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新着情報2018/02/20

公演レポート~THE TOKYO BALLET Studio Performance(スタジオ・パフォーマンス)

 去る2月13日、目黒の東京バレエ団スタジオにてTHE TOKYO BALLET Studio Performance(スタジオ・パフォーマンス)を開催し、ダンサーたちの創作計8作品を初披露。熱気あふれるパフォーマンスの様子をライターの加藤智子さんにレポートしていただきました。ぜひご一読ください!

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 昨年春に産声をあげた東京バレエ団のChoreographic Project(コレオグラフィック・プロジェクト)が再び始動、2月13日、その幕開けとなるスタジオ・パフォーマンスが開催された。
 
 この日のスタジオ・パフォーマンスは、昨年のChoreographic Project I、IIの好評を受け、「団員たちが創作にチャレンジする姿を観たい!」と多くの友の会(クラブ・アッサンブレ)会員が来場。大盛況となった。公演の合間の時間を利用して創作に取り組んできたダンサーたちは、1月下旬に行われた試演会を経て、着々と作品の完成度を高めてきた。さらに、当日の午後に行われたゲネプロには、日本公演で東京に滞在していたハンブルク・バレエ団芸術監督、ジョン・ノイマイヤー氏が訪れ、団員たちを激励。振付を手がけたダンサーたちも出演ダンサーたちも大いに刺激を受け、本番にのぞんだ。上演されたのは8作品。上演順は、振付者たちが話し合って決めたという。

 トップバッターは岡本壮太。昨年は、創作したデュエット作品が認められ、8月の〈めぐろバレエ祭り〉の舞台での上演が実現した。今回の『E1NS. 2WEI. DR3I』でも、昨年に引き続き、岡本と同期入団で息もぴったりの秋山瑛、樋口祐輝らが出演、そこに岡崎隼也が加わり、ソロ、2人、3人の踊りが次々と展開する、小気味よい作品に仕上げた。

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 2番目の登場となった岡崎隼也も、昨年〈めぐろバレエ祭り〉で作品を発表。勅使川原三郎作品への出演をはじめとするさまざまな現場での経験も強みに。今回の『Warm Up』では、ダンサーたちを「もっと、もっと!」と煽り立てたところに見えてくる、独特の清々しさが魅力に。

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 竹本悠一郎の作品タイトル『Vinyl』とは、アナログ・レコードを意味する語。足立真里亜と3人の男性ダンサーたちが織りなすさまざまな色合いの場面が、ちょうど1枚のアルバムに収められたかのような趣で連なっていく、10分超えの力作。

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 ハンブルク・バレエ団時代から振付に意欲的なブラウリオ・アルバレス『ドアが閉まります』は、混み合う電車の中でよく見かける、個性際立つ人たちにフォーカス。プリンシパル・秋元康臣が泥酔の男役を演じて客席をざわつかせ、老人(永田雄大)、オタク風(山田眞央)、女子高生(岡﨑司)、また彼らに翻弄される青年(宮川新大)が体当たりのコメディを放ち、会場は大きな笑いに包まれた。

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 岡崎隼也2つ目のエントリーは、『理由』。沖香菜子、伝田陽美、政本絵美、加藤くるみら4人の女性ダンサーに振付けた作品だ。ストーリーはないが、スツールを効果的に用いながら、それぞれの個性、魅力を引き出したドラマティックな踊りに。

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 井福俊太郎・高橋慈生らが自演した『Gleam』は、男性ダンサーならではの躍動感たっぷりのデュエット。自由に踊れる解放感、喜び、若さゆえの不安といった思いをぎゅっと凝縮、パンチのきいた踊りにこめて強い印象を残す。

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 3月末でプリンシパルをしりぞく木村和夫は、自作『The Piano』を奈良春夏とともに踊った。映画「ピアノ・レッスン」に想を得た小品だが、奈良との安定感あるデュエットには、短時間の中で物語を伝える力強さが。大人のダンサーだからこそ表現できる深みある演技で魅了した。

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 最後を締めくくったのはブラウリオ・アルバレスの2作目、『アダージェット』。多くの振付家、アーティストを魅了してきたマーラーの名曲に果敢に挑戦、男女5組もの大がかりな作品にまとめあげた。

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 どの作品も振付者の個性、ダンサーたちの魅力がさまざまな形で現れるユニークなものばかり。これら8作品はそれぞれ、4月の〈上野の森バレエホリデイ〉、または8月の〈めぐろバレエ祭り〉の舞台での上演を目指す。

 団員が振付に取り組み、作品を発表する場をもうけることで、彼らのステップアップを期待したい、という斎藤友佳理芸術監督の思いからスタートしたこのプロジェクトは、2017年4月の〈上野の森バレエホリデイ〉のキャノピー(野外ステージ)で初お目見え、東京バレエ団ダンサーの振付・出演による新作全6作品が上演された。その後Choreographic Project IIとして、まずはスタジオ・パフォーマンスを実施し、その上演作品の中から選ばれた2作品を第5回〈めぐろバレエ祭り〉の舞台で披露、満席の劇場を大いに沸かせた。新たな取り組みへの手応えを得て、2018年、東京バレエ団はChoreographic Project IIIを展開、このスタジオ・パフォーマンスを皮切りに、ダンサーたちによる創作活動をさらに後押しする構えだ。

 2018年、The Tokyo Ballet Choreographic Project IIIは、着実に成果を重ね、ますますの盛り上がりをみせるだろう。

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【取材・文 : 加藤智子】

THE TOKYO BALLET Studio Performance(スタジオ・パフォーマンス)上演作品一覧

No.1  "E1NS. 2WEI. DR3I"
振付: 岡本壮太
出演: 岡崎隼也、秋山瑛、樋口祐輝

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No.2  "Warm Up"  
振付: 岡崎隼也
出演: 安西くるみ、中沢恵理子、井福俊太郎、鳥海創

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No.3 "Vinyl"  
振付: 竹本悠一郎
出演: 足立真里亜、宮崎大樹、海田一成、後藤健太朗

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No.4  "ドアが閉まります"  
振付: ブラウリオ・アルバレス
出演: 秋元康臣、宮川新大、永田雄大、山田眞央、岡﨑司

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No.5  "理由"
振付: 岡崎隼也
出演: 伝田陽美  政本絵美  沖香菜子  加藤くるみ

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No.6  "Gleam"
振付: 井福俊太郎、高橋慈生
出演: 高橋慈生、井福俊太郎

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No.7  "The Piano"
振付: 木村和夫
出演: 木村和夫、奈良春夏

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No.8  "Adagietto"
振付: ブラウリオ・アルバレス
出演: 渡辺理恵-樋口祐輝、金子仁美-海田一成、瓜生遥花-岡﨑司、
    川島麻実子-岸本秀雄、上田実歩-山田眞央

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