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レポート2021/01/01

東京バレエ団ダンサーからの年賀状2021
新年あけましておめでとうございます!

 2020年も東京バレエ団にあたたかいご声援をいただき、誠にありがとうございました。昨年はコロナ禍により予定していた公演の延期・中止を余儀なくされた一年でしたが、ご支援くださる皆様のおかげで、東京バレエ団は活動を継続することができました。劇場にお越しくださった全てのお客様、そしてご自宅や遠方から応援してくださった皆様にダンサー、スタッフ一同、心より御礼申し上げます。

 2020年の年明けに、ダンサーたちから新年のご挨拶を申し上げます。毎年「クラブ・アッサンブレ」の会員様には、ダンサーの直筆サイン入りの年賀状をお送りしております。下記にて今回のサインを一挙公開いたします。どのダンサーからの年賀状か、楽しみにご覧ください。

 2021年が皆様にとって良い年となりますよう、一同心よりお祈り申し上げます。そして本年も東京バレエ団に変わらぬご声援を賜りますよう、謹んでお願い申し上げます。


東京バレエ団一同


■団長、芸術監督、バレエミストレス、バレエスタッフ
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■プリンシパル
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■ファーストソリスト
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■ソリスト
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■セカンドソリスト
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レポート2020/12/21

上野水香が中村祥子さんとのトークイベントに出演しました
12月21日(月)に発売されたチャリティ写真集『Jewels』。この写真集では世界で活躍する4名のバレリーナがメインモデルをつとめており、東京バレエ団からは上野水香が出演しています。

昨日(12月20日)、発売を記念し、都内某所で上野水香と中村祥子さんによるトークイベントが実現しました。

上野と中村さんは2008年にベルリン国立歌劇場で上演された〈マラーホフ&フレンズ〉で共演して以来、たびたび海外の舞台では会う機会があったものの、国内で共演するのは初めて! "日本でも共演したいね!"とずっと2人で話していたそうで、とてもトーク初共演とは思えぬほど息の合ったかけあいで、会場は終始和やかな雰囲気と笑顔につつまれました。

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上野水香(左)、中村祥子(右)、旧知の仲の2人ですが、トークでの共演ははじめて!

トークでは撮影の裏話や、お互いの写真に対しての印象、お気に入りの一枚についてから話がはじまり、
「もし2人で同じ舞台にたつなら!?」
「初めてトウシューズを履いたときどうだった?」
「32回のグランフェッテがあるとき、最初から意識するよね!?」
などなど、トッププリマならではの共通の話題で盛り上がり、特に中村さんが『白鳥の湖』の舞台でトウシューズを履き替えるお話では、場内騒然となる驚きのエピソードが飛び出るなど、話題は尽きることなく続きました。

なお、今回はチャリティ写真集という企画のため、写真集の売上から100足のトウシューズがバレリーナを目指す全国のバレエ少女にプレゼントされます。

バレエを愛する全ての方に手にとっていただきたい1冊です。













レポート2020/10/30

ただいま関内ホールにて、子どものためのバレエ『ドン・キホーテの夢』を上演中です

ただいま東京バレエ団は関内ホールにて、子どものためのバレエ『ドン・キホーテの夢』を上演中!

この公演は横浜市教育委員会が主催するもので、「心の教育 バレエの世界」をテーマに、横浜市立小学校の4年生を対象にした芸術鑑賞プログラムです。

今年はコロナ禍のために座席の間隔をあけ、客席は全員マスク着用のうえでの実施と、様々な対策を講じて上演しています。

さらに、子どものためのバレエ名物のカーテンコールや客席を使用した演出のとりやめなど、昨年とは違う形での開催となりましたが、会場は事前に配布されたプログラムに熱心に目をとおし、食い入るようにして舞台をみつめる小学生の熱気であふれています。

今回の公演では多数のダンサーたちが初役デビューを飾っています。

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ちらは写真左から生方隆之介(バジル)、涌田美紀(キトリ)、見事主役の重責を果たしました。そして今年入団の大塚卓はエスパーダ役デビューでした。

 

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長谷川琴音(写真左)、瓜生遥花(写真右)はキトリの友人役デビューでした。

 

このあとの公演の舞台裏は、公式Twitter, Instagramでご紹介してまいります。どうぞお楽しみに!

ロングインタビュー2020/10/15

東京バレエ団「M」リハーサルの現場より~吉岡美佳(東京バレエ団特別団員)インタビュー~

東京バレエ団「M」の10年ぶりの再演まであと9日! 今回の上演にあたり、初演時の「女」役誕生に貢献し、ベジャールとともに作品を創り上げてきた吉岡美佳(元プリンシパル・現東京バレエ団特別団員)が来団し、指導にあたっています。

後輩たちを厳しくもあたたく見守る吉岡に、現在のリハーサルの状況について話を聞きました。ぜひご一読ください。

 

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リハーサルを見守る吉岡美佳 


──『M』では、初演時から「女」役を務められていました。

吉岡 ダンサーにとって、そのキャリアの転機になるような作品というものがありますよね。
東京バレエ団に入団後、数年の間に、ベジャールさんの作品では『ザ・カブキ』の顔世御前、『ドン・ジョヴァンニ』のヴァリエーションを踊っていましたが、その時点ではベジャールさんに直に指導していただくことがなくて、1993年の『M』がベジャールさんと直接一緒にお仕事をさせていただく初めての機会となりました。この時、ベジャールさんと一対一でリハーサルをさせてもらったことで、自分の中でちょっと何かが変わるものがあったと思います。たとえば、イリ・キリアンさんとのお仕事(『パーフェクト・コンセプション』世界初演)が実現したのはその翌年のことでした。


──ベジャールさんとのリハーサルでは、最初はとても緊張されたそうですね。

吉岡 そう、怖かったのです(笑)。あのブルーの眼で見つめられると、考えていることをすべて見透かされているような感じがして。でも実はすごく優しくて、会うといつも手にキスをしてくれて! 当時はまだ60代でしたから、ご自分で実際に動いて見せてくださることも。それを見て感じた通りに動いて見せると、「そうだね」「いや、もっとこういう感じで」と指示をいただく──。そうして稽古を進めていきました。それはダンサーとして本当に大きな経験でしたね。


──「女」という役づくりについては?

吉岡 ベジャールさんから「こういう役だからこう踊って」という説明は特にありませんでした。プログラムか何かの解説を見て知ったのですが、正式には「生命と再生の源を象徴する女」という役名です。
『M』には三島由紀夫のさまざまな作品のイメージが登場しますが、配役表には「禁色」とか「鹿鳴館」とか、場面のタイトルが書いてあって、私が演じた「女」の登場する場面は「鏡子の家」と記されていました。それで初めて三島の本を読んでみたのです。だからといって、あの「女」が「鏡子の家」のあの女性なのかというと、それはちょっと違うような気もします。でも、読んでいるのと読んでいないのとでは、舞台に立ったときに自分が発するもの、存在感、深みといったものが変わってくるはずです。


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ヴァイオレット役の伝田陽美を指導


──強くて美しい女性、という印象です。

吉岡 ベジャールさんの作品ではよく、色でいえば白と黒という対照的な女性が登場します。『バレエ・フォー・ライフ』や『ブレルとバルバラ』もそうですね。白い衣裳の女性は、母親のような穏やかな愛。もういっぽうの黒い衣裳の女性は、もっと強くて激しい愛で、緊張感がある。『M』もまさにそう。白い衣裳の「海上の月」は母を思わせる慈愛に満ちた女性ですが、黒い衣裳の「女」は正反対。登場の場面では三島の分身の一人、IV - シ(死)にからまれて、どこか死に対する予感とか怯えが見え隠れする。そこから男性(I - イチ)とのパ・ド・ドゥが始まりますが、決して穏やかな雰囲気ではなく、男性のお腹にぶつかっていく瞬間もある。私の中では闘牛のイメージでした。リハーサルの時にはつい躊躇してしまったけれど(笑)。


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2005年の公演より。女役を演じる吉岡美佳


──今、リハーサルではどんなことに配慮して指導されていますか。

吉岡 ベジャールさんの振付は実にシンプル。言われた通りの振付をきちんとその通りに踊ることで、その振付が生きて、作品の中のその場が生きてくるものだと思います。ダンサーたちには、ベジャール作品を大事に踊ってほしいなと思います。そうでなければ、いまこうして取り組む必要などないわけですから。


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池本祥真(Ⅳーシ(死)役)に細かく動きのニュアンスを伝える吉岡


──10年ぶりの上演となる今回は、ほぼすべての役柄が新キャストに。フレッシュな『M』となりますね。

吉岡 演じるダンサーが変われば、作品は全く違うものになるもの。でも少なくとも、私も、(初演ダンサーで、今回ともに指導にあたっている)小林十市さんも、高岸直樹さんも、当時ベジャールさんに言われたこと、教えていただいたことを、最大限、ダンサーたちに伝えようと努めています。それは私たちの使命だと思うし、やりがいがあります。ベジャール作品は、映像を見て振付を覚えるだけで上演できるものではないし、東京バレエ団のオリジナル作品を途絶えさせるわけにはいかない。こうやって作品を継承していくことはとても大切なことと考えています。初演後のヨーロッパ・ツアーで高い評価を受けた作品ですが、いまあらためて、日本のお客さまに観ていただきたいと思っています


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写真左より、飯田宗孝、木村和夫、吉岡美佳、高岸直樹。そして写真には写っていないが佐野志織、初演から作品に関わっている5名が中心となって現在作品の指導を行っている。

取材・文:加藤智子(フリーライター)


>>>東京バレエ団「M」 公演情報はコチラから

ロングインタビュー2020/10/09

小林十市(ベジャール振付『M』振付指導) インタビュー

三島由紀夫の没後50周年を記念し、東京バレエ団が10年ぶりに上演するベジャールの傑作『M』。本作の再演にあたり、東京バレエ団では初演時に「Ⅳ―シ(死)」の役をつとめ、さらにベジャールの振付アシスタントをつとめた小林十市さん(元モーリス・ベジャール・バレエ団)に作品の指導をお願いしました。

現在南仏に活動拠点をおく小林さんは、7月末に帰国後2週間の自宅待機期間をへて来団。その後2週間にわたり、ダンサーたちにベジャールならではの振付のニュアンスや表現を細かく伝承していきました。そのリハーサルも終盤にさしかかった8月の下旬、帰国間際の小林さんに現在の手応えをうかがいました。ぜひご一読ください。

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──1993年の『M』初演の際には、ベジャールさんの振付アシスタントを務められました。

小林 「鹿鳴館」のワルツの場面の振り写しと、ダンサーの配置を任せてもらいました。が、実際のところアシスタントって何なのかわかっていなくて、リハーサル初日は最後まで残らずに帰ってしまった(笑)。翌日ベジャールさんから、「自分は動いて見せることができないから、十市は動いて、ダンサーたちにそのニュアンスを伝えてほしい」と言われ、ああ、そういうことかと!
現場では、当時の芸術監督の溝下司朗さんが最初から最後までリハーサルを見ておられて、初演の公演プログラムには、リハーサル後のベジャールさんの指示を司朗先生がノートに取り、僕が横で聞いている写真が載っています。

──『M』創作の過程をずっと見ておられたわけですね。

小林 だから皆さんは僕を『M』のエキスパートと思われているかもしれないけれど、全然、違うんです(笑)。『M』(1993)は『ザ・カブキ』(1984)と同様、ベジャールさんが東京バレエ団にプレゼントしたものですし、飯田宗孝先生も、佐野志織さんも、高岸直樹さんも木村和夫さんも、東京での初演の後、ヨーロッパツアーに出て、その間に20回以上も『M』を踊っている(その後パリ・オペラ座公演で合流)。本当は皆さんのほうがずっと詳しい!

僕ができるのは、ベジャールさんのボキャブラリー、動きのニュアンスについて「こうではないか」とアドバイスすること。それは、長くベジャールさんの作品を踊ってきた自分だから伝えられることかなと思っています。

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聖セバスチャン役の樋口祐輝を指導する小林さん

──もっとも印象的な要素の一つは、三島の分身であるイチ、ニ、サン、シの存在です。彼らは2つのパ・ド・カトルを中心に、様々な場面に登場します。

小林 振付の段階では、「お互いの距離をはかりながら」「ここでお互いを見て」といった動きのアイデアをポンと渡されて、そこから4人がアドリブで動いていました。細かいところまでは決められていないのです。今回指導するにあたって『M』の記録映像を4本見たのだけれど、全部違っている! つまり、動きのアイデアから外れてさえいなければ、どう動いてもいいということだったのです。

今回初めて、4役とも新キャストが配されましたが、指導の場では、この時はどこを通過していくか、別にここじゃなくでもいいとか、この二人の目線がどこかですれ違ればいいとか──そんな細かな作業を重ねていました。

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写真左より、池本祥真(Ⅳーシ)、宮川新大(Ⅱーニ)、秋元康臣(Ⅲーサン)、柄本弾(Ⅰーイチ)

──ご自身が初演したシ(死)はどんな役柄と捉えられますか。

小林 冒頭の海の場面では少年とともにお婆さんとして登場し、その後、狂言回し的な存在としてマジックを見せる。それはある種、ディアボリックな、悪魔的な感じです。そこからまた、生と死の「死」であることの怖さも押し出していく──。最初のパ・ド・カトルに至るまでに、既に3つの異なる色を出しています。そこには、ストーリーの中にいるときと、客観視しているときの使い分けがあって、それでいて一貫しているのは、全部を引っ張っていく存在です。

自分に振付けられたこの役をあらためて客観的に見ると、たとえば、正座して、少年のランドセルからお習字の道具を取り出す場面がありますが、僕は噺家の家に生まれたというバックグラウンドがあって、畳の部屋で正座したり、剣道をやっていて神棚にお辞儀をしたりといったことが身体に染みついている。それをベジャールさんが僕の中に見出していた──。ベジャールさんはこのダンサーにはこういったオプションがあるから、と有効に使う方だったのです。

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池本祥真は6代目の「Ⅳーシ(死)」の役を引き継ぐ

──あらためて、『M』とはどんな作品で、その魅力はどんなところにあると思いますか。

小林 ベジャールさんの頭の中にある美学が作品化されたもの、と言えると思います。『M』がヨーロッパで高い評価を受けているのは、日本のシンプルな美、美しい所作や、様式的なものがふんだんに散りばめられているからでしょう。禅僧が書く、「円相」というものがありますね。しゅっと一筆で書かれた円ですが、悟りの象徴、真実や宇宙、また輪廻転生を表しているともいわれるし、見る人によってどのようにも解釈できるという。海に始まって海に還る、『M』はまるであの円相のようだと思います。

宇宙規模でいえば、人の人生なんて一瞬だけれど、いまの若いダンサーたちが見せる、ほのかな一瞬の炎のような、その瞬間を、共有していただけたらと思っています。

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取材・文:加藤智子(フリーライター)

リハーサル写真:松橋晶子

>>>東京バレエ団『M』公演情報はコチラから

レポート2020/10/01

東京バレエ団〈Choreographic Project 2020〉公演レポート

東京バレエ団ではコロナ禍で延期になった3公演を9月に続けて上演。先週の「ドン・キホーテ」全幕公演を無事に終え、ダンサーたちもようやくエンジンが全開になってきたようです。
ここで、ダンサーたちの舞台への復帰の足がかりとなった〈Choreographic Project 2020〉を改めて振り返りたいと思います。東京バレエ団を長く取材してくださっている加藤智子さん(フリーライター)のレポートをご紹介。ぜひご一読ください!


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ソーシャルディスタンスを保ったカーテンコール


さる9月5日(土)、東京バレエ団は、めぐろパーシモンホールにて〈Choreographic Project(コレオグラフィック・プロジェクト)2020〉を開催した。8月に行われる予定であった〈めぐろバレエ祭り〉連動企画として、劇場の舞台で、団員による振付作品のみの公演を行うという試みが実現した。


上演されたのは、これまでに同プロジェクトで誕生した既存の作品に、今年1月に行われたスタジオパフォーマンスで観客賞に選ばれた1作品に、本公演の2週間前に実施された試演会で選出された2つの新作も加わった全7作品。新型コロナウイルス感染拡大防止のため、観客は定員の50%以下と寂しい光景ではあったが、バレエ団にとっては半年ぶりの舞台とあって、会場は静かな熱気にあふれていた。


最初に上演された作品は、岡崎隼也振付『Scramble(スクランブル)』。2017年のスタジオパフォーマンスにて観客賞を受賞、その後〈上野の森バレエホリデイ〉の屋外特設ステージで上演された作品だ。若手中心の新キャスト、劇場での本格的な照明によって、岡崎ならではの鋭角的な動きが、より立体的に浮かび上がった。

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岡崎隼也振付『Scramble』


指導陣からの出品となる木村和夫の『RISE(ライズ)』は、映画「シンドラーのリスト」の音楽、ケルティック・ウーマンの楽曲で構成された新作だ。一輪の花を慈しむように舞う柄本弾と、丈の長いチュチュをまとった沖香菜子以下14人の女性ダンサーたちは、ともすると『ジゼル』のアルブレヒトとウィリたちのようにも見えるが、闇の中に光を見つけたかのように彼方を見据えるその姿はずっと清々しく、明るい。リハーサル期間中、木村は「後付けになってしまうけれど」としながら、「今は皆、闇の中で手探りをしている状況かもしれないが、いつかこれを克服して、目の前がぱっと開けた時、また皆で手を繋いでいけたら──」と作品にこめた思いを明かした。ダンサーの成長を促す機会を大切にしたいとも話す木村。出演ダンサーの中には、この公演が東京バレエ団での初舞台という4人の研究生がいたが、彼女たちにとっても忘れがたい貴重な体験となったのでは。

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木村和夫振付『RISE』


岡崎隼也の2作目は、『Calling(コーリング)......』。緊急事態宣言発出後に創作した新作は、サン=サーンスの「白鳥」に振付けたソロで、コロナ禍にあって、舞台に立つ機会を求め続けていた上野水香と、彼女の舞台を待ち望む観客の人たちを思い、「既に知られている上野水香のイメージを壊すのではなく、何か新しい見せ方を目指したい」と取り組んだ。名作「瀕死の白鳥」で知られる音楽は、「儚さ、寂しさの中にも、どこか明るく、強い意思を感じる」という岡崎。「最後に、明るい未来への希望を見せたい」と、上野の力強さを印象付けた。

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岡崎隼也振付『Calling......』


次の『理由』は、2018年スタジオパフォーマンスにて観客賞を受賞した岡崎の作品。スツールを用いた内省的な作品は、秋山瑛、涌田美紀、足立真里亜、中沢恵理子というフレッシュなキャストで、より深みある、印象深いパフォーマンスに。

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岡崎隼也振付『理由』


ブラウリオ・アルバレスの『Adagietto(アダージエット)』も2018年の初演で観客賞を受賞、第1位に輝いた作品だ。奈良春夏と秋元康臣、岸本夏未と樋口祐輝ほか全5組のカップルが、マーラー交響曲第5番第4楽章アダージェットで踊る。広く知られたこの音楽をしっかりと活かす振付の工夫や、布を用いるユニークな演出は、上演を重ねることでより説得力あるものに。

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ブラウリオ・アルバレス振付『Adagietto』


続いて上演されたアルバレスの『夜叉』も、2019年に観客賞を獲得している。鬼婆伝説に想を得て、アルバレスの故郷メキシコで国民的人気を得ている楽曲、アルトゥロ・マルケスのダンソン第2番に振付けた、日本とメキシコの文化の融合を目指した意欲作。女性のメインロールは初演から引き続き中川美雪、男性は宮川新大が初めて取り組み、それぞれの持ち味を存分に活かした演技でストーリーを伝えた。ラテン特有のリズムを活かしたダイナミックな振付は大きな見どころ。アルバレスは「日本人が「赤トンボ」を聴いて懐かしさを感じるのは、日本人だからこそ。メキシコ人にとってこの楽曲は、それと同じまさに特別な音楽。日本のダンサーには馴染みにくいところがあったかもしれない」と当初の思いを明かしていたが、上演を重ね、ダンサーが音楽をどんどん自分のものにしていく様子を実感したという。

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ブラウリオ・アルバレス振付『夜叉』


ラストは、今年1月のスタジオパフォーマンスにて観客賞を受賞した岡崎隼也の『運命』抜粋版。「カルメン」の音楽で、運命に翻弄され、愛し、傷つく若者たちの姿をドラマティックに描き出す大作で、沖香菜子、伝田陽美、秋山瑛、政本絵美、加藤くるみ、柄本弾、秋元康臣、池本祥真、樋口祐輝、鳥海創らが、岡崎独特の複雑な振付をしっかりと消化し、熱演を繰り広げた。

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岡崎隼也振付『運命』ー抜粋版ー


5人のプリンシパルから研究生まで、多くのダンサーが参加した今回の公演は、彼らに舞台で踊る喜びをあらためて実感させることになった。振付者にとっても、コロナ禍の不安を作品に反映させたり、あらためて作品を見つめ直したりと、これからの創作につながる貴重な経験に。今後、新たに振付に挑戦したいと手を挙げるダンサーが続けば、このプロジェクトはさらに有意義なものになるだろう

取材・文:加藤智子(フリーライター)

レポート2020/09/26

東京バレエ団友の会「クラブ・アッサンブレ」~マスコット・キャラクターのお名前決定!

東京バレエ団では、"もっと東京バレエ団のことを知りたい!" "良い席で公演を観たい!" "割引料金でチケットを買いたい!" という方のために、公式のファンクラブ、「クラブ・アッサンブレ」を設けております。年会費も2,000円(税込み)と廉価に設定しており、随時ご入会を承っております。

>>> クラブ・アッサンブレの詳細はコチラ

昨年の12月に誕生した猫のキャラクターのお名前ですが、7月・8月とお名前募集キャンペーンを行い、たくさんの方からお名前をご応募いただきました。

ご応募いただいた皆様、本当にありがとうございました!

協議を重ねた結果、ついにキャラクターのお名前が決まりました!

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これから様々な場所で活躍していきますので、東京バレエ団ともどもメグとマルセルの応援をお願いします♪

レポート2020/09/17

今年度のポワントが支給されました

バレエの象徴ともいうべきポワント(トウシューズ)は1足5,000~10,000円をこえるものまで様々な種類がありますが、日々のリハーサル、そして舞台で履きつぶしてしまうポワントの費用は、女性ダンサーたちにとって大きな負担になっています。そのため、東京バレエ団では2012年より「ポワント基金」を設け、ご支援くださる皆様からのご寄付で、ダンサーたちにポワントを支給しています。

今年はコロナ禍のために例年よりも約2ヶ月遅れましたが、先日バレエ団のスタジオにて今年度のポワントの支給式を行いました。

スタジオには新品のポワントを手にし、満面の笑顔をみせるダンサーたちの幸せなオーラがあふれており、支給式のあとのリハーサルは、いつもにもまして気合いが入っているようでした。

コロナ禍で舞台芸術を取り巻く環境には非常に厳しいものがございますが、大勢の皆様に支えていただいているという実感が、ダンサーたちの精神的な支えにもつながっております。皆様からのあたたかいご支援に一同心より感謝申し上げます。次の公演は9/26(土)、9/27(日)に上演する「ドン・キホーテ」全幕。より良い舞台となるよう、ダンサー、スタッフ一同、一層気を引き締め、精進してまいります。今後とも東京バレエ団にご支援賜りますよう、心よりお願い申し上げます。

※例年はダンサーたちの集合写真を掲載しておりますが、今年は感染症拡大防止のため、グループごとにわかれて撮影を行いました。

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左より、沖香菜子、奈良春夏、伝田陽美、秋山瑛

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左より、金子仁美、二瓶加奈子、岸本夏未、政本絵美、中川美雪、三雲友里加

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左より、涌田美紀、加藤くるみ、足立真里亜

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後列左より、最上奈々、上田実歩、鈴木理央、中沢恵理子、工桃子、高浦由美子

前列左より、安西くるみ、中島理子、榊優美枝

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左より、菊池彩美、長谷川琴音、瓜生遥花、大坪優花、松永千里

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左より、木住野真菜美、本村明日香、花形悠月、前川琴音、米澤一葉

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後列左より、居川愛梨、佐藤瑞来、小林純夕、富田沙永

前列左より、鈴木香厘、相澤圭、栗芝みなみ、富田翔子

【これまでの支給足数】

2012年度 396足 (募集期間2012年4月~2013年3月)

2013年度 406足 (募集期間2013年4月~2014年3月)

2014年度 640足 (募集期間2014年4月~2015年3月)

2015年度 540足 (募集期間2015年4月~2016年3月)

2016年度 533足 (募集期間2016年4月~2017年3月)

2017年度 524足 (募集期間2017年4月~2018年3月)

2018年度 363足 (募集期間2018年4月~2019年3月) 

※毎年5,000円以上ご寄付いただいた方で、ご住所をお知らせくださった方には年次報告書をお送りしております。

>>>ポワント基金の詳細はコチラから

レポート2020/09/02

柄本弾、『婦人画報』2020年10月号で美輪明宏さんと対談をさせていただきました

9/1(火)発売、『婦人画報』2020年10月号に柄本弾が登場! 美輪明宏さんと「いま、舞台芸術にできること」をテーマに対談をさせていただきました。

コロナ禍のためにリモートでの対談となりましたが、10月に『M』の本番を控えている柄本にとって、三島由紀夫と交流があった美輪さんにお話を聞けるまたとないチャンス! 色々教えていただきたいと、改めて三島作品を読み直し(10年前の『M』の本番前にも何作品か読んでいたそうです)、美輪さんのドキュメンタリー映像を拝見してから対談にのぞみました。

はじめはかなり緊張していた柄本ですが、次第に美輪さんの芸術に対する豊富な知識と圧倒的な熱量にひきこまれ、特に三島作品について、芸術について語る美輪さんの言葉に熱心に耳を傾けていました。対談後には「リモートで話しているのに何度も鳥肌がたった!」と、確かな手応えを感じた様子。

10年前はコール・ド・バレエで『M』に出演した柄本ですが、今回はメインキャストの一人として"Ⅰーイチ"を大先輩の高岸直樹から引き継ぎます。そんな『M』のリハーサルの様子は、改めて公式SNS、ブログ等でご紹介して参ります。

東京バレエ団が10年ぶりに上演する『M』。どうぞご期待ください!


『婦人画報』2020年10月号(9/1[火]発売/株式会社ハースト婦人画報社)

>>> 編集長 富川匡子さんによる紹介記事はコチラからお読みいただけます

>>> インタビュー全文は『婦人画報』公式サイトからもお読みいただけます

レポート2020/08/24

東京バレエ団友の会「クラブ・アッサンブレ」~マスコット・キャラクターお名前募集中!&塗り絵のお知らせ

東京バレエ団では、"もっと東京バレエ団のことを知りたい!" "良い席で公演を観たい!" "割引料金でチケットを買いたい!" という方のために、公式のファンクラブ、「クラブ・アッサンブレ」を設けております。年会費も2,000円(税込み)と廉価に設定しており、随時ご入会を承っております。

>>>クラブ・アッサンブレの詳細はコチラ

このクラブ・アッサンブレの正式名称は「Club Assemble Tokyo」。頭文字をとると「C」「A」「T」! ということで、この頭文字にそった猫のキャラクターが誕生しました!

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本年はオンライン開催となった〈めぐろバレエ祭り〉では、このキャラクターの塗り絵を実施し、ご好評を頂戴しました。そしてお客様からのご要望にお応えし、塗り絵をお楽しみいただける期間を〈めぐろバレエ祭り〉の会期から延長し、8月31日(月)18:00までに設定させていただいております。

なお、今はスマートフォンから簡単に塗り絵ができる無料アプリ多数リリースされています(ちなみに、スタッフイチオシは #メディバンぬりえ というアプリです)。 「絵が苦手~」という方も、気軽にお楽しみいただけます。

ちなみに、塗り絵と同時に、キャラクターのお名前募集キャンペーンも絶賛継続中です! お名前募集キャンペーンは、クラブ・アッサンブレにご入会いただいていないお客様もご参加いただけますので、この機会にぜひご参加ください♫

>>> お名前募集キャンペーンの詳細と、塗り絵のダウンロードはコチラ

まだまだ暑い日が続きますので、皆さまのおうち時間、塗り絵で少しでも楽しいひとときとなりますように!

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9/1(火)発売、『婦人画報』2020年10月号に柄本弾が登...

東京バレエ団友の会「クラブ・アッサンブレ」~マスコット・キャラクターお名前募集中!&塗り絵のお知らせ

東京バレエ団では、"もっと東京バレエ団のことを知りたい!" ...