ブログ

ブログ Blog一覧に戻る

海外ツアーレポート2019/07/03

〈第34次海外公演〉ウィーン国立歌劇場公演「ザ・カブキ」大盛況開幕!
IMG_7253◎trim(small)web.jpg

2019年7月2日、ウィーン国立歌劇場「ザ・カブキ」カーテンコール


 東京バレエ団はただいま創立55周年記念事業、文化庁「国際芸術交流支援事業 海外公演」の一環として、3か国5都市で計11回の公演を行う〈第34次海外公演─ポーランド、イタリア、オーストリア〉のため渡欧中です。6月19日に日本を出発し、初上陸のポーランド、ウッチでの2回公演(6月22日、23日)と、古代ローマの浴場の遺跡を舞台にしつらえたローマのカラカラ野外劇場での公演(6月26日)を、連日スタンディングオベーションが続く成功裡に終え、この7月2日、いよいよ世界最高峰の歌劇場であるウィーン国立歌劇場での3回公演の初日に臨みました。


 ウィーン国立歌劇場での演目は、現代バレエの巨匠振付家、モーリス・ベジャールが東京バレエ団のために創作したオリジナル作品「ザ・カブキ」。東京バレエ団はこれまでにも1986年、1989年と2回同歌劇場に出演しており、今回はじつに30年ぶりの帰還です。2019年が「日本-オーストリア友好150周年」という節目の年に当たることから出演依頼があり、今回の公演が実現しました。ウィーン国立歌劇場の数百年の歴史の中でも、歌劇場が外来のバレエ団を招聘して公演を行うのはたいへん珍しく、今世紀に入ってから招聘されたのは東京バレエ団のみです。


 ミラノ・スカラ座と並ぶ欧州の舞台芸術の殿堂、ウィーン国立歌劇場には世界中から観客が集まり、年間ぎっしりとスケジュールが詰まっているオペラ公演はつねに満員です。そのようなウィーン国立歌劇場が、シーズンオフの7月~8月の期間に、貸劇場として劇場の使用を希望する団体に有料で貸し出すことはあっても、歌劇場自体がその主催公演として他団体を招聘すること自体が珍しいことなのです。


「ザ・カブキ」のチケットは全3回公演がソールドアウト(客席数は1,709)。当日のキャンセル待ち、立ち見券を求める人々が早くからチケット売り場に並びはじめ、劇場には当日券についての問い合わせがひっきりなしに寄せられました。オペラの殿堂である同歌劇場において長らくバレエが脚光を浴びることはありませんでしたが、元パリ・オペラ座バレエ団エトワールのマニュエル・ルグリが2010年に芸術監督に就任して以来、確実にバレエ公演の認知度があがり、今では平均入場率が99.5パーセントという驚異的な数字をたたきだしているとのことです。


 満員の客席が見守る中、19時を少しまわって舞台の幕があがりました。第1幕が終了した時点ですでに長い拍手があり、第2幕終了後には熱狂的なスタンディングオベーションが巻き起って、ダンサーたちは何度もカーテンコールに登場。歌劇場の広報スタッフも「ここまでカーテンコールが続くのは珍しいことです! 大成功です!」と話していました。


 芸術監督の斎藤友佳理にとって今回の公演は特別な思い入れがあり、「30年前は『ラ・シルフィード』の主演としてたったこの劇場に、今度は芸術監督として戻ってこられたことを非常に感慨深く思います。私自身がダンサーだったとき、ウィーンの公演から非常に多くのことを学びました。今回ダンサーたちが少しでも多くのことを学び、成長してくれることを願っています」と語りました。栄えある公演の主役をつとめた柄本弾は定評ある由良之助を力強く踊りきり、ひときわ大きな喝采をあびました。ヒロインの顔世御前を演じた上野水香は「この歴史ある美しい劇場で踊れるのはダンサーとして本当に幸せなこと」と喜びをかみしめていました。オーストリア最大の新聞、クローネンツァイトゥング紙の記者は「東京バレエ団は非常に有名なバレエ団ですから、ウィーンでも多くの方が公演を楽しみにしていました。もっと頻繁にウィーンにきてほしいものです! 民間でこれだけのことをやってのけるとは信じられないことです」と語っていました。


 今回の東京バレエ団の公演は現地メディアからも注目を集めており、ORF(オーストリア放送協会)をはじめ、クローネンツァイトゥング紙、ディープレッセ紙、スタンダード紙、ヴィーナー・ツァイトングなどの現地大手のテレビ、新聞、WEBサイトからこぞって記者たちが取材に訪れ、ドイツやイタリアなど近隣諸国のジャーナリストも来場するなど、その注目の高さを感じさせました。そのほかにもハインツ・フィッシャー氏(元オーストリア大統領)、小井沼紀芳氏(在オーストリア日本大使)、クリストフ・ラートシュテッター氏(ウィーン・フォルクスオーパー事務局長)らがかけつけ、ウィーン国立バレエ団でプリンシパルとして活躍している橋本清香、木本全優の両氏も来場。日本からもNHK、新聞、雑誌が取材に訪れるなど、会場は華やいだ雰囲気に包まれました。


 東京バレエ団はこのあと2回、ウィーンで公演を終えたのちにジェノヴァのネルヴィ国際フェスティバルに参加、そしてツアーの最後はミラノ・スカラ座でミックス・プログラムを2回、「ザ・カブキ」を2回、計4回の公演で長いツアーの幕を閉じることになります。このツアー全体が終わった時点で、東京バレエ団の海外公演は32か国155都市、通算775回の公演を達成することになります。




カテゴリー

最近の記事

〈第34次海外公演〉公演評①ウィーン国立歌劇場公演

 6月下旬からスタートした東京バレエ団の〈第34次海外公演...

〈第34次海外公演〉ウィーン国立歌劇場公演「ザ・カブキ」大盛況開幕!

2019年7月2日、ウィーン国立歌劇場「ザ・カブキ」カーテン...

沖香菜子、横浜DeNAベイスターズ×埼玉西武ライオンズ 日本生命セ・パ交流戦の始球式に登板!

去る6月7日(金)に開催された横浜DeNAベイスターズと埼玉...

上野水香、グローバル・バレエホリデー出演レポート

去る5月31日~6月1日にかけ、モスクワ(ロシア)でグロー...

東京バレエ団創立55周年 記者会見レポート

今年創立55周年を迎える東京バレエ団は、いま、創立記念シリー...

那須野圭右さん指導! ベジャール振付「春の祭典」リハーサル

去る5月、東京バレエ団には那須野圭右さん(モーリス・ベジャー...

ローラン・フォーゲル氏 来団!

東京バレエ団も加入している(一社)日本バレエ団連盟の事業とし...

コール・ド・バレエ(群舞)の秘密 ~佐野志織(東京バレエ団バレエミストレス)特別インタビュー~

まもなく初日をむかえる東京バレエ団ブルメイステル版「白鳥の湖...

東京バレエ団「海賊」初演 ~初日直前・劇場レポート~

 東京バレエ団初演「海賊」の初日まであと1日となりました。会...

東京バレエ団初演「海賊」 ダンサー・インタビュー

 東京バレエ団のスタジオでは、来月初演する『海賊』に向けて連...