ただいま東京バレエ団は関内ホールにて、子どものためのバレエ『ドン・キホーテの夢』を上演中!
この公演は横浜市教育委員会が主催するもので、「心の教育 バレエの世界」をテーマに、横浜市立小学校の4年生を対象にした芸術鑑賞プログラムです。
今年はコロナ禍のために座席の間隔をあけ、客席は全員マスク着用のうえでの実施と、様々な対策を講じて上演しています。
さらに、子どものためのバレエ名物のカーテンコールや客席を使用した演出のとりやめなど、昨年とは違う形での開催となりましたが、会場は事前に配布されたプログラムに熱心に目をとおし、食い入るようにして舞台をみつめる小学生の熱気であふれています。
今回の公演では多数のダンサーたちが初役デビューを飾っています。
こちらは写真左から生方隆之介(バジル)、涌田美紀(キトリ)、見事主役の重責を果たしました。そして
長谷川琴音(写真左)、瓜生遥花(写真右)はキトリの友人役デビューでした。
このあとの公演の舞台裏は、公式Twitter, Instagramでご紹介してまいります。どうぞお楽しみに!
東京バレエ団「M」の10年ぶりの再演まであと9日! 今回の上演にあたり、初演時の「女」役誕生に貢献し、ベジャールとともに作品を創り上げてきた吉岡美佳(元プリンシパル・現東京バレエ団特別団員)が来団し、指導にあたっています。
後輩たちを厳しくもあたたく見守る吉岡に、現在のリハーサルの状況について話を聞きました。ぜひご一読ください。
──『M』では、初演時から「女」役を務められていました。
吉岡 ダンサーにとって、そのキャリアの転機になるような作品というものがありますよね。
東京バレエ団に入団後、数年の間に、ベジャールさんの作品では『ザ・カブキ』の顔世御前、『ドン・ジョヴァンニ』のヴァリエーションを踊っていましたが、その時点ではベジャールさんに直に指導していただくことがなくて、1993年の『M』がベジャールさんと直接一緒にお仕事をさせていただく初めての機会となりました。この時、ベジャールさんと一対一でリハーサルをさせてもらったことで、自分の中でちょっと何かが変わるものがあったと思います。たとえば、イリ・キリアンさんとのお仕事(『パーフェクト・コンセプション』世界初演)が実現したのはその翌年のことでした。
──ベジャールさんとのリハーサルでは、最初はとても緊張されたそうですね。
吉岡 そう、怖かったのです(笑)。あのブルーの眼で見つめられると、考えていることをすべて見透かされているような感じがして。でも実はすごく優しくて、会うといつも手にキスをしてくれて! 当時はまだ60代でしたから、ご自分で実際に動いて見せてくださることも。それを見て感じた通りに動いて見せると、「そうだね」「いや、もっとこういう感じで」と指示をいただく──。そうして稽古を進めていきました。それはダンサーとして本当に大きな経験でしたね。
──「女」という役づくりについては?
吉岡 ベジャールさんから「こういう役だからこう踊って」という説明は特にありませんでした。プログラムか何かの解説を見て知ったのですが、正式には「生命と再生の源を象徴する女」という役名です。
『M』には三島由紀夫のさまざまな作品のイメージが登場しますが、配役表には「禁色」とか「鹿鳴館」とか、場面のタイトルが書いてあって、私が演じた「女」の登場する場面は「鏡子の家」と記されていました。それで初めて三島の本を読んでみたのです。だからといって、あの「女」が「鏡子の家」のあの女性なのかというと、それはちょっと違うような気もします。でも、読んでいるのと読んでいないのとでは、舞台に立ったときに自分が発するもの、存在感、深みといったものが変わってくるはずです。
──強くて美しい女性、という印象です。
吉岡 ベジャールさんの作品ではよく、色でいえば白と黒という対照的な女性が登場します。『バレエ・フォー・ライフ』や『ブレルとバルバラ』もそうですね。白い衣裳の女性は、母親のような穏やかな愛。もういっぽうの黒い衣裳の女性は、もっと強くて激しい愛で、緊張感がある。『M』もまさにそう。白い衣裳の「海上の月」は母を思わせる慈愛に満ちた女性ですが、黒い衣裳の「女」は正反対。登場の場面では三島の分身の一人、IV
- シ(死)にからまれて、どこか死に対する予感とか怯えが見え隠れする。そこから男性(I - イチ)とのパ・ド・ドゥが始まりますが、決して穏やかな雰囲気ではなく、男性のお腹にぶつかっていく瞬間もある。私の中では闘牛のイメージでした。リハーサルの時にはつい躊躇してしまったけれど(笑)。
2005年の公演より。女役を演じる吉岡美佳
──今、リハーサルではどんなことに配慮して指導されていますか。
吉岡 ベジャールさんの振付は実にシンプル。言われた通りの振付をきちんとその通りに踊ることで、その振付が生きて、作品の中のその場が生きてくるものだと思います。ダンサーたちには、ベジャール作品を大事に踊ってほしいなと思います。そうでなければ、いまこうして取り組む必要などないわけですから。
──10年ぶりの上演となる今回は、ほぼすべての役柄が新キャストに。フレッシュな『M』となりますね。
吉岡 演じるダンサーが変われば、作品は全く違うものになるもの。でも少なくとも、私も、(初演ダンサーで、今回ともに指導にあたっている)小林十市さんも、高岸直樹さんも、当時ベジャールさんに言われたこと、教えていただいたことを、最大限、ダンサーたちに伝えようと努めています。それは私たちの使命だと思うし、やりがいがあります。ベジャール作品は、映像を見て振付を覚えるだけで上演できるものではないし、東京バレエ団のオリジナル作品を途絶えさせるわけにはいかない。こうやって作品を継承していくことはとても大切なことと考えています。初演後のヨーロッパ・ツアーで高い評価を受けた作品ですが、いまあらためて、日本のお客さまに観ていただきたいと思っています。
三島由紀夫の没後50周年を記念し、東京バレエ団が10年ぶりに上演するベジャールの傑作『M』。本作の再演にあたり、東京バレエ団では初演時に「Ⅳ―シ(死)」の役をつとめ、さらにベジャールの振付アシスタントをつとめた小林十市さん(元モーリス・ベジャール・バレエ団)に作品の指導をお願いしました。
現在南仏に活動拠点をおく小林さんは、7月末に帰国後2週間の自宅待機期間をへて来団。その後2週間にわたり、ダンサーたちにベジャールならではの振付のニュアンスや表現を細かく伝承していきました。そのリハーサルも終盤にさしかかった8月の下旬、帰国間際の小林さんに現在の手応えをうかがいました。ぜひご一読ください。
──1993年の『M』初演の際には、ベジャールさんの振付アシスタントを務められました。
小林 「鹿鳴館」のワルツの場面の振り写しと、ダンサーの配置を任せてもらいました。が、実際のところアシスタントって何なのかわかっていなくて、リハーサル初日は最後まで残らずに帰ってしまった(笑)。翌日ベジャールさんから、「自分は動いて見せることができないから、十市は動いて、ダンサーたちにそのニュアンスを伝えてほしい」と言われ、ああ、そういうことかと!
現場では、当時の芸術監督の溝下司朗さんが最初から最後までリハーサルを見ておられて、初演の公演プログラムには、リハーサル後のベジャールさんの指示を司朗先生がノートに取り、僕が横で聞いている写真が載っています。
──『M』創作の過程をずっと見ておられたわけですね。
小林 だから皆さんは僕を『M』のエキスパートと思われているかもしれないけれど、全然、違うんです(笑)。『M』(1993)は『ザ・カブキ』(1984)と同様、ベジャールさんが東京バレエ団にプレゼントしたものですし、飯田宗孝先生も、佐野志織さんも、高岸直樹さんも木村和夫さんも、東京での初演の後、ヨーロッパツアーに出て、その間に20回以上も『M』を踊っている(その後パリ・オペラ座公演で合流)。本当は皆さんのほうがずっと詳しい!
僕ができるのは、ベジャールさんのボキャブラリー、動きのニュアンスについて「こうではないか」とアドバイスすること。それは、長くベジャールさんの作品を踊ってきた自分だから伝えられることかなと思っています。
聖セバスチャン役の樋口祐輝を指導する小林さん
──もっとも印象的な要素の一つは、三島の分身であるイチ、ニ、サン、シの存在です。彼らは2つのパ・ド・カトルを中心に、様々な場面に登場します。
小林 振付の段階では、「お互いの距離をはかりながら」「ここでお互いを見て」といった動きのアイデアをポンと渡されて、そこから4人がアドリブで動いていました。細かいところまでは決められていないのです。今回指導するにあたって『M』の記録映像を4本見たのだけれど、全部違っている! つまり、動きのアイデアから外れてさえいなければ、どう動いてもいいということだったのです。
今回初めて、4役とも新キャストが配されましたが、指導の場では、この時はどこを通過していくか、別にここじゃなくでもいいとか、この二人の目線がどこかですれ違ればいいとか──そんな細かな作業を重ねていました。
写真左より、池本祥真(Ⅳーシ)、宮川新大(Ⅱーニ)、秋元康臣(Ⅲーサン)、柄本弾(Ⅰーイチ)
──ご自身が初演したシ(死)はどんな役柄と捉えられますか。
小林 冒頭の海の場面では少年とともにお婆さんとして登場し、その後、狂言回し的な存在としてマジックを見せる。それはある種、ディアボリックな、悪魔的な感じです。そこからまた、生と死の「死」であることの怖さも押し出していく──。最初のパ・ド・カトルに至るまでに、既に3つの異なる色を出しています。そこには、ストーリーの中にいるときと、客観視しているときの使い分けがあって、それでいて一貫しているのは、全部を引っ張っていく存在です。
自分に振付けられたこの役をあらためて客観的に見ると、たとえば、正座して、少年のランドセルからお習字の道具を取り出す場面がありますが、僕は噺家の家に生まれたというバックグラウンドがあって、畳の部屋で正座したり、剣道をやっていて神棚にお辞儀をしたりといったことが身体に染みついている。それをベジャールさんが僕の中に見出していた──。ベジャールさんはこのダンサーにはこういったオプションがあるから、と有効に使う方だったのです。
池本祥真は6代目の「Ⅳーシ(死)」の役を引き継ぐ
──あらためて、『M』とはどんな作品で、その魅力はどんなところにあると思いますか。
小林 ベジャールさんの頭の中にある美学が作品化されたもの、と言えると思います。『M』がヨーロッパで高い評価を受けているのは、日本のシンプルな美、美しい所作や、様式的なものがふんだんに散りばめられているからでしょう。禅僧が書く、「円相」というものがありますね。しゅっと一筆で書かれた円ですが、悟りの象徴、真実や宇宙、また輪廻転生を表しているともいわれるし、見る人によってどのようにも解釈できるという。海に始まって海に還る、『M』はまるであの円相のようだと思います。
宇宙規模でいえば、人の人生なんて一瞬だけれど、いまの若いダンサーたちが見せる、ほのかな一瞬の炎のような、その瞬間を、共有していただけたらと思っています。
取材・文:加藤智子(フリーライター)
リハーサル写真:松橋晶子
東京バレエ団ではコロナ禍で延期になった3公演を9月に続けて上演。先週の「ドン・キホーテ」全幕公演を無事に終え、ダンサーたちもようやくエンジンが全開になってきたようです。
ここで、ダンサーたちの舞台への復帰の足がかりとなった〈Choreographic Project 2020〉を改めて振り返りたいと思います。東京バレエ団を長く取材してくださっている加藤智子さん(フリーライター)のレポートをご紹介。ぜひご一読ください!
ソーシャルディスタンスを保ったカーテンコール
さる9月5日(土)、東京バレエ団は、めぐろパーシモンホールにて〈Choreographic Project(コレオグラフィック・プロジェクト)2020〉を開催した。8月に行われる予定であった〈めぐろバレエ祭り〉連動企画として、劇場の舞台で、団員による振付作品のみの公演を行うという試みが実現した。
上演されたのは、これまでに同プロジェクトで誕生した既存の作品に、今年1月に行われたスタジオパフォーマンスで観客賞に選ばれた1作品に、本公演の2週間前に実施された試演会で選出された2つの新作も加わった全7作品。新型コロナウイルス感染拡大防止のため、観客は定員の50%以下と寂しい光景ではあったが、バレエ団にとっては半年ぶりの舞台とあって、会場は静かな熱気にあふれていた。
最初に上演された作品は、岡崎隼也振付『Scramble(スクランブル)』。2017年のスタジオパフォーマンスにて観客賞を受賞、その後〈上野の森バレエホリデイ〉の屋外特設ステージで上演された作品だ。若手中心の新キャスト、劇場での本格的な照明によって、岡崎ならではの鋭角的な動きが、より立体的に浮かび上がった。
岡崎隼也振付『Scramble』
指導陣からの出品となる木村和夫の『RISE(ライズ)』は、映画「シンドラーのリスト」の音楽、ケルティック・ウーマンの楽曲で構成された新作だ。一輪の花を慈しむように舞う柄本弾と、丈の長いチュチュをまとった沖香菜子以下14人の女性ダンサーたちは、ともすると『ジゼル』のアルブレヒトとウィリたちのようにも見えるが、闇の中に光を見つけたかのように彼方を見据えるその姿はずっと清々しく、明るい。リハーサル期間中、木村は「後付けになってしまうけれど」としながら、「今は皆、闇の中で手探りをしている状況かもしれないが、いつかこれを克服して、目の前がぱっと開けた時、また皆で手を繋いでいけたら──」と作品にこめた思いを明かした。ダンサーの成長を促す機会を大切にしたいとも話す木村。出演ダンサーの中には、この公演が東京バレエ団での初舞台という4人の研究生がいたが、彼女たちにとっても忘れがたい貴重な体験となったのでは。
木村和夫振付『RISE』
岡崎隼也の2作目は、『Calling(コーリング)......』。緊急事態宣言発出後に創作した新作は、サン=サーンスの「白鳥」に振付けたソロで、コロナ禍にあって、舞台に立つ機会を求め続けていた上野水香と、彼女の舞台を待ち望む観客の人たちを思い、「既に知られている上野水香のイメージを壊すのではなく、何か新しい見せ方を目指したい」と取り組んだ。名作「瀕死の白鳥」で知られる音楽は、「儚さ、寂しさの中にも、どこか明るく、強い意思を感じる」という岡崎。「最後に、明るい未来への希望を見せたい」と、上野の力強さを印象付けた。
岡崎隼也振付『Calling......』
次の『理由』は、2018年スタジオパフォーマンスにて観客賞を受賞した岡崎の作品。スツールを用いた内省的な作品は、秋山瑛、涌田美紀、足立真里亜、中沢恵理子というフレッシュなキャストで、より深みある、印象深いパフォーマンスに。
岡崎隼也振付『理由』
ブラウリオ・アルバレスの『Adagietto(アダージエット)』も2018年の初演で観客賞を受賞、第1位に輝いた作品だ。奈良春夏と秋元康臣、岸本夏未と樋口祐輝ほか全5組のカップルが、マーラー交響曲第5番第4楽章アダージェットで踊る。広く知られたこの音楽をしっかりと活かす振付の工夫や、布を用いるユニークな演出は、上演を重ねることでより説得力あるものに。
ブラウリオ・アルバレス振付『Adagietto』
続いて上演されたアルバレスの『夜叉』も、2019年に観客賞を獲得している。鬼婆伝説に想を得て、アルバレスの故郷メキシコで国民的人気を得ている楽曲、アルトゥロ・マルケスのダンソン第2番に振付けた、日本とメキシコの文化の融合を目指した意欲作。女性のメインロールは初演から引き続き中川美雪、男性は宮川新大が初めて取り組み、それぞれの持ち味を存分に活かした演技でストーリーを伝えた。ラテン特有のリズムを活かしたダイナミックな振付は大きな見どころ。アルバレスは「日本人が「赤トンボ」を聴いて懐かしさを感じるのは、日本人だからこそ。メキシコ人にとってこの楽曲は、それと同じまさに特別な音楽。日本のダンサーには馴染みにくいところがあったかもしれない」と当初の思いを明かしていたが、上演を重ね、ダンサーが音楽をどんどん自分のものにしていく様子を実感したという。
ブラウリオ・アルバレス振付『夜叉』
ラストは、今年1月のスタジオパフォーマンスにて観客賞を受賞した岡崎隼也の『運命』抜粋版。「カルメン」の音楽で、運命に翻弄され、愛し、傷つく若者たちの姿をドラマティックに描き出す大作で、沖香菜子、伝田陽美、秋山瑛、政本絵美、加藤くるみ、柄本弾、秋元康臣、池本祥真、樋口祐輝、鳥海創らが、岡崎独特の複雑な振付をしっかりと消化し、熱演を繰り広げた。
岡崎隼也振付『運命』ー抜粋版ー
5人のプリンシパルから研究生まで、多くのダンサーが参加した今回の公演は、彼らに舞台で踊る喜びをあらためて実感させることになった。振付者にとっても、コロナ禍の不安を作品に反映させたり、あらためて作品を見つめ直したりと、これからの創作につながる貴重な経験に。今後、新たに振付に挑戦したいと手を挙げるダンサーが続けば、このプロジェクトはさらに有意義なものになるだろう。
取材・文:加藤智子(フリーライター)
東京バレエ団では、"もっと東京バレエ団のことを知りたい!" "良い席で公演を観たい!" "割引料金でチケットを買いたい!" という方のために、公式のファンクラブ、「クラブ・アッサンブレ」を設けております。年会費も2,000円(税込み)と廉価に設定しており、随時ご入会を承っております。
昨年の12月に誕生した猫のキャラクターのお名前ですが、7月・8月とお名前募集キャンペーンを行い、たくさんの方からお名前をご応募いただきました。
ご応募いただいた皆様、本当にありがとうございました!
協議を重ねた結果、ついにキャラクターのお名前が決まりました!
これから様々な場所で活躍していきますので、東京バレエ団ともどもメグとマルセルの応援をお願いします♪
バレエの象徴ともいうべきポワント(トウシューズ)は1足5,000~10,000円をこえるものまで様々な種類がありますが、日々のリハーサル、そして舞台で履きつぶしてしまうポワントの費用は、女性ダンサーたちにとって大きな負担になっています。そのため、東京バレエ団では2012年より「ポワント基金」を設け、ご支援くださる皆様からのご寄付で、ダンサーたちにポワントを支給しています。
今年はコロナ禍のために例年よりも約2ヶ月遅れましたが、先日バレエ団のスタジオにて今年度のポワントの支給式を行いました。
スタジオには新品のポワントを手にし、満面の笑顔をみせるダンサーたちの幸せなオーラがあふれており、支給式のあとのリハーサルは、いつもにもまして気合いが入っているようでした。
コロナ禍で舞台芸術を取り巻く環境には非常に厳しいものがございますが、大勢の皆様に支えていただいているという実感が、ダンサーたちの精神的な支えにもつながっております。皆様からのあたたかいご支援に一同心より感謝申し上げます。次の公演は9/26(土)、9/27(日)に上演する「ドン・キホーテ」全幕。より良い舞台となるよう、ダンサー、スタッフ一同、一層気を引き締め、精進してまいります。今後とも東京バレエ団にご支援賜りますよう、心よりお願い申し上げます。
※例年はダンサーたちの集合写真を掲載しておりますが、今年は感染症拡大防止のため、グループごとにわかれて撮影を行いました。
左より、沖香菜子、奈良春夏、伝田陽美、秋山瑛
左より、金子仁美、二瓶加奈子、岸本夏未、政本絵美、中川美雪、三雲友里加
左より、涌田美紀、加藤くるみ、足立真里亜
後列左より、最上奈々、上田実歩、鈴木理央、中沢恵理子、工桃子、高浦由美子
前列左より、安西くるみ、中島理子、榊優美枝
左より、菊池彩美、長谷川琴音、瓜生遥花、大坪優花、松永千里
左より、木住野真菜美、本村明日香、花形悠月、前川琴音、米澤一葉
後列左より、居川愛梨、佐藤瑞来、小林純夕、富田沙永
前列左より、鈴木香厘、相澤圭、栗芝みなみ、富田翔子
【これまでの支給足数】
2012年度 396足 (募集期間2012年4月~2013年3月)
2013年度 406足 (募集期間2013年4月~2014年3月)
2014年度 640足 (募集期間2014年4月~2015年3月)
2015年度 540足 (募集期間2015年4月~2016年3月)
2016年度 533足 (募集期間2016年4月~2017年3月)
2017年度 524足 (募集期間2017年4月~2018年3月)
2018年度 363足 (募集期間2018年4月~2019年3月)
※毎年5,000円以上ご寄付いただいた方で、ご住所をお知らせくださった方には年次報告書をお送りしております。
9/1(火)発売、『婦人画報』2020年10月号に柄本弾が登場! 美輪明宏さんと「いま、舞台芸術にできること」をテーマに対談をさせていただきました。
コロナ禍のためにリモートでの対談となりましたが、10月に『M』の本番を控えている柄本にとって、三島由紀夫と交流があった美輪さんにお話を聞けるまたとないチャンス! 色々教えていただきたいと、改めて三島作品を読み直し(10年前の『M』の本番前にも何作品か読んでいたそうです)、美輪さんのドキュメンタリー映像を拝見してから対談にのぞみました。
はじめはかなり緊張していた柄本ですが、次第に美輪さんの芸術に対する豊富な知識と圧倒的な熱量にひきこまれ、特に三島作品について、芸術について語る美輪さんの言葉に熱心に耳を傾けていました。対談後には「リモートで話しているのに何度も鳥肌がたった!」と、確かな手応えを感じた様子。
10年前はコール・ド・バレエで『M』に出演した柄本ですが、今回はメインキャストの一人として"Ⅰーイチ"を大先輩の高岸直樹から引き継ぎます。そんな『M』のリハーサルの様子は、改めて公式SNS、ブログ等でご紹介して参ります。
東京バレエ団が10年ぶりに上演する『M』。どうぞご期待ください!
■『婦人画報』2020年10月号(9/1[火]発売/株式会社ハースト婦人画報社)
東京バレエ団では、"もっと東京バレエ団のことを知りたい!" "良い席で公演を観たい!" "割引料金でチケットを買いたい!" という方のために、公式のファンクラブ、「クラブ・アッサンブレ」を設けております。年会費も2,000円(税込み)と廉価に設定しており、随時ご入会を承っております。
このクラブ・アッサンブレの正式名称は「Club Assemble Tokyo」。頭文字をとると「C」「A」「T」! ということで、この頭文字にそった猫のキャラクターが誕生しました!
本年はオンライン開催となった〈めぐろバレエ祭り〉では、このキャラクターの塗り絵を実施し、ご好評を頂戴しました。そしてお客様からのご要望にお応えし、塗り絵をお楽しみいただける期間を〈めぐろバレエ祭り〉の会期から延長し、8月31日(月)18:00までに設定させていただいております。
なお、今はスマートフォンから簡単に塗り絵ができる無料アプリ多数リリースされています(ちなみに、スタッフイチオシは #メディバンぬりえ というアプリです)。 「絵が苦手~」という方も、気軽にお楽しみいただけます。
ちなみに、塗り絵と同時に、キャラクターのお名前募集キャンペーンも絶賛継続中です! お名前募集キャンペーンは、クラブ・アッサンブレにご入会いただいていないお客様もご参加いただけますので、この機会にぜひご参加ください♫
>>> お名前募集キャンペーンの詳細と、塗り絵のダウンロードはコチラ
まだまだ暑い日が続きますので、皆さまのおうち時間、塗り絵で少しでも楽しいひとときとなりますように!
毎年8月に開催している〈めぐろバレエ祭り〉。東京バレエ団では地元貢献のためにファミリー向けのバレエ公演のほか、BON踊りや無料で参加できるワークショップなど、多彩なイベントにダンサーたちが参加し、バレエの魅力の発信につとめています。
今年度は残念ながらオンラインでの開催を余儀なくされてしまいましたが、映像の中でもダンサーたちが大活躍しています! 下記に気になる出演情報をまとめましたので、ぜひぜひチェックしてみてくださいね♫
第8回〈めぐろバレエ祭り〉Online
【映像公開期間】2020年8月7日(金)13:00~8月10日(月祝)23:59
※映像によって公開期間は異なります。詳しくは公式ホームページにてご確認ください。
レア映像スペシャル配信祭り
■小林十市振付 スーパーバレエMIX BON踊り+プロジェクションマッピング花火大会(2019年)
出演:飯田宗孝、上野水香、ブラウリオ・アルバレス、小林純夕、米澤一葉
■東京バレエ団 ファンミーティング(2019年)
出演:川島麻実子、沖香菜子、奈良春夏、伝田陽美、柄本弾、秋元康臣、宮川新大、池本祥真
【特集】The Tokyo Ballet Choreographic Project
■トークで振り返るThe Tokyo Ballet Choreographic Project【Vol.1~Vol.3】
出演:岡崎隼也、ブラウリオ・アルバレス
■「Scramble」(2017年観客賞受賞作品)
振付:岡崎隼也
出演:伝田陽美、沖香菜子、崔美実、岸本秀雄、井福俊太郎、岡本壮太、岡崎隼也
■「理由」(2018年観客賞受賞作品)
振付:岡崎隼也
出演:伝田陽美、政本絵美、沖香菜子、加藤くるみ
■「Adagietto」(2018年観客賞受賞作品)
振付:ブラウリオ・アルバレス
出演:渡辺理恵ー樋口祐輝、金子仁美ー海田一成、瓜生遥花ー岡﨑司 川島麻実子ー岸本秀雄、上田実歩ー山田眞央
■「夜叉」 ダイジェスト版 (2019年観客賞受賞作品)
振付:ブラウリオ・アルバレス
出演:中川美雪、池本祥真
酒井伽純、長谷川琴音、花形悠月、松永千里、山田眞央、岡﨑司、昂師吏功、南江祐生
そのほか
■ダンサーが語る 〈めぐろバレエ祭り〉の思い出
出演:政本絵美、ブラウリオ・アルバレス
※当初予定されていた「めぐろバレエ祭りへ行こう!」の内容を一部変更して配信させていただきます。
■東京バレエ団第34次海外公演 密着ドキュメンタリー「The Tour Story」
出演:東京バレエ団総出演
※去る4月に特別公開した同作を、非常に多くの反響をいただきましたので再度公開させていただきます。
OB・OGも特別に出演しています
■クロワゼプレゼンツ★あなたの悩みに答えます! 矢島まいのお悩み相談バー・レッスン
講師:矢島まい
■はじめてのバレエ、 親子でバレエ・ストレッチ
講師:坂井直子
■東京バレエ団「M」上演記念
小林十市×吉岡美佳×高岸直樹 スペシャル・トーク【前編・後編】
出演:小林十市、吉岡美佳、高岸直樹
去る1月25、26日に開催された東京バレエ団〈スタジオ・パフォーマンス〉。スタジオ内に舞台と客席を設ける、座席数が限られた公演のため、今回もチケットをご購入いただけなかった方が多いのではないでしょうか?
そこで、本番の様子を長く東京バレエ団の公演を取材していただいている加藤智子さん(フリーライター)のレポートでご紹介します。ぜひご一読ください! また、このたびはレポートの掲載が予定よりも大幅に遅れましたこと、お客様には心よりお詫び申し上げます。
〈Choreographic Project(コレオグラフィック・プロジェクト)2020〉スタジオ・パフォーマンスが、1月25日、26日の2回公演で開催された。
東京バレエ団のスタジオに一般の観客を迎え、団員たちの作品を上演するスタジオ・パフォーマンスは今年で3回目の開催。団員たちが会場設営の作業に参加したり、当日の案内係を務めたりと、手作り感にあふれた、温かみある公演が実現した。
今回、振付作品を出品したのは5人の団員たち。年末年始を挟んでリハーサルを重ね、本番の約2週間前には指導者、スタッフたちを前にしての試演会にのぞんだ。その後、斎藤友佳理芸術監督が出品者全員との面談を実施、ブラッシュアップのためのさまざまな助言を与えたという。振付を手掛けたダンサーたちは、残された短い期間の中で、構成に変更を加えたり、ニュアンスを変えたりと工夫を重ね、本番を迎えた。
当日、開演前に挨拶をした斎藤芸術監督は、これまでの〈Choreographic Project〉でさまざまな作品が生まれてきたことに触れながら、今回も「それぞれがその持ち味を生かした、素晴らしい作品を披露してくれると信じています」と皆を激励した。
今回、上演された5人の振付者による6作品。そのうち3作品は、初エントリーの団員によるものだ。
トップバッターで登場した作品、『Jump UP』を振付けた山下湧吾も初エントリーの一人。中沢恵理子、工桃子、後藤健太朗とともに、若さ弾ける、みずみずしい感性で、踊る楽しさをぎゅっと凝縮させた。上演後のトークで、「ジャズダンスを習っていたときの楽しさ、その気持ちを大事にして創った作品です」と話した山下。次回も挑戦したいと目を輝かせた。
山下湧吾振付 『Jump UP』
次の作品はブラウリオ・アルバレスの『いい湯だな』。2年前に発表した『ドアが閉まります』に続くシリーズ第2弾、外国人が見た日本の日常の光景の面白さをダンスに創り上げた。柄本弾(外国人)、秋元康臣(酔っ払い)、池本祥真(オタク)、山田眞央(おじいちゃん)、岡﨑司(女子高生)がそれぞれのキャラクターの可笑しさを最大限にアピール、客席を大いに沸かせた。
ブラウリオ・アルバレス振付 『いい湯だな』
3番目に登場の安井悠馬は、ソロ作品『朱赫〜Shukaku〜』を自身で踊った。黒い衣裳に、赤く塗られた木刀と左腕。赤色は、自身を象徴する色という安井。「いま、悩んでいる僕自身がテーマ。僕は周りに埋もれてしまうようなダンサーだけれど、自分自身の持って生まれた個性や力、自分の色で、未来を切り拓いていきたい。そんな思いを込めて踊りました」と話した。入団して9カ月。バレエ団の活動に、意欲的に取り組む姿勢が透けて見えるような、力強いパフォーマンスとなった。
安井悠馬振付 『朱赫〜Shukaku〜』
紅一点の金子仁美の作品は、『Anleitung〜道しるべ〜』。彼女自身が、ダンサーとして思い悩み、葛藤する姿を描いた作品だ。バッハの音楽を用いて、ヒロイン役の長谷川琴音の表現力をしっかりと引き出しながら、彼女の内面に渦巻く"白"と"黒"のせめぎ合いを描き出した。共演は上田実歩、髙浦由美子、山田眞央、後藤健太朗。初の挑戦だけに「口から心臓が出そうなくらい緊張しました」と話す金子だが、「皆がこれほどまでに、作品に魂を吹き込もうと踊ってくれる姿に、涙が出てきました」とダンサーたちに感謝の気持ちを述べた。この短い期間にも、創り手としてのプレッシャー、感動を存分に味わったようだ。
金子仁美振付 『Anleitung〜道しるべ〜』
岡崎隼也は、20分ほどの大作『運命』抜粋版を発表。伝田陽美、柄本弾、政本絵美、秋山瑛、秋元康臣、池本祥真らを核に、沖香菜子、金子仁美、加藤くるみ、樋口祐輝、鳥海創と11人ものダンサーを配し、ドラマティックに「カルメン」の世界を浮かび上がらせた。今回、制限時間の縛りをゆるめ、大作に挑戦してみたいという振付者の意志をできるだけ生かそうという方向性が打ち出され、岡崎は「いつか取り組みたいと思っていた」という『カルメン』に挑戦。若者たちが運命に翻弄されていく様子を迫力あるダンスで描き出し、今年の観客賞を受賞した。
岡崎隼也振付 『運命』抜粋版
最後は、ブラウリオ・アルバレスによる2作目、『I remember』。これも15分ほどの大作で、言葉を介さず、手と手を触れることで思いを伝える人々のドラマを紡ぐ。仮面をつけ、表情を見せずに踊るダンサーたちが、登場人物たちの思いを十二分に伝え、力作と評判に。アルバレスは、「手を繋いで写っている曽祖母の写真を見て、この作品のアイデアが生まれました。もしかしたら近い未来、人は、表情ではなく、手と手を触れることで理解し合うようになるかもしれない」と話す。
ブラウリオ・アルバレス振付 『I remember』
終演後は、観客とダンサーたちが直接交流できる懇親会の場も設けられ、ダンサーたちにとっては、パフォーマンスの感想を直接聞く貴重な機会に。今回は、2日間にわたる上演が初めて実現したが、1日目の終演後、振付に修正を加え、2日目の公演にのぞんだ振付者も。常に作品に手を加えながら、より完成度の高い上演を目指すチャンスがあるというわけだ。
大ホールでの公演ではなかなか観ることのできない、彼らの未知の一面に触れることができる貴重な機会との声もあり、ダンサーたちの学びの場として、今後の開催にも期待が寄せられている。
取材・文:加藤智子(フリーライター)
写真:松橋晶子
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