レパートリー

「白鳥の湖」

音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
台本:ウラジーミル・ベギチェフ、ワシーリー・ゲルツァー
改訂振付:ウラジーミル・ブルメイステル
第2幕振付:レフ・イワーノフ、アレクサンドル・ゴールスキー(三羽の白鳥)
装置:野村真紀
衣裳デザイン:アレクサンドル・シェシュノフ
衣裳製作:ティマート・プロダクション
衣裳コーディネーター:ニコライ・フョードロフ
世界初演:1953年4月25日

 心揺さぶるチャイコフスキーの音楽にのせて、魔法で白鳥に姿を変えられたオデット姫と彼女に愛を捧げるジークフリート王子の恋のゆくえを描く、幻想的な「白鳥の湖」。バレエの代名詞にもなっている本作は、月夜の湖畔で白鳥たちが美しく神秘的に舞う第2幕、情熱的な民族舞踊や、悪魔の娘オディールが王子を誘惑するグラン・パ・ド・ドゥが踊られる第3幕など、見どころにあふれたバレエの代名詞ともいえる作品。

 東京バレエ団では創立以来長いことゴールスキー版に基づいた演出版を上演してきたが、2016年2月、斎藤友佳理が芸術監督に就任後、初の全幕作品として本作の初演を実現させた。

 ブルメイステル版「白鳥の湖」の魅力は、バレエ以前に演劇を学んだブルメイステルの「ダンサーは舞台上で登場人物の人生を生きなければならない」という言葉に集約される。様式美を旨とする19世紀のプティパ=イワノフ版に対して、ブルメイステルはチャイコフスキーの原曲のドラマトゥルギーに従って音楽家の意図を忠実に再現し、物語性を重視していることが特徴。本作最大の見所が第3幕の舞踏会。オデットとジークフリートの愛の成就を阻止しようとたくらむ悪魔ロットバルトが、オデットにそっくりな娘オディールとともに城に乗りこみ、スペイン、ナポリ、ハンガリー、ポーランドという各国の踊りすべてが悪魔の手下という設定で、全員で一丸となって王子を誘惑し、翻弄する場面は圧巻の迫力を誇る。1953年の初演以来、この版は世界中で大成功をおさめ、本家のモスクワ音楽劇場をはじめ、パリ・オペラ座、ミラノ・スカラ座のレパートリーにも取り入れられいる。