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2014/03/11

「第九交響曲」ジル・ロマン記者懇親会レポート

ローザンヌよりモーリス・ベジャール・バレエ団(BBL)芸術監督ジル・ロマンが来日、3月10日、記者懇親会が開催されました。11月に東京バレエ団が初演するベジャール振付『第九交響曲』がいよいよ始動、作品について、リハーサルについてと、さまざまな話題が飛び出しました。

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 「ボンジュール! ついに何年ものあいだ夢見ていたプロジェクトが実現します」と笑顔のジル・ロマン。東京バレエ団とBBLの共同制作、さらには、巨匠ズービン・メータ指揮によるイスラエル・フィルハーモニー管弦楽団、独唱者、合唱団とのコラボレーションで創り出す、壮大なスケールのこの舞台について、「以前もメータ氏を迎え、東京バレエ団とBBLの共同プロジェクトで『春の祭典』を上演(2010年〈奇跡の響演〉)、二つのカンパニーを混ぜ合わせる試みがなされましたが、今回、『第九交響曲』でもこうしたプロジェクトが進んでいます。ベートーヴェンの音楽、シラーの詩による作品全体のテーマは、"人間は手を取り合い、一つになってこそ、進んでいくことができる"ということ。いまの時代こそ、国籍の区別を越えて、このような作品を上演することが必要です。東京公演の後に企画されている上海公演、そして欧州ツアーも、ぜひ実現させたい」と、熱い思いを明かしました。

 ベジャールが『第九交響曲』を創作したのは、1964年。今回の上演でも、「64年の振付はそのまま」といいます。「モーリスは常にダンサーを中心に考え、ダンサーにより適した形で振付をしていました。"プレタポルテは創らない。寸法を測り、オーダーメイドで創るのだ"と、よく言っていたものです。もしそこに何か違いが見られたとしたら、96年にパリ・オペラ座バレエ団がこの作品を上演したときのように、そのダンサーによって振付を最適化している、ということです」。

 6日前にスタートしたリハーサルでは、『第九交響曲』を踊った経験をもつピョートル・ナルデリの指導で、第一楽章の稽古が進行中。「東京バレエ団には、バイタリティ、若さ、テクニックがある。彼らにはまずこの第一楽章を踊ってもらい、その後、全ての楽章でBBLと東京バレエ団を融合させていきたい」と今後のプランを語りました。リハーサルでは、若手ダンサーたちもおおいに活躍、「若者は新しいものに出会って成長をとげます。私たちは未来を信じることも必要だと、考えています」。

 さらに、東京バレエ団創立50周年にふれ、「この規模のカンパニーを50年にもわたって維持するのは、非常な困難をともなう仕事だと、身をもって感じています。家族の一員として、心からの賞賛の気持ちを抱いています」。今年は日本・スイス国交樹立150 周年の年でもありますが、両バレエ団の繋がりも、よりいっそう深まる年となりそうです。

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文:加藤智子(フリーライター)
photos : Nobuhiko Hikiji