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レポート2017/09/04

東京バレエ団〈20世紀の傑作バレエ〉公開リハーサル&記者懇親会レポート

東京バレエ団〈20世紀の傑作バレエ〉(9月8日~10日 東京文化会館)の開幕を1週間後に控えた9月1日金曜日、東京バレエ団スタジオでロベルト・ボッレ&上野水香による『アルルの女』およびイリ・キリアン振付『小さな死』の公開リハーサルと記者懇親会を行いました。その模様と公演への期待を舞踊評論家の高橋森彦さんに寄せていただきました。

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東京バレエ団がローラン・プティ振付『アルルの女』(1974年初演)、モーリス・ベジャール振付『春の祭典』(1959年初演)、イリ・キリアン振付『小さな死』(1991年初演)を上演する〈20世紀の傑作バレエ〉。なかでもバレエ団初演『アルルの女』にイタリアの貴公子ロベルト・ボッレが客演し上野水香と組むのが大きな話題だ(9月8日と10日に主演)。

舞台は南仏プロヴァンス地方。青年フレデリにはヴィヴェットという愛し合う婚約者がいながら闘牛場で出会ったアルルの女の幻影に魂を奪われてしまう――。ドーデの戯曲とビゼーが作曲した組曲に基づく『アルルの女』の抜粋をボッレ&上野はロシア、イタリアのガラ公演で踊っており、このたび満を持して全編での共演を果たす。この日のリハーサルは、プティの右腕だったルイジ・ボニーノと共にプティ作品のステージングにあたるジリアン・ウィッティンガムの指導のもとで行われた。

精悍な青年そのもののボッレと愛らしく純情な雰囲気を醸す上野。見つめあい、身を寄せ合うふたりは"絵"になる。そして幻影に惑わされ狂気じみていくフレデリと、愛する人の心が離れていくのを感じながらも思い続けるヴィヴェドの屈折した心理が伝わってくる。その痛切で甘美な愛の果てに迎えるものとは......。クライマックスとなるボッレのファランドールのソロはお預けだったが、想像すればするほど期待はいや増すばかりである。

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 ボッレ&上野は共に10代の若き日にプティから才能を見出された。記者懇親会の席上、ボッレはプティを「恩師」と述べ、「リハーサルでは挑発し自分の表現や表情を引き出してくれた」と感謝し、その作品について「パトスを持っていて、感動を生むことに抜きん出ていた」などと分析した。上野も「動きのなかに感情を表現し、意味を込めることによってお客様に伝わることを教えていただいた」とプティへの感謝を口にした。

ボッレが『アルルの女』の全編を踊るのは初役時(2008年)以来となり「この10年で自分は人生からいろいろと学び、辛い経験もして変わり、人間として深みを増したと思います。そういった自分が踊る『アルルの女』をぜひお楽しみに」と話し、上野はヴィヴェットを演じるに際し「本当に悲しい役。可哀そうな役を演じるのは難しいですし、その中に美しさを常に持っています。悲しみも人生の中で美しい――そういった表現を目指したい」と語った。


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 同じくバレエ団初演となる『小さな死』のリハーサルも公開された。モーツァルトのピアノ協奏曲第23番と第21番を用いて愛と官能を絶美に描いた傑作を指導するのは初演者のひとりエルケ・シェパース。全体を通した後、川島麻実子&柄本弾ら男女6組のダンサー(9月8日と10日に出演)に対して一組ずつ丁寧に指導していた。キリアンならではの詩的で叙情豊かな名作を輝かせ、現代バレエの精華を示す上演となることを期待したい。

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高橋森彦(舞踊評論家)

写真:長谷川清徳

>>> 公演の詳細はコチラ

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