---ラドメーカーさんが3年ぶりに来日し、東京で全幕作品に初主演する機会が巡ってきます。貴公子役を演じるにあたり、心がけていることは何でしょうか。
「全てにおいて高いクオリティが求められるのが、ノーブルな役の魅力であり、難しいところです。優れた技術を持っているのは当然のことで、何気ない立ち姿や、歩き方、お辞儀の仕方に至るまで意識を行き届かせなくてはなりません。でも、ありきたりの型をなぞるだけでは、薄っぺらな貴公子になってしまう。自然に自分らしく振る舞い、ノーブルさを醸し出したいと思っています」
---相手役は、ボリショイ・バレエのエフゲーニャ・オブラスツォーワさんです。
「今回が初めての共演ですが、世界バレエフェスティバルなどで何度も彼女の踊りを見ています。今日のボリショイを代表する、素晴らしいバレリーナです。ロマンティックな表現に長けているので、『くるみ割り人形』のクララ役はピッタリでしょうね」
---東京バレエ団とも初共演です。
「世界バレエフェスティバルで、特別全幕プロ『ドン・キホーテ』と『バヤデール』を見ています。どちらも幻想シーンの群舞が素晴らしく、息を呑むほどの美しさが印象的でした」
---『くるみ割り人形』の舞台はドイツです。"本場"のシュツットガルト・バレエ団も、クリスマス・シーズンには欠かせない作品なのですか。
「私にとって、 馴染み深いバレエです。 子どもの頃から何度も舞台を鑑賞し、オランダ国立バレエ団に客演して王子役を踊ったことがあります。チャイコフスキーの音楽は何度聞いても、飽きることがない。なかでもグラン・パ・ド・ドゥの曲には高揚感があり、心が躍ります。ところが現在のシュツットガルトのレパートリーには、専属振付家マルコ・ゲッケの現代的なバージョンがあるだけで、古典版はないんです。今年の年末の演目はマクミラン・プロ。私は『大地の歌』で〈死〉を踊ります。東京の『くるみ割り人形』で、観客の皆さんと一緒にクリスマスを祝いたいですね(笑)」
([後編]へ続く)
photo : Ulrich Beuttenmueller
ボリショイ劇場の前で。柄本弾、秋山瑛、宮川新大審査委員を務...
今週金曜日から後半の公演が始まる「ロミオとジュリエット」は、...
新緑がまぶしい連休明け、東京バレエ団では5月24日から開演す...
あと1週間ほどで、創立60周年記念シリーズの第二弾、新制作『...
2023年10月20日(金)〜22日(日)、ついに世界初演を...
全幕世界初演までいよいよ2週間を切った「かぐや姫」。10月...
バレエ好きにとっての夏の風物詩。今年も8月21日(月)〜27...
見どころが凝縮され、子どもたちが楽しめるバレエ作品として人気...
7月9日、ハンブルク・バレエ団による、第48回〈ニジンスキー...
7月22日最終公演のカーテンコール オ...