別れなんですよね・・・。
一番好きなのはビムとのパ・ド・ドゥです。音楽もすごく素敵ですし、あの曲にこの振付ができたベジャールさんって、本当に天才だと改めて思いました。
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