今年の秋から冬にかけて、バレエ、歌舞伎、文楽とさまざまな「忠臣蔵」をお楽しみいただけます。 モーリス・ベジャールが東京バレエ団のために振付けた「ザ・カブキ」は1986年の初演から30年。今年5月に亡くなった東京バレエ団創設者であり、ベジャールとの旧交も厚かった佐々木忠次の追悼公演として、10月13日~16日に新国立劇場で上演いたします。 「ザ・カブキ」が歌舞伎の「仮名手本忠臣蔵」をもとに創作されたことはよく知られていること。ベジャールは「仮名手本忠臣蔵」をつぶさに探求し、十一段におよぶ長大な物語を、約2時間のバレエにまとめたのです。現代の青年がひとふりの刀を手にした瞬間タイムスリップして由良之助となるという設定を新たに設け、歌舞伎でも描かれている"兜改め"、"山崎街道"や"一力茶屋"といった名場面を盛り込みつつ、ベジャールは作曲家の黛敏郎とともに、このバレエの傑作を創りあげました。なかでも、四十七士が討ち入りを果たすラストシーンは、迫力満点。バレエならではの名シーンです。 国立劇場では開場50周年を記念して、歌舞伎「仮名手本中心蔵」の3ヵ月連続完全通し上演が行われることになりました(10月~12月/国立劇場)。通常は取り上げられることの少ない場面も上演されるとのこと。華やかな顔ぶれで、3ヵ月間にわたり、「これぞ、忠臣蔵!」という舞台をご覧いただけるはずです。 そして、12月には歌舞伎のもととなった、文楽公演「通し狂言 仮名手本忠臣蔵」も上演されます(12月/国立小劇場)。 ベジャール振付の「ザ・カブキ」だけでなく、そのもととなった歌舞伎や文楽の「仮名手本忠臣蔵」を併せてご覧いただき、「忠臣蔵」の世界を楽しまれてはいかがでしょうか。 ◎「ザ・カブキ」公演情報はこちら>>>
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