チャイコフスキーの珠玉の音楽にのせたバレエ「くるみ割り人形」。クリスマス・イヴの夜、人形たちのふしぎな世界に迷い込んだ少女マーシャは、くるみ割り王子に誘われ、雪の国やお菓子の国を訪れる。雪の国で二人が雪片とたわむれるように舞う幻想的なダンス、お菓子の国の宴でくり広げられる個性的な踊り、そしてマーシャと王子の華麗なグラン・パ・ド・ドゥまで、見どころは尽きない。
東京バレエ団では芸術監督の斎藤友佳理の総指揮のもと、2019年に新制作版を上演。演出のコンセプトは〈クリスマスツリーの中に入り込んでしまった、マーシャの驚き〉で、他のバレエ団にはみられない、東京バレエ団ならではの独自性が光る舞台となっている。
劇場のことを知り尽くした、ロシアの熟練のスタッフたちによって製作された舞台装置、美術、そして総数約200点にもおよぶ華やかな衣裳も大きな見どころである。