シルヴィ・ギエムが「ボレロ」でファイナルステージを飾り、12月31日(木)にテレビ東京系で生中継される、〈東急ジルベスターコンサート2015-2016〉。このたび、東京バレエ団は「ボレロ」の他にも、第2部の「舞踏会の美女」、『くるみ割り人形』から「花のワルツ」で出演することが決定しました。
振付を担当したのは、ハンブルク・バレエ団で活躍し、夏の〈第14回世界バレエフェスティバル〉で自身の振付『ウロボロス』を披露した大石裕香さん。現在は振付家として宝塚歌劇団公演の振付などにも関わっている彼女に、ジルベスターコンサートのための作品の見どころについてお話をうかがいました。
●今回のお話を聞いた時のお気持ちを教えてください。
大石:まずは、びっくりしました(笑)。そして、ハンブルク・バレエ団の『ロミオとジュリエット』でお世話になりとても親近感のある東京バレエ団の皆さんと、またご一緒できることがすごく嬉しかったです。
●振付作品についてのイメージを教えてください。まずはアンダーソン「舞踏会の美女」について。
私は振付を考えるとき、まず曲を聞きながらドラマ性や感情の動きなどを考えてイメージを作っていきます。この曲を聴いたときは、まずレビューのイメージが浮かびました。そこで、女性は6人でイブニングドレス、男性は1人だけで、黒のタキシードにシルクハットのイメージにしようと。ちょっと疲れた現代の男性が、舞踏会の世界に誘われていくコンセプトにしました。
●『くるみ割り人形』から「花のワルツ」については。
「花のワルツ」といえば、とても有名な曲ですし、またバレエ団ごとのイメージがありますよね。でもどれもほんわかとした雰囲気の中で踊っている感じなのは同じだと思います。そこで今回、私が振付けするにあたって、そのほんわかした感じを崩してみたいと思いました。もっと華やかに、ワクワクさせるようなものができないかと。
男女6組のダンサーが登場しますが、皆さんが思っている「花のワルツ」では考えられないくらい"踊ってる"と思います。どれくらい踊るのかといえば、踊り終わったダンサーの皆さんがゼイゼイ言うくらい、で分かりますか?(笑)。
見どころは、目まぐるしく変わるフォーメーション。「あそこにいた人が、いつの間にあんなところに!」と、同じところに一瞬としていないくらい、人が入れ替わり立ち替わり変わっていきます。面白いと思っていただけると思います。
●振付の楽しさとは。
自分の頭の中だけの想像だったことが、白紙の状態から目に見える形となって現れる。自分の想像以上のものが現れたその瞬間、「あらすごい楽しい」って(笑)。そこに出来上がっているのは、私の頭の中だけのものではなく、ダンサーが加えた何かもあるし、衣裳、セット、そのほかのものも加わって。新しいミクスチャーというか、色んなものが合体したものだから自分の想像以上のものになるわけですよね。それがすごく楽しいんです。ですから今回も東京バレエ団の皆さんと楽しみながら作っています。
●公演を楽しみにしている方々へ向けて、メッセージをお願いします。
新年への幕開けとして、皆さんを華やかな気分にするステージになったらいいなと思います。芸術や舞台を愛してくださる方々がいないと、私たちは活動できません。すごくスピーディーに動いている時代の中、こうした芸術をサポートしてくださる皆さんや、テレビ放映してくださるテレビ局のもと、このようなコンサートができることは素晴らしいことだと思っています。そこに振付として関わらせていただくことは、ほんとうに光栄に思っています。12月31日の舞台と放送をご期待ください!
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