東京バレエ団には現在16人の研究生が在籍し、団員とともにレッスンを受けながら、プロとして活躍するための経験を積んでいます。すでに舞台で活躍する彼らの初々しい姿をご覧になられた方も多いことでしょう。
実は、2018年春にスタートしたこの体制のもと、これまで東京バレエ学校に設けられていた「海外研修制度」が、東京バレエ団研究生を対象として実施されることになり、2018年9月より、米澤一葉がロシア・サンクトペテルブルクのワガノワ・バレエ・アカデミーに約1年間留学しています。
ここでは、冬休みを利用して一時帰国していた彼女に、ワガノワでの留学生活について話してもらいました。
──今回の留学の前にワガノワ・バレエ・アカデミーへは短期留学をしたことがあるそうですね。
中学2年生の時でしたが、「またここでしっかり勉強したい」と思っていました。
──現地での授業の様子を教えてください。
高校1年生に相当する6年生のクラスに入りました。15人中2、3人を除いて全員ロシア人。皆きれいでスタイルも良いけれど、何よりも、しっかりと基礎ができていると感じます。
午前中は9時10分から11時頃までがレッスン。担任のカセンコーワ先生は、たまに「5番!」「頭!」と日本語で注意をくださる、優しい方です。
右手の建物がワガノワ・バレエ・アカデミー
──日本ではなかなか体験できないクラスも?
午後はフタローイ(第二の)クラスで、デュエット、キャラクター、アクチョール のクラスが組まれています。デュエットは、基礎中の基礎、バランスから始め、ピルエット、リフトなどもやっています。キャラクターは東京バレエ団の舞台でもきっと役に立つ、と積極的に取り組んでいます。アクチョールは、アクト、つまり、演技のクラス。全く初めての経験なので戸惑います。
留学生のクラスでは、学年末の公演を目指してヴァリエーションを学びはじめました。先生のご提案を受け、自分で考えた結果、『ショピニアーナ』のヴァリエーションを選びました。上体の使い方、足先など、課題がたくさんあります。
ワガノワ・バレエ・アカデミーの中庭にて。ここもいまはすっかり雪景色だそう
──バレエ団の海外研修制度を利用してよかったと思うことは。
体調不良の時や落ち込んだ時も、バレエ団のスタッフにメールなどでアドバイスをもらえてとても心強いです。
リハーサルの見学に行くべきか、コンクールに出たいと申し出るべきかと悩んでいたところ、東京バレエ学校でお世話になったコーリャ先生(アーティスティック・アドヴァイザーのニコライ・フョードロフ)から、「いまはやるべきことをしっかりやるべき」とアドバイスをいただき、迷いなく基礎固めに集中することができています。
皆さんにいろんなサポートをしていただき、本当に感謝しています。
──留学期間後半にむけての抱負を教えてください。
いつも、バレエ団に戻ってからのことを考えながら勉強しています。すっかり太って帰ってきたら台無し、いい状態で帰ってこなければ! 東京バレエ団の舞台で活かせるよう、ロシア・バレエのダイナミックな踊りをしっかり学んでいきたいと思います。
教室にて。自習の時間も大切にしている
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