2017/03/24
東京バレエ団は2017年の2度目の海外公演となる第32次海外公演を、来たる4月7日(金)~9日(日)、ドイツのシュツットガルトで実施。ナタリア・マカロワ演出・振付「ラ・バヤデール」全幕を上演します。東京バレエ団は過去にシュツットガルトにおいて9次17回の公演を行っておりますが、古典の全幕バレエを上演するのは1979年の第7次海外公演「眠れる森の美女」以来になります。
シュツットガルトは、天才振付家ジョン・クランコが創設した名門、シュツットガルト・バレエ団を擁する、バレエ・ファンにはおなじみの都市です。その本拠地であるシュツットガルト州立劇場は、いわばバレエの聖地。そこでの公演はバレエや舞台芸術を愛する市民でつねに賑わっています。
東京バレエ団が最後にシュツットガルト州立劇場で公演を行った2014年第27次のベジャールの「ザ・カブキ」も、2日間2公演が超満員の成功を収めました。その折にシュツットガルト・バレエ団の現芸術監督リード・アンダーソンから「ぜひまた客演してほしい。シュツットガルトの観客はクラシック・バレエも喜ぶだろう」との勧めもあり、今回の演目が決定する運びとなりました。
東京バレエ団は「ラ・バヤデール」を2009年に初演。その時に最終的な仕上げと舞台を見届けるため来日した、伝説の名プリマ、ナタリア・マカロワ自身から、バレエ・ブランの名シーン"影の王国"の群舞をはじめ、大きな賛辞を贈られました。以来、本作品は東京バレエ団の代表作のひとつとして度々上演されていますが、国外での上演はこれが初めてとなります。また、東京バレエ団はこれまで「ジゼル」「シンデレラ」「眠れる森の美女」「ラ・シルフィード」「ドン・キホーテ」などの古典全幕バレエを海外で上演しておりますが、2013年ギリシャ、アテネでの、古典の短縮版である"子どものためのバレエ「ねむれる森の美女」"を除くと、今回が13年ぶりの上演となります。
今回のツアーのため渡航するバレエ団のダンサーは62人。芸術監督、バレエ・ミストレス、舞台スタッフ等をふくめ総勢90人でシュツットガルトに乗り込みます。また「ラ・バヤデール」上演の際にはつねに指導にあたり、この3月も東京で熱心にリハーサルに取り組んでくれたオルガ・エヴレイノフ、そして2011年の2度目の上演以来、指揮を担当しているワレリー・オブジャニコフも現地で合流。演奏には地元のヴュルテンブルク州立ロートリンゲン・フィルハーモニー管弦楽団を得て開幕を迎えます。
シュツットガルト州立歌劇場での3回公演はすでにソールド・アウトとなっており、現地のバレエに目の肥えた観客たちの期待のほどがうかがえます。本ツアー終了時、東京バレエ団は、30カ国153都市761回の海外公演記録を達成することになります。
photo:Kiyonori Hasegawa
■ 東京バレエ団第32次海外公演 ─ シュツットガルト
日程:2017年4月7日(金)19:30/4月8日(土)19:30/4月9日(日)17:00
会場:シュツットガルト州立劇場
演目:「ラ・バヤデール」全3幕
振付・演出:ナタリア・マカロワ(マリウス・プティパ版による)
音楽:ルドヴィク・ミンクス
装置:ピエール・ルイジ・サマリターニ 衣裳:ヨランダ・ソナベント
【主な配役】
4/7(金)、4/9(日):上野水香(ニキヤ)、柄本弾(ソロル)、奈良春夏(ガムザッティ)
4/8(土):川島麻実子(ニキヤ)、秋元康臣(ソロル)、伝田陽美(ガムザッティ)
ほか東京バレエ団
指揮:ワレリー・オブジャニコフ
演奏:ヴュルテンブルク州立ロートリンゲン・フィルハーモニー管弦楽団
現地公演ウェブサイト>>
■ シュツットガルトにおける東京バレエ団客演の記録