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2025/01/30

ダニール・シムキンより、日本のお客様へのメッセージ

 1月29日(水)に発表させていただきましたとおり、2月7日(金)、2月9日(日)のベジャールの「くるみ割り人形」にフェリックス役で出演を予定しておりましたダニール・シムキンはふくらはぎに強い痛みが生じ、医師より安静を指示されたために公演に出演することができなくなりました。シムキンの出演を楽しみにお待ちいただいておりましたお客様には大変申し訳なく、深くお詫び申し上げます。
 本日、シムキンより日本のお客様に向けてのメッセ―ジが届きましたので下記にてご紹介いたします。ご一読いただければ幸いです。
 この度のやむを得ない変更についてお客様にご理解賜りますよう、重ねてお願い申し上げます。

公益財団法人日本舞台芸術振興会 /  東京バレエ団

ダニール・シムキンからのメッセージ

 

大切な日本の観客の皆様へ

 

 大変残念ながらこの20年で初めて、日本での出演をキャンセルせざるを得なくなりました。とても悲しく落胆しておりますが、今回は私の身体が務めを果たすことができそうにありません。

 新しい役を学ぶこと、モーリス・ベジャールという伝説的な振付家の、私にとり初めての舞踊言語で自分自身を表現すること、そして私が見つけたものを、私が大切にしている日本の観客の皆さんと分かち合うことを、心から楽しみにしていました。

 残念ながら叶えられそうにありません。この2ヶ月間、ふくらはぎとアキレス腱の炎症があり、すでに様々なショーをキャンセルせざるを得ませんでした。おかげで改善し、日本公演には出演できると思っていましたし、新しい役(フェリックス)を踊るために、さらに公演を一つキャンセルもしました。しかしながら炎症が再発してしまいました。医師からは、この脚で無理をして踊り続けると筋肉が断裂する恐れがあり、そうなれば丸1年、舞台に上がれなくなるかもしれない、と言われました。

 芸術を創造するためには、多くのことが整っていなくてはなりません ― 私たちの心、色々な条件、土台となる継承されてきた技術、そしてフィジカルな能力を最大限に発揮できる身体。残念なことに、今の私はそういう状態になく、身体が緊急なケアを求めています。今は身体からの求めを拒否することができません。なぜならこれからあと数年はダンサーとして踊り続けたいと思い、とりわけ私が尊敬し、大切にしている日本の観客の皆さんの前に再び戻ってきたいと願うからです。

どうかご理解いただき、お許しいただければ幸いです

 

尊敬と愛をこめて

ダニー

 

My dear Japanese audience, 

with heavy heart, for the first time in almost 20 years, I will need to cancel my shows in Japan. I am saddened and disappointed, but my body cannot fulfill his duty this time. 


I was so much looking forward to learning a new role, realize myself in the new choreographic language of the legend that is Maurice Bejart, and share what I found with you, the Japanese audience, that I cherish.  


Unfortunately it is not meant to be. My calf muscles and achilles tendon have been very inflamed in the past 2 months and I therefore already have had to cancel various shows. They were getting better and I believed that I could manage. I also canceled a show to concentrate on the new role I was trying to tackle. However, they somehow got inflamed again. If I keep pushing and dancing on this leg, doctors say that I risk ripping my muscle and if this happens I might need to miss a whole year of my career. 


In order to create our art we need many things to align - our mind, the conditions, the history of our craft as a base and the body that is at its full physical capacity. Unfortunately that is not the case with me and my body is asking urgently to be taken care of. I cannot deny this right now, especially since I want to continue to be able to give as a dancer for a few more years and especially return to you, my Japanese audience, that I respect and value. 


Please understand and forgive me. 


 With respect and love, - Danii