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海外ツアーレポート2023/07/19

速報!「ジゼル」開幕。各メディアで絶賛! 東京バレエ団〈第35次海外公演 ─ オーストラリア メルボルン〉


東京バレエ団はオーストラリア・バレエ団の招聘、文化庁文化芸術振興費補助金(国際芸術交流支援事業)の助成を受けて、ただいま〈第35次海外公演─オーストラリア〉のためメルボルンに滞在中です。この7月14日(金)にメルボルン・アーツ・センター州立劇場で今回の演目「ジゼル」が開幕し、観客およびメディアから絶賛を博する成功を収めました。公演初日までのツアーの様子をご報告します。

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7/15夜公演のカーテンコールより photo: Ayano Tomozawa

7月9日(日)、団員70名に芸術スタッフ、舞台スタッフを加えた総勢100名が日本を出発し、翌日にメルボルン入り。南半球のオーストラリアはこれから冬に差し掛かる季節ですが、晴天が続いて過ごしやすく、ダンサーたちは体調を崩すこともなく調整にかかることができました。

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到着直後のメルボルンでの練習は、オーストラリア・バレエ・センターのスタジオを使用。翌日には二つのカンパニーによる合同クラスと交流会が行われ、オーストラリア・バレエ団芸術監督のデヴィッド・ホールバーグから「私がよく知る東京バレエ団が、オーストラリアの観客から温かく受け入れられることを確信している。言葉を介さないバレエという芸術をもって美しい瞬間を共有できることを嬉しく思う」というスピーチがありました。
 
今回の東京バレエ団による「ジゼル」11公演は、オーストラリア・バレエ団創立60周年記念シーズンの一翼を担うプログラムです。公演会場である州立劇場は1878席を擁し、バレエ公演の平均販売率は75パーセントほどで、その半数以上を劇場の年間定期会員が占めるとのこと。オーストラリア・バレエ団の世界的な実力は過去6回の来日公演(最後は2010年)でも知られるところですが、彼らの舞台を見続けている観客にとって州立劇場はバレエ鑑賞の「ホーム」にして、世界的なバレエ団がたびたび招聘されていることから「世界クラスの舞台芸術を体験できる場」であり、また古典の名作「ジゼル」も彼らにとって馴染み深い演目だということです。

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7/14公演 第1幕より photo: Kate Longley


東京バレエ団が上演する「ジゼル」は、創立まもない1966年にボリショイ・バレエ団から指導者を招聘して伝えてもらったレオニード・ラヴロフスキー版で、現在の美術はニコラ・ブノワによるもの。現芸術監督斎藤友佳理の現役時代の十八番でもあり、主役からコール・ド・バレエに至るまでこだわり抜いたその指導の成果は、本ツアーに先立つ5月の東京公演でも高い評価を得ています。

その「ジゼル」全2幕が、前日の公開舞台稽古を経た7月14日(金)、客席をほぼ埋め尽くした観客の前で幕を開けました。初日の主演は秋山瑛(ジゼル)、秋元康臣(アルブレヒト)、伝田陽美(ミルタ)。演奏はベンジャミン・ポープ指揮によるヴィクトリア管弦楽団。この公演のため、首都キャンベラより鈴木量博日本国大使、在メルボルン日本国総領事の島田順二氏ご夫妻が来臨され、また芸術監督のホールバーグ氏、エグゼクティブ・ディレクターのリサ・トゥーミー氏を始めとするオーストラリア・バレエ団の人々、そして多くのメディア関係者、評論家が注目するなかで舞台が始まりました。

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7/14公演 第2幕より photo: Kate Longley


第1幕のジゼルとアルブレヒトの"花占い"の場面で笑いが起こるなど、観客の反応は日本に比べて素直で大らかながら、進行するにつれ強い集中力をもって物語への共感が深まっていくのを感じさせました。ことに第2幕に入ると、ウィリたちの群舞に、そして主役やソリストが踊り終えるたびに拍手が起こるほど会場の空気は熱を帯び、最後は大歓声のカーテンコールで終了。終演後のロビーでは、舞台装置や照明の美しさに加えて、ダンサーたちの訓練の行き届いた質の高さを絶賛する声に溢れました。

初日が明けると早速メディアの公演評が掲載され、「東京バレエ団はオーストラリア・デビュー公演で、その卓越した技術力と芸術性、細部へのこだわりを見せつけて観客を大いに魅了した」(Australian Arts Review)、「東京バレエ団の細部へのこだわりは息をのむほどで、感情を揺さぶられる」(The Blurb )、「26人のダンサーによる群舞は、見事なユニゾンと軽やかな揺らぎを実現して、東京バレエ団の徹底した稽古
の成果を発揮する」(Jaun Baba News) 、「東京バレエ団の初のオーストラリア・シーズンは、地元のダンス愛好家にとって画期的な出来事。東京バレエ団がそう遠くない将来に再びオーストラリアを訪れることを願う」(Man in Chair)、「このようなレベルの高い国際的なカンパニーを自国の劇場で鑑賞できる時代に感謝したい 。国際的な芸術の交流は実に感動的だ」(Classic Melbourne) といった絶賛の評が次々と並びました。

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7/14公演カーテンコールより photo: Ayano Tomozawa


初日を終えて、東京バレエ団芸術監督の斎藤友佳理は「オーストラリア・バレエ団、メルボルン州立劇場の皆さまに、とても温かくお迎えいただいています。バレエを通じてお互いがわかりあえ、何一つ不安がない状態で初日を迎えられるというのは、なかなかないことです。素晴らしいおもてなしを受けていると肌で感じていますし、これにお返しできるのは良い舞台をお見せすることだけ。そういう気持ちで臨んでほしいとダンサーたちにも伝えました。初日を終え、観客の皆様の反応が本当にストレートで、主役、ソリスト、コール・ド・バレエの分け隔てなく、すべてのダンサーに惜しみない拍手をいただきました。舞台を通じ、心と心の触れ合いがあったと確かに感じています。コロナ禍以降はじめての海外公演で、お客様からの大きな声援、マスクなしの晴れやかな表情を見ることができ、本当に晴れやかな気持ちです。まるで今までの長い苦しみが終わった象徴のような公演となり、私も感動しました」と話しています。またデヴィッド・ホールバーグは「東京バレエ団『ジゼル』のオーストラリア・デビュー公演は、メルボルンで大成功を収めました。東京バレエ団の非の打ちどころのない正確さと完璧なストーリーテリングに観客が魅了されたのは明らかです。東京バレエ団をオーストラリアにお迎えできたことを光栄に思いますし、彼らの芸術性で観客を感動させてくれたことに感謝しています」と語りました。

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初日公演後のレセプションより スピーチをするホールバーグ氏
 
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(左)デヴィッド・ホールバーグと斎藤友佳理 (右)鈴木量博大使と斎藤友佳理
photos: Ayano Tomozawa


東京バレエ団の「ジゼル」メルボルン公演は、秋山瑛-秋元康臣に加えて、二つの別キャスト(足立真里亜-宮川新大、中島映理子-柄本弾)を含めた全3キャストで7月22 日(土)まで続きます。

このツアーが終わった時点で、東京バレエ団の海外公演は33か国156都市、通算786回の記録を達成することになります。



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