レパートリー

「水晶宮」

振付:ジョージ・バランシン
音楽:ジョルジュ・ビゼー

 ジョージ・バランシンの傑作のひとつに挙げられる『水晶宮』は、輝くようなエトワールたちへの置き土産として、パリ・オペラ座のために1947年に創られた。音楽はビゼー17歳のときの作品「交響曲ハ長調」が使われている。パリで大成功を収めた後、翌年にはニューヨーク・シティ・バレエの前身であるバレエ・ソサエティにより「シンフォニー・イン・C」と改題して上演されている。その後「シンフォニー・イン・C」は世界各地の主要なバレエ団のレパートリーになっている。

 『水晶宮』と『シンフォニー・イン・C』の最大の違いは、衣裳である。『シンフォニー・イン・C』が白一色のレオタードもしくはチュチュで踊られるのに対し、『水晶宮』はルビー、サファイヤ、エメラルド、ダイヤを表す4色のカラフルなクラシック・チュチュで踊られるため、4つの楽章の音楽的色合いの違いがより一層際立ち、まさに宝石箱のように燦然とした輝きを放つ作品に仕上がっている。