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ロングインタビュー2021/09/14

東京バレエ団「海賊」 ー生方隆之介インタビュー
本日より、9/23(木祝)~9/26(日)の「海賊」に主要な役で出演するダンサーたちのインタビューを順番にご紹介します!
すでにNBS Webマガジンでは秋元康臣(9/23コンラッド役)と宮川新大(9/25コンラッド役、9/24&9/26アリ役)のスペシャル対談をご紹介しましたが、こちらではアリ役に抜擢されたソリスト、生方隆之介のインタビューをご紹介します。ぜひご一読ください。


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生方隆之介(9/25(土)アリ役)リハーサルより

Q 今回アリ役に抜擢されましたが、これまでに「海賊」という作品に触れたことはありますか?

生方:東京バレエ学校に通っていたとき、スクールパフォーマンスでアリを踊りました。その時はニコライ・フョードロフ先生に指導していただいたんですけど、本番では練習どおりにできなかった悔しい思い出があります。

バレエを習ってる男の子にとって、「海賊」のアリは「ドン・キホーテ」のバジルや「パキータ」のプリンシパルと並んで踊りたい役のひとつだと思うんです。もちろん僕にとっても憧れはありましたけど、いざ配役されてみると緊張の方が大きいですね。

 

Q 東京公演よりも先に〈横浜ベイサイドバレエ〉でパ・ド・トロワだけ踊りましたね。手応えはありましたか?

生方:初めての野外舞台だったので、客席の空気感や本番前の緊張感がいつもと違いました。野外なので爽快感というか...踊っていてすごく気持ち良かったです。作品の世界観に近い場所で踊れた経験はきっと今後につながってくると思います。ただ、床のコンディションが厳しく、シューズがすぐにボロボロになってしまいました......

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〈横浜ベイサイドバレエ〉カーテンコールより。この舞台では9月の公演とは違う組み合わせでパ・ド・トロワのみを披露。写真左より秋元康臣(コンラッド役)、沖香菜子(メドーラ役)、生方隆之介(アリ役)


Q リハーサルの感触はどうでしょうか? リハーサル中指導者に言われたことで、なにか印象に残っている言葉などあれば教えてください。

生方:僕個人の課題としては、動きと動き、踊りと演技の間のつなぎの部分をもっと磨いていかなければ! と思っています。今回は先輩の池本(祥真)さん、(宮川)新大さんと同じ役なので、色々と参考にさせていただいています。

アンナ先生(振付家のアンナ=マリー・ホームズ氏)にはZoomでリハーサルをみていただいているのですが、テンションをあげていくことを求められています。初めてのリハーサルの時にGood! 回転がすごく良い!」と褒めてもらえたのは本当に嬉しかったですね。あと、友佳理さん(芸術監督 斎藤友佳理)からは「もっと頭をさげて、コンラッドに忠実な奴隷であってほしい」と注意されたので、そこはしっかり意識していきたいと思っています。

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Q アリ役について思うことと、そしてこれからのリハーサルの課題についてはどのように考えていらっしゃいますか?

生方:例えば、「ドン・キホーテ」のバジルだと最初からずっと舞台に出ているので、客席の空間に徐々に慣れていくことができるんですけど、アリって実は踊る場面が少ないんです。特に2幕でいきなり大きな踊りがくるので、かなり緊張しますし、ちょっとコンクールを思い出します(笑)踊りも難しいですけど、それよりも演技の方が難しいなと感じています。ちなみにコンラッドはもっと大変だと思います。パ・ド・トロワの場面でも、メドーラと組む場面はありますが、テクニック的に難しいところはコンラッドなので......

それからアリを演じるうえでは特に"姿勢"が重要だと感じています。露出が多い衣裳なので身体のラインがモロに出てしまって隠しようがないんです。お客様にどうみえるか、いつも以上に意識して取り組んでいきたいですね。目標としてはもう少し男らしい力強さというか、そういう雰囲気を出していけたらと思っています。

バジルのような明るいキャラクターに比べると、アリは控えめな感じが自分にあっているかな?と思ってます。あと、僕は青が好きなので、今回の衣裳の色味が自分のイメージするカラーにあっているような気がして嬉しいです(笑)


Q 「かなり緊張するタイプ」だとお話されてましたが、緊張をほぐすためにやっていることはありますか?

生方:最近池本さんから聞いて、ガムを噛み始めました。緊張すると喉が乾くじゃないですか? 唾液がでなくなるからだと思うんですけど、ガムを噛むと強制的に唾液が出ますし、それで少しでも乾きがへって緊張しなくなったらいいなって。効果はこれから現れると期待してます(笑)

 

Q 「海賊」には色々なキャラクターが登場しますが、もし他の役を演じられるのならばどの役に挑戦してみたいですか?

生方:うーーーん......ランケデム! 悪役好きなので(笑)。先日「白鳥の湖」のスペインを踊ったばかりなんですけど、悪役は入り込みやすいのもあって好きです。ランケデムはアリと対になるような役だと思いますし、衣裳の感じも近いなと思います。

あ、でも「白鳥」のスペインは小道具があるので緊張します。小道具って扱いがすごく難しいんですよ。

 

Q 「海賊」、ご来場予定のお客様へ一言メッセージをお願いします。

生方:「白鳥の湖」のような典型的な古典作品とは違って、「海賊」には男性群舞など、男性ダンサーの見せ場がたくさんあるのが一番の特徴だと思います。迫力や力強さ、男性ならではの味をしっかりと出して舞台を盛り上げていけるように精一杯踊りますので、皆さまにもぜひ楽しんでいただけたらと思います。

 

>>>公演の詳細&チケットのお申し込みはコチラ


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