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2014/06/10

東京バレエ団 第27次海外公演1 オーストリア&ドイツ 速報!

東京バレエ団第27次海外公演報告1
熱い歓声に包まれた、クラーゲンフルト、シュツットガルト公演

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東京バレエ団はただいま創立50周年記念プロジェクトの第4弾として第27次海外公演(オーストリア、ドイツ、イタリア)を実施しています。昨年12月の第26次海外公演ギリシャにつづくこの海外公演では、モーリス・ベジャールの6作品、ジョン・ノイマイヤーの「スプリング・アンド・フォール」ほかの演目を携え、連日のように熱い歓声を浴びています。このたび5月22日にツアーの幕開けを飾ったオーストリアのクラーゲンフルト公演の新聞評が届きましたので、ご紹介いたします。

初訪問となったクラーゲンフルト市立劇場における公演は5月22日から6月4日にかけて全12公演行われ、モーリス・ベジャール振付の2作品『舞楽』『チェロのための5つのプレリュード』とジョン・ノイマイヤー振付『スプリング・アンド・フォール』、フェリックス・ブラスカ振付『タムタム』が上演されました。東京バレエ団の客演について、フローリアン・ショルツ総裁は「こんなセンセーションは毎年あるものではありません」と語っていますが、初日から客席は大盛況が続き、連日熱いカーテンコールをもって全公演を成功裡に終えることができました。
"クローネン"紙は5月24日付の記事で 「東京バレエ団による舞踊の極みに観る、偉大なる振付家たちの作品」 と題して、以下のように伝えています(抜粋)。

「ダンスの傑出した革新者たちが、おそらく世界でも一番の公演カンパニーに、一部独占的なものも含めて振付作品を提供したことには理由があったのだ。その中でも、さまざまな文化、特に極東の文化から発想を得て創作し、輝かしい技術を持った個人のダンサーたちを念頭に総合芸術を作り上げた伝説的なベジャールの存在はひときわ大きい。

プログラムは、日本の典雅な踊りと現代のセレモニーとダイナミズム、つまりそれはここではスポーツの規則となっているのだが、それら新旧両者を結び付ける「舞楽」で始まる。バレエの要素を取り入れた、能と歌舞伎の劇、華麗で歴史的な衣裳とフットボールのスポーツウェア、黛敏郎の響きに心揺さぶられる。文句ない、すばらしい。
ベジャールが、表現力の極致に達するために、つねにダンサーたちに要求した、技術的にミリメートルの細部にまでこだわる踊りは、次の2つめの作品「チェロのための5つのプレリュード」(バッハ)でも見て取れる。
ユーモアとチェロを「引っ提げて」踊る吉岡美佳とパートナーの高橋竜太は、これ以上卓越して精確であれと要求することは、あり得ないくらいのレベルに達している。ここでジョン・ノイマイヤーによる、ドヴォルザークの音楽、ホ長調のセレナーデに乗せた詩的序曲「スプリング・アンド・フォール」は、美学的には「古めかしく」あるものの、柔らかく揺れる白の服もあいまって、ずっと力が抜けて見える─これがとにもかくにも「アメリカの」流派なのだ。
フィナーレは、ブラスカによるレビュー的な「フランスの」ベジャール美学への回帰的作品、精巧さと技術的輝かしさが異国情緒と混合した、ヴァンサン・バウアーとアティソー・ロコのライヴ演奏による「タムタム」の踊りである─お見事!」

(アンドレア・ハイン)

4bbb75012be27ff585a16cfa0964cabf.jpg続いては、6月7日と8日とシュツットガルト州立劇場にてモーリス・ベジャール振付『ザ・カブキ』を2日間にわたって上演。初日は柄本弾と上野水香、二日目は森川茉央と渡辺理恵が主演し、両日とも満員の大盛況が早くも伝えられています。

9ac29c1b479217d02e33977cdb2c6c5f.jpg最終日のカーテンコールには、劇場側がサプライズで用意したという"Dear Tokyo Ballet! Thank you and Sayonara! See you soon!"と書かれた看板が登場。団員たちには、客席からは万雷の拍手が贈られました。

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この後、バレエ団は一時帰国後、再び渡欧し6月27日、28日にはイタリアのローマ、カラカラ野外劇場公演にてモーリス・ベジャールの『ギリシャの踊り』『ドン・ジョヴァンニ』『春の祭典』を上演いたします。

※ 第27次海外公演の全日程については、こちらをご参照ください。

photo : Karlheinz Fessl(Klagenfurt), Bernd Weissbrod (Stuttgart)