本日より4月。新年度がはじまりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
4月24日(土)、25日(日)の「ザ・カブキ」公演を前に、今週月曜日より、日本舞踊家の花柳達真師による所作指導が行われています。
1986年の「ザ・カブキ」初演時、故モーリス・ベジャール氏が創作を進める過程で、日本的な立居振舞の指導を花柳芳次郎師(現花柳流家元、花柳壽輔師)に仰ぎました。
その後も、折々にご指導いただいておりましたが、今回は初役を演じる団員が多いことから、壽輔師の愛弟子であり、新進舞踊家として高い評価を受けていらっしゃる花柳達真師に、改めて指導をお願いすることになりました。
団員たちは達真師の指導を受けるにあたり、レオタードから浴衣に着替えて稽古に臨みました。
いつもがらっと雰囲気の変わったスタジオで、基本の歩き方、座り方、お辞儀の仕方から指導が始まりました。
バレエとは全く違う、独特の動き、姿勢に戸惑いながらも、団員たちは真剣な表情で指導を受けています。
達真師からは、所作だけではなく、演じる役柄や性別、年齢によって、歩幅や手の位置、指の開き方、腕の角度や位置が違うことなど、「ザ・カブキ」を演じる上で必要な知識が伝えられていきます。
基本指導の後は、兜改めの場面より、場面ごとの指導に移りました。
兜改めの場面では、兜改めの儀式はどのようなものなのか、侍女たちが持つ兜がいかに重要であり、命がけで預かっているものであるか、ということが、達真師から丁寧に説明され、顔の角度や動きの早さなどで、場面の雰囲気をいかに作りだすのかということまで、きめ細かい指導が行われました。
続いて行われた一力茶屋の場面。
遊女役の団員には、着物のさばき方と扇子の扱いを中心に、「遊女という役柄が所作から伝えられるように」と達真師自らがお手本を示しながら指導が進みます。
扇子と指の動かし方ばかりに意識が集中してしまう団員たちに、達真師が手本として演じてみせてくださった遊女は、美しさ、色気、しぐさ・・・男性でありながら、すべてが遊女そのもの。
間近で見るプロの動きに、団員たちは圧倒されていました。
その他の場面でも、時代背景やその役の身分、置かれた状況などを解説しながら指導を進める達真師の言葉をひとつも聞き逃すまいとする団員たち。
改めて、役を表現するということを学び、自分たちの演じる役柄をさらに深めようという熱意がスタジオ中に溢れています。
さらに進化した「ザ・カブキ」にご期待ください!
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