シリーズでお贈りする東京バレエ団新制作「くるみ割り人形」主演キャストインタビュー。第二弾には沖香菜子&秋元康臣(12月14日、24日主演)のペアが登場!
前回の上演時には別々のパートナーと組んだ2人が、本作で初めて共演をはたします。リハーサルについてたっぷりと語ったヴォリュームあるインタビューです。ぜひご一読ください!
──いよいよ『くるみ割り人形』の季節ですね。
沖香菜子 私が東京バレエ団の『くるみ割り人形』で初めて主役を踊ったのは、(ウラジーミル・)マラーホフさんがアーティスティック・アドバイザーでいらしていた時(2014年)でした。マラーホフさんが見せてくださるアダージオといったら、女性よりずっと女性らしい動きで、「ああ、こうなのか!」と実に明確に示してくださる。リハーサル期間はとても短かったのですが、収穫の多い公演でした。
秋元康臣 僕が踊ったのは入団した翌年だったかと思います。とてもシンプルな舞台という印象でしたが、その分、ダンサーは自分の力で踊りを見せなければならないので、取り組みがいがありました。
──今回の『くるみ割り人形』は斎藤友佳理芸術監督による新演出です。
沖 稽古を重ねるごとに「こうしたい」という気持ちが強くなってきたり、動き自体がどんどん変化していったり──。これからもまだまだ変化していきそうです。
秋元 新制作となると、本番までにいくらでも変わる可能性があるわけです。
沖 マーシャと王子の踊りの部分、たとえば第1幕の"雪"のアダージオや第2幕のグラン・パ・ド・ドゥなどは、これまでのヴァージョンとほぼ同じですが──。
秋元 ディヴェルティスマンの踊りはだいぶ違ったものになりますね。セットも衣裳も新しくなりますが、ロシアの製作現場の映像を観たら、これはすごいな、と!
沖 立体感のある舞台になりそうです。今回は、クリスマスツリーの中の世界を、マーシャと王子が上へ上へと旅していくという設定なんです。
秋元 こう、絵本のページを次々とめくっていくようなイメージですよね。
──今回の『くるみ』で、お互いにどんなマーシャ、王子になるのでしょう。
沖 私が演じるとどうしても"やんちゃ"になりがちなのですが......。
秋元 おてんばなマーシャ、でしょうか。元気いっぱい。でもそれはそのまんまで沖さん(沖香菜子)の魅力だと思いますし、そこを無理におしとやかにふるまうこともないですよね(笑)。
沖 (笑)。グラン・パ・ド・ドゥでは、マーシャが想像する、大人の女性像を体現できたら。
秋元 沖さんは雰囲気を作るのがとても上手で、すぐにまわりの空気を変えることができるダンサーですから、それに僕も力をもらいながら踊ることができるんです。
沖 おみさん(秋元康臣)は、このままで王子、です。目を覚まして歩きだした瞬間から王子、という印象を誰もが持つようなダンサーですね。動きが精確で、大きい。吹っ切れているときは特に、ですね。
秋元 自由奔放が爆発しないように気をつけないと(笑)。
沖 今回は、これまでのヴァージョンのいいところは大切にしつつも、全くの東京バレエ団オリジナルの『くるみ割り人形』になるので、ぜひそのつもりで、期待して観に来ていただけたら嬉しいですね。
秋元 クリスマスツリーの中を登っていく旅という発想は、ほかでは見たことがないオリジナル。日々どんどん変化を重ねながらリハーサルをしてるので、それはもう、期待していただけると思います。ぜひ楽しみにしていらしてください。
取材・文:加藤智子(フリーライター)
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