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新着情報2018/12/25

東京バレエ団ダンサーからのクリスマス・プレゼント2018

 2018年も東京バレエ団にあたたかいご声援をいただきありがとうございました。 お客様への感謝の気持ちをこめ、バレエ団を代表してプリンシパル6名と芸術監督の斎藤友佳理よりご挨拶申し上げます




レポート2018/12/11

モーリス・ベジャール振付「ザ・カブキ」 キャラ紹介事典

 2018年11月2日~12月7日の期間、全16回にわたり東京バレエ団公式ツイッターの連載企画として実施したモーリス・ベジャール振付「ザ・カブキ」キャラ紹介事典。

 この企画では、歌舞伎の『仮名手本忠臣蔵』をわずか2時間半弱のバレエへと見事に昇華させた本作に登場する、魅力的な登場人物を写真と分かりやすい文章でご紹介しています。まとめてご覧いただけるよう、このたび公式ツイッターのモーメントにアップいたしました。
 公演鑑賞前にご覧いただくと、より「ザ・カブキ」の世界観をお楽しみいただけます。ぜひご一読ください!

>>> 「ザ・カブキ」 キャラ紹介事典はコチラから

レポート2018/11/21

"音楽"からみた〈20世紀の傑作バレエⅡ〉の魅力

東京バレエ団が珠玉の4作品を一挙に上演する〈20世紀の傑作バレエⅡ〉。いよいよ公演の初日まであと9日とせまってまいりました。
 今回の上演作品は芸術監督の斎藤友佳理が厳選したいずれも振付家の個性あふれる名作ばかりですが、同時に注目されるのはその"音楽"です。ラヴェル、ドヴォルザーク、モーツァルト、ショパン、音楽史を語る上で欠かせない著名な作曲家たちがズラリと名を連ねています。そこで、"振付と音楽"という観点から、長年東京バレエ団に携わってきたあるスタッフが、プログラムの見どころについてご紹介いたします。ぜひご一読ください。


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ラヴェルの「ボレロ」には麻薬的な作用があります

 世の中にはラヴェル作曲の「ボレロ」が好きな人がたくさんいるようです。ひたすら破滅に向かってクレッシェンドしながら突き進む音楽は、麻薬的な作用があります。その音楽に振付けられたモーリス・ベジャールの「ボレロ」は、聴覚に加え視覚をも刺激し、陶酔と興奮を何倍にも増幅させます。一度この恍惚感を味わったら、必ずもう一度体験せずにはいられなくなるでしょう。
NBSでは2017年2月にオレリー・デュポンを"メロディ"役に東京バレエ団とともに「ボレロ」を上演しました。さらに同年11月には、ベジャール・バレエ団でエリザベット・ロスとジュリアン・ファブローを芯に据えて「ボレロ」を上演しました。こんどの東京バレエ団により「20世紀の傑作バレエ」と題した公演では、上野水香と柄本弾が日替わりで「ボレロ」の真ん中を踊ります。もしかしたら、上野水香の「ボレロ」を観たことがある人は少なくないかもしれませんが、柄本弾の「ボレロ」はこれまで横浜のベイサイド・バレエと〈めぐろバレエ祭り〉でしか上演していませんので、ほとんど目にされていないに違いありません。ベジャール・バレエ団の芸術監督ジル・ロマンから太鼓判を押された柄本弾の「ボレロ」は一見の価値があります。

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バレエの基は音楽です。バレエの傑作はすべて素晴らしい音楽に振付けられています。「ボレロ」とともに上演するのは、ドヴォルザークの弦楽セレナーデにノイマイヤーが振付けた「スプリング・アンド・フォール」、ショパンのノクターンにロビンズが振付けた「イン・ザ・ナイト」、モーツアルトのピアノ協奏曲23番と21番にキリアンが振付けた「小さな死」。

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「ボレロ」が好きな人は、振付けの巨匠たちが創った他の3作品もきっと気に入っていただけるものと思います。このような豪華な4作品を一挙に上演し、1000席程度の比較的小さな劇場で、身近に観ていただける機会はめったにありません。どうぞ、この貴重な機会をお見逃しなく。新国立劇場の中劇場に足を運んでください。



チケットのご購入はこちら>>>


レポート2018/11/14

「スプリング・アンド・フォール」公開リハーサルレポート

 昨日(11/13[火])、東京バレエ団のスタジオにてマスコミ向けの公開リハーサルを行いました。今回は11/30(金)~12/2(日)に上演される〈20世紀の傑作バレエⅡ〉の上演作品の中から、ノイマイヤー振付「スプリング・アンド・フォール」のリハーサルを公開。リハーサル後には芸術監督の斎藤友佳理、主役を踊る川島麻実子、柄本弾が出席し、記者懇親会が行われました。その様子を高橋森彦氏(舞踊評論家)のレポートでご紹介します。ぜひご一読ください。

>>>レポートはこちらから!!

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海外ツアーレポート2018/10/26

第33次海外公演(オマーン)ダンサーレポートその2〜二瓶加奈子

『ラ・バヤデール』オマーン公演のレポート第二弾は、この公演でガムザッティ役デビューを飾った二瓶加奈子の登場です!

初めてガムザッティを踊りました
海外公演から無事に戻ってまいりました、二瓶加奈子です。
そうなんです、今回オマーン公演の『ラ・バヤデール』では、初めてガムザッティを演じました。

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ロイヤル・オペラハウス・マスカットにて。
もう一人のガムザッティ、伝田陽美さんと。

こうした大役に初めて臨む場合、普通、結構前からわかっていたりして、それなりに心の準備をして、リハーサルをしっかりやって、というものじゃないかと思っていたのですが──、今回はちょっと違いました(笑)。
世界バレエフェスティバル開催期間中、『ラ・バヤデール』振付指導のオリガ・エヴレイノフ先生がいらして指導していただいたのですが、その頃に、私、ガムザッティやるのかな、やるみたいだな......、という流れでリハーサルに入り、でもその後、めぐろバレエ祭り〈夏祭りガラ〉の『パキータ』の主役などにキャスティングされていて──これもまた私にとっては緊張する大役でしたから、結局、ガムザッティのリハーサルに本格的に取り組めたのは本番前の3週間くらいだったのでした。
先生方や(奈良)春夏さんにいろいろとご指導いただきながら、取り組んできましたが、これまでいろんな役を踊ってきたなかで、実は、本格的に演技する役柄を演じるのは初めて!! 舞台の上で喜怒哀楽を出す、ということに、最初はとても戸惑いを感じていました。


オリガ先生からは、「もっと出して!もっと!」とアドバイスをいただいていたのですが、踊りを見せるだけではなく、国王のお嬢さまとしての「風格」を感じさせなければいけない。
さらに、考えすぎて顔の表情だけで演技してしまうようではダメで、しっかり「目」と「身体」で表現し、お客さまに伝わるよう演技することが求められます。
これがとても難しいのだけれど、次第に掴めるようになってきてからは、その楽しさを実感できるようになりました。

→この続き、レポート全文はクラブ・アッサンブレ会員限定サイトでご覧ください

レポート2018/10/23

第33次海外公演(オマーン公演) ~現地の公演評~

 東京バレエ団はこの10月11日~13日の3日間、33回目の海外公演として、アラビア半島の東端にある国オマーンで日本のバレエ団として初めての公演を行いました。

現カブース国王により1971年に独立以来、近代化を遂げ発展したオマーン。その首都で「アラビアの宝石」とも呼ばれる美しい街マスカットに、音楽好きの国王の肝いりでロイヤルオペラハウスが開場したのは2011年。この湾岸諸国随一といえる白亜の美しい歌劇場は、イタリア人の総裁のもと、多くの外国人技術スタッフを含む人々によって運営されており、世界屈指のオペラ、バレエ団やアーティストが客演しています。

 現地の有力紙「オマーン・オブザーバー」(Oman Observer)には、10月14日付の公演評で「"神殿の踊り子"の輝かしい演技」として次のような記事を掲載しました。その公演評の一部をここにご紹介いたします。 

     

Oman Observer 2018年10月14日
「神殿の踊り子」の輝かしい演技 The glorious execution of the'Temple Dancer'

(木曜のソワレの)見事な演技は究極の完璧さで、目撃した観客すべてから喝采を浴びた。東京バレエ団のテクニック、振付、衣裳、舞台美術、オーケストラ、音楽のすべてが素晴らしく、全3幕の2時間のドラマはまるで一瞬のようだった。

 物語は聖なる森の神殿で始まる。神殿の外で、虎狩りの後、六人の苦行僧たちが聖なる火の前で力強い土着の踊りを踊っている。苦行僧の長、マグダヴェーヤは、井福俊太郎がその精力的な運動能力と技術により、鮮やかに踊り、這いつくばった。柄本弾の踊るソロルは息を飲む正確さと力強さで、そしてニキヤの詩的な感情は、上野水香の驚くべきしなやかさをもって演じられた。東京バレエ団ですでに10年ソリストとして活躍している長野生まれの伝田陽美は、ガムザッティ役を気品高く美しく踊った。

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 さまざまな祝宴の場面で、東京バレエ団が十八番とするコール・ド・バレエのぴたりと揃ったアンサンブルが披露された。たとえば第一場の神殿の踊り子たちや、"宮殿内の一室"での婚約したカップルのための余興を踊る、ハーレムの衣裳をまとったコール・ド・バレエはひときわ素晴らしかった。第一幕の最後の場面──壮大な月明かりの山々の景色のもとで演じられる"宮殿の中庭"の場面のバレエ(パ・ダクシオン)は、この最たるものだった。一団から繰り出されるデュエットやトリオによって、完璧さをめざす精巧なクラシック・バレエの見せ場が続いた。ソロルの柄本の離れ業のような数々のソロシーンには、客席が熱狂した。

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(第2幕で)コール・ド・バレエの催眠的な単純な動きが40回(*実際は39回)繰り返されるのは、冥界の永遠の時を暗示しているのだが、その完璧に揃った動きは、コール・ド・バレエがまるで一つの塊として動いているかのようだった。

 東京バレエ団は1964年に設立され、現在のレパートリーは70作品を数える。設立からわずか2年後に実施されたロシアツアーでは、ソ連から「チャイコフスキー記念東京バレエ団」の名称を贈られた。この週末の見事な公演は、私たちオマーンも同様の栄誉を贈るに値するだろう。

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レポート2018/10/23

第33 次海外公演(オマーン)ダンサーレポートその1~樋口祐輝

朝夕めっきり涼しくなってまいりました。
東京バレエ団は10 月11 日から3日間、第33 次海外公演としてオマーンのロイヤル・オペラハウス・マスカットで『ラ・バヤデール』を上演し、先週帰国したばかり! ツアー期間中からtwitter やInstagram でその模様をお伝えしてきましたが、ここでは今日から2回にわたって、団員からのオマーン公演報告をお届けします。1 回目の今回は、樋口祐輝の登場です。

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こんにちは! ファーストアーティストの樋口祐輝です。
今回の海外公演はオマーン。僕にとって初の中東。ドキドキです。
劇場はココ、ロイヤル・オペラハウス・マスカット。とても美しい劇場です。

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劇場の前で撮った写真がこちら。

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研究生のオスカー・ラーニャです。
この民族衣裳は現地で購入、だいたい600 円~700 円くらいでした。オスカー、似合っています。
今回、残念ながら劇場内での撮影が規制されていて、劇場内部の見事さをお伝えできる写真を撮ることができなかったのですが、衣裳付きのこの集合写真を見ていただくと、その豪華さがおわかりいただけるのでは。

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僕もいます!

皆の衣裳が、いつもとはちょっと違って、オマーン仕様になっています。とくに女性。『ラ・バヤデール』はお腹の部分が露出する衣裳が多いのですが、現地の舞台では肌を出すことができないので、お腹を覆った衣裳になっています。肩から二の腕にかけても同様です。

これ、実は男性も、なのです。

僕の出番はパ・ダクシオンとワルツでしたが、とくにワルツの衣裳はお腹が出るタイプなので、全身タイツを着用してから衣裳を着ました。女性のレオタードのようなぴったりしたもの。初めてなのでこれは戸惑いました(笑)。

ブロンズ像も、いつもは素肌に塗料を塗っていますが、今回は1枚着ています。舞台で見ても全く違和感なく、着用している本人も快適に踊れたようです。

→この続き、レポート全文はクラブ・アッサンブレ会員限定サイトでご覧ください

レポート2018/09/07

第6回めぐろバレエ祭り ダンサー交流会レポート

 8月下旬、めぐろパーシモンホールにて開催された第6回めぐろバレエ祭りの最終日、その最後を締めくくるのイベントとして「東京バレエ団ダンサー交流会」が行われました。普段はあまり生の声を聞く機会のないダンサーたちが繰り広げる、気どりのない、楽しいトークに、会場は大盛り上がり。少しだけ、その模様をお伝えします。
 交流会のMCを任されたのは、岸本夏未と森川茉央。終始軽妙な語り口で場の雰囲気を和ませます。
 前半は、ダンサーたちのトークショー、まずは伝田陽美、柄本弾、宮川新大、ブラウリオアルバレスが登場し、昨年9月の〈20世紀の傑作バレエ〉公演や12月のベジャール版『くるみ割り人形』、 今年2月に行われた〈THE TOKYO BALLET Choreographic Project(コレオグラフィック・プロジェクト) Ⅲ〉のスタジオ・パフォーマンスまでを振り返ります。

IMG_1869.JPG(左より)岸本夏未、ブラウリオ・アルバレス、柄本弾

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(左より)伝田陽美、宮川新大、森川茉央

 東京バレエ団初演となったローラン・プティ振付『アルルの女』のフレデリの舞台写真を見せてくれた柄本は、「姿の見えない女性を追い続ける、表現の難しい役柄でしたが、またぜひ踊ってみたい」とコメント。

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柄本弾「アルルの女」より

 ベジャールの『くるみ割り人形』は、MC岸本が踊る中国の場面も。「バレエよりバトンの練習ばかりしていた」と岸本。華麗なバトン捌きが思い出されます。

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ベジャールの「くるみ割り人形」より、岸本夏未


 次のグループは若手団員チーム。秋山瑛、柿崎佑奈、海田一成、樋口祐輝が、4月の〈上野の森バレエホリデイ〉でのアシュトン振付『真夏の夜の夢』、バランシン振付『セレナーデ』、さらに〈NHKバレエの饗宴〉で上演した『ラ・バヤデール』 "影の王国"について、思い出話に花を咲かせました。

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NHKバレエの饗宴で上演した"影の王国"。オルガ・エヴレイノフ氏を囲んで

 『真夏の夜の夢』はMC森川にとっても思い入れのある舞台だそう。怪我で9カ月間舞台を離れた後の復帰作で、「カーテンコールに拍手をいただいて、ああ、これを聞くために僕はバレエをやろうと思ったのだと再確認した」と感慨深げでした。


 最後のグループは沖香菜子、川島麻実子、吉川留衣、秋元康臣、池本祥真が登場。今年7月のブルメイステル版『白鳥の湖』公演の時の写真が紹介されました。

 「オデット/オディール役は、(斎藤)友佳理さんが芸術監督になって初めていただいた大役。二度目の挑戦で、思入れ深い大切な作品に」(川島)、「演劇性の強い作品なので、最初はとても難しく感じたけれど、踊るたびに新しい発見だったり、感情が激しくなるのを自分でも感じて、演じることが楽しくなった」(秋元)などと舞台の手応えを語りました。

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(左より)川島麻実子、沖香菜子、吉川留衣、森川茉央


 交流会後半は、「プリンシパルへの質問コーナー」。「ジャンプを高くとぶコツを教えてください」、「パートナーと踊るときはどんな気持ち?」、「腕を柔らかく使うにはどうしたらよいですか」などの質問が次々と飛び出し、プリンシパルたちも一つずつ真摯に、丁寧に回答していました。
 最後はダンサーたちが出口に整列して皆さんをお見送り。ほんの少しの時間でしたが、ダンサーたちと直接挨拶を交わす楽しいひとときが実現しました。

IMG_2119.JPG(左より)吉川留衣、伝田陽美、海田一成、柿崎佑奈、池本祥真、秋山瑛、樋口祐輝、森川茉央

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(左より)宮川新大、柄本弾、川島麻実子、秋元康臣、ブラウリオ・アルバレス


 これからも東京バレエ団団員と皆さまとの交流の場を、いろいろな形で実現していく予定ですので、どうぞお楽しみに。

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レポート2018/08/23

開幕直前レポート! 〈夏祭りガラ〉〈プティパ・ガラ〉のリハーサルより

現在開催中のめぐろバレエ祭りで上演される〈夏祭りガラ〉は、いよいよ明日24日が初日。さらに翌週には〈プティパ・ガラ〉が神奈川、掛川で上演されます。年明けから他の公演の合間に少しずつ稽古を重ねてきたダンサーたちは、いよいよ最後の総仕上げに突入、バレエ団のスタジオは、各上演作品のリハーサルが次々と展開され、まさにフル稼動でした。

マリウス・プティパ生誕200年記念にあわせて企画されたこのガラは、冒頭のオペラ『ジョコンダ』の壮麗なバレエ・シーン『時の踊り』(主演は柿崎佑奈、ブラウリオ・アルバレス)をはじめ、プティパが手がけた傑作が次々と登場します。

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『ジョコンダ』のリハーサルより。ヴェールを持ったコール・ド・バレエの女性たちの、フォーメーションの美しさに注目です。

こちらは7月に『白鳥の湖』の主役デビューを果たしたばかり、勢いたっぷりの沖香菜子と宮川新大が踊る『タリスマン』のパ・ド・ドゥのリハーサルより。

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舞台はインド。タリスマン(お守り)とともに地上に降りてきた、天界の女王の娘エッラと、貴族の青年ヌレディンの恋の物語です。

初々しさのなかにも、エレガントな雰囲気たっぷりの沖のエッラ。宮川演じるヌレディンは、ダイナミックな技がふんだんに散りばめられた雄々しい踊り。恋する二人の、みずみずしい魅力にあふれたパ・ド・ドゥです。

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3組のペアが配されている『アルレキナーダ』は、〈夏祭りガラ〉出演のフレッシュなカップル、足立真里亜と海田一成のリハーサルより。

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稽古を重ねて息もぴったり。恋人同士の可愛らしいやりとりは、目が離せません。

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『アルレキナーダ』といえば、この、口の前で人差し指を立てるポーズ!

『騎兵隊の休息』は、〈プティパ・ガラ〉神奈川公演で上演。キュートな笑顔を絶やさない秋山瑛と、エネルギッシュな演技で魅せる井福俊太郎。初めての衣裳付きリハーサルで、雰囲気もぐんとチャーミングに!

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こちらは〈プティパ・ガラ〉神奈川・掛川公演で上演する『ライモンダ』コール・ド・バレエのリハーサルより。手を頭に当てるポーズや細かなステップなど、独特の風情が魅力的です。

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〈プティパ・ガラ〉神奈川公演では『ラ・バヤデール』より"影の王国"も上演。川島麻実子、秋元康臣の二人が主役を踊ります。

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10月にはオマーンでの上演も控えているだけに、気合いたっぷり、世界バレエフェスティバルにゲスト教師として来日したオルガ・エヴレイノフ氏のリハーサルの1シーンです。

「パ・ド・ドゥに取り組むと、ぐんと力がつくもの」と話すのは、斎藤友佳理芸術監督。どのリハーサルでも、皆、不安が残るテクニックや表現にじっくり向き合い、リハーサルを重ねるごとにどんどん変化、進化をとげています。

めぐろバレエ祭りの〈夏祭りガラ〉は824日(金)、25日(土)、神奈川県民ホールでの〈プティパ・ガラ〉は91日(土)、掛川生涯学習センター公演が92日(日)の予定です。どうぞお楽しみに!

レポート2018/08/14

〈夏祭りガラ〉~『ジョコンダ』主演 柿崎佑奈&ブラウリオ・アルバレス インタビュー

 クラシック・バレエの父、マリウス・プティパの生誕200年を記念して、東京バレエ団は〈夏祭りガラ〉、〈プティパ・ガラ〉を上演する。プティパが手がけた数多くの作品のなかからより抜かれたパ・ド・ドゥ、ディヴェルティスマンで構成され、プティパが目指したクラシック・バレエの美しさ、楽しさがたっぷりと詰まった舞台となる。

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 その他の公演の合い間を縫って断続的に行われてきたリハーサルは、夏本番に入っていよいよ本格化。なかでも『時の踊り』(オペラ『ジョコンダ』より)は、コール・ド・バレエの女性たち、ともにフレッシュな顔ぶれが配されているだけに、稽古場はひときわ賑やかだ。

『時の踊り』は、イタリアのポンキエッリによるオペラ『ジョコンダ』のなかのバレエ・シーン。オペラの少々重々しいストーリーとはまったく関係のない、劇中劇として上演される楽しい場面で、朝、昼、夜、夜中と移りゆく時の流れが、踊りによって次々と表現されてゆく。めまぐるしく変化するフォーメーションが美しい、クラシック・バレエならではの魅力にあふれた作品だ。

 この日のリハーサルは、その後半、4つの時のダンサーたちが揃ったところに夜の女王と風の精が登場、一気にクライマックスへと盛り上がっていく場面。ダンサーたちが手に持った色違いのヴェールが、あちこちでひらひらとたなびいているのが印象的だ。

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 夜の女王を踊る柿崎佑奈は、「朝、昼、夜、夜中と踊りが展開していき、私が登場する場面はちょっと静かに始まるんです。三日月のついた王笏で皆を一人ずつ眠らせたところに風の精がやってきて、そのままアダージオが続きます。踊りはだんだん温かみを増していって、最後のコーダになるとパッと明るく──指導していただいているフョードロフ先生いわく、『いままでのことは全部ジョーク、と思ってしまうくらい、がらりと明るく』なるんです。そこからは、とても華やかなクライマックス。ここの表情の違いを出すのが難しいところです」。

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 風の精を踊るブラウリオ・アルバレスも、「パッと突然明くなる、その変化が面白い。みんながよく知っている音楽も出てくるので、何も難しいことを考えずに楽しんでいただけると思います」。ただし、「スタイルが難しい。軽い風の表現を、しっかりと動きで見せないといけません。身体のつかい方、表現、手の動きなど、まさにクラシックのなかのクラシック。テクニックがあっても、このスタイルが身体に入っていないと表現できない、という難しさを感じます」と教えてくれた。なるほど、そこがまさにクラシック・バレエの難しさで、大きな魅力なのだろう。

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 二人のパートナーシップにも注目だ。「綺麗で楽しいバレエですから、二人で創り上げる雰囲気をぜひ楽しんでください」とアルバレス。柿崎は、「ブラウリオにはすごく助けてもらっています。私は今回が初めての主役なので、実は最初はプレッシャーに負けてしまいそうだったのですが、最近になってようやく、アダージオを楽しみながら踊れるようになりました。課題はいくつもありますが、そのうちの一つがクライマックスのフェッテ。でもここで克服すれば、大きなプラスになる。頑張ります!」と意欲に燃える。

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 二人の華やかな踊りと、「これこそクラシック・バレエ!」ともいえる息のあった美しいアンサンブルを、心ゆくまで楽しみたい。

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取材・文 加藤智子(フリーライター)

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