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海外ツアーレポート2014/11/20

「第九交響曲」上海公演レポート

東京バレエ団創立50周年記念シリーズの秋のハイライトとして11月8日、9日に東京で上演されたモーリス・ベジャール振付「第九交響曲」は、11月16日には上海に場所を移して再び上演されました。

モーリス・ベジャール・バレエ団は東京公演を終えたその足で上海へ向かい、東京バレエ団は東京でのリハーサルを経て上海へ。

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二つのバレエ団は11月13日に上海バレエ団のスタジオで再び合流し、合同リハーサルを開始。東京公演を成功裏に終えたとはいえ、新たな指揮者、オーケストラ、そして会場ということもあり、入念なリハーサルが繰り返されました。

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会場となった上海文化広場(劇場)は、2011年にオープンしたばかりの美しい地下劇場。公演前日に行われたゲネプロは地元のマスコミや学生に向けて公開され、開演前にはロビーで作品解説も行われました。

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この公演は10月中旬から約1カ月に渡って行われた第16回上海中国国際アーツ・フェスティバルのクロージング・セレモニーとして行われたもので、30分間のセレモニーに引き続いて、「第九交響曲」が上演されました。指揮は当初の予定より変更となり、中国出身のムハイ・タン Muhai Tangが務め、上海歌劇院管弦楽団と同合唱団との共演で開幕。

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第一楽章を力強く踊る上野水香、柄本弾をはじめとする東京バレエ団のダンサーたち。

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第二楽章は急きょ上海バレエ団のダンサーに代わって、モーリス・ベジャール・バレエ団のキャサリーン・ティエルヘルムと上海出身のスン・ジャ・ユンがソリストを踊りました。14-11Shanghai7.JPG

第三楽章はエリザベット・ロスと腰の故障のため降板したジュリアン・ファヴローに代わって、ファヴリス・ガララーギュがソリストを務め、ガララーギュに代わって東京バレエ団の岸本秀雄が出演を果たしました。

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モーリス・ベジャールが創作した音楽と舞踊の壮大な祭典は、中国の観客からも熱狂的な拍手で称えられました。本公演をもって、東京バレエ団の海外公演は30カ国153都市739回公演と記録を更新しています。

東京バレエ団とモーリス・ベジャール・バレエ団による「第九交響曲」プロジェクトは、2015年6月にヨーロッパでも開催予定です。ツアーの詳細は決まり次第、本ホームページでお知らせいたします。

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また、東京で上演された本公演の模様はNHKとドイツのユーロアーツが共同で収録し、世界数カ国で放送の予定です。日本での放送は下記の日時です。

NHK BSプレミアム 「プレミアムシアター」

◆放送予定日:12月22日(月)午前0時~(日曜深夜)

※最新の番組情報はNHKのホームページにてご確認ください。

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◆「第九交響曲」Movie 〜2014.11.8・9  NHKホール〜>>>

公演情報2014/11/18

「くるみ割り人形」マライン・ラドメーカー インタビュー[後編]

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---シュットガルト・バレエ団では、今シーズン冒頭の演目『レオンスとレーナ』全幕のファーストキャストとして主役を務める等、充実した日々を送られているようです。ラドメーカーさんの近況を教えてください。

「念願だった『オネーギン』の標題役を、バンコク公演(10月末)で初めて踊る予定です。この作品の男性ダンサーの全パートを踊ることになるんですよ」

---ロマンティックな容姿ゆえ、屈折した役柄に配役される機会が少ないと、以前、おっしゃっていましたね。

「シュツットガルトは多彩なレパートリーを持っていますが、やはりクランコのドラマチックな作品を演じることは、団員の誇りです。私達はクランコ作品に鍛錬された、演技のできるダンサー集団なのですから。タチヤーナ役のエリザ・バデネスと、試行錯誤をしながら役作りをしています。彼女と踊っていると感情が自然に溢れ出し、言葉で説明する必要がないほどです。振付に駆り立てられるように疾走しています」

---『くるみ割り人形』公演に向けて、メッセージをお願いします。

「東京バレエ団の芸術監督と、アーティスティック・アドバイザーのウラジーミル・マラーホフさんと共に舞台を作り上げていくのが楽しみでなりません。観客の皆さんにクリスマスにふさわしい、幸せに満ちた時間を楽しんでいただけるよう、ベストを尽くします。劇場でお会いしましょう」

 なお、本インタビューの数日後、ラドメーカーがオランダ国立バレエ団に移籍することが公式に発表された。本人の公式ホームページには、シュツットガルトでの15年にわたる経験を糧に母国に戻り、オランダ国立バレエ団の多彩なレパートリーに挑戦し、ダンサーとして歩み続けたい、とのコメントが寄せられている。来年1月に上演されるバランシン振付『ジュエルズ』が、オランダ国立バレエ団プリンシパルとしてのデビューの舞台になる模様だ。

 オランダで新生面を開く選択をしたラドメーカーの前途に注目したい。

●「くるみ割り人形」公式サイト>>>

インタビュー&文:上野房子(ダンス評論家)

photo : Stuttgart Ballet

公演情報2014/11/17

「第九交響曲」Movie 〜2014.11.8・9  NHKホール〜

2014年11月8日〜9日、東京バレエ団創立50周年記念シリーズ第7弾として、モーリス・ベジャール振付 ベートーヴェン「第九交響曲」がNHKホールにて開幕し、成功裡に終わりました。

東京バレエ団とモーリス・ベジャール・バレエ団のダンサー、指揮者ズービン・メータとイスラエル・フィルハーモニー管弦楽団に加えて、独唱歌手と合唱団の総勢350名が繰り広げる大スペクタルとなりました。
ダンサーたちの肉体美と汗、圧倒的な演奏、そして歌手たちの歌声が観客を魅了し、拍手が鳴り止まぬカーテンコールとなりました。
その魅力がこの映像からも感じていただけることと思います。

公演情報2014/11/17

「くるみ割り人形」マライン・ラドメーカー インタビュー[前編]

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---ラドメーカーさんが3年ぶりに来日し、東京で全幕作品に初主演する機会が巡ってきます。貴公子役を演じるにあたり、心がけていることは何でしょうか。

「全てにおいて高いクオリティが求められるのが、ノーブルな役の魅力であり、難しいところです。優れた技術を持っているのは当然のことで、何気ない立ち姿や、歩き方、お辞儀の仕方に至るまで意識を行き届かせなくてはなりません。でも、ありきたりの型をなぞるだけでは、薄っぺらな貴公子になってしまう。自然に自分らしく振る舞い、ノーブルさを醸し出したいと思っています」

---相手役は、ボリショイ・バレエのエフゲーニャ・オブラスツォーワさんです。

「今回が初めての共演ですが、世界バレエフェスティバルなどで何度も彼女の踊りを見ています。今日のボリショイを代表する、素晴らしいバレリーナです。ロマンティックな表現に長けているので、『くるみ割り人形』のクララ役はピッタリでしょうね」

---東京バレエ団とも初共演です。

「世界バレエフェスティバルで、特別全幕プロ『ドン・キホーテ』と『バヤデール』を見ています。どちらも幻想シーンの群舞が素晴らしく、息を呑むほどの美しさが印象的でした」

---『くるみ割り人形』の舞台はドイツです。"本場"のシュツットガルト・バレエ団も、クリスマス・シーズンには欠かせない作品なのですか。

「私にとって、 馴染み深いバレエです。 子どもの頃から何度も舞台を鑑賞し、オランダ国立バレエ団に客演して王子役を踊ったことがあります。チャイコフスキーの音楽は何度聞いても、飽きることがない。なかでもグラン・パ・ド・ドゥの曲には高揚感があり、心が躍ります。ところが現在のシュツットガルトのレパートリーには、専属振付家マルコ・ゲッケの現代的なバージョンがあるだけで、古典版はないんです。今年の年末の演目はマクミラン・プロ。私は『大地の歌』で〈死〉を踊ります。東京の『くるみ割り人形』で、観客の皆さんと一緒にクリスマスを祝いたいですね(笑)」

([後編]へ続く)

14-12Marijn_dornroeschen_2008_ub_24(photo_Ulrich Beuttenmueller).jpg●「くるみ割り人形」公式サイト>>>

インタビュー&文:上野房子(ダンス評論家)

photo : Ulrich Beuttenmueller

公演情報2014/11/16

「くるみ割り人形」エフゲーニャ・オブラスツォーワ インタビュー[後編]

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---クリスマスはいつもどう過ごされていますか?

「いつも家族で祝います。クリスマスは冬の祭日のなかでたぶん一番素敵な日だと思う。何よりも大切なことは教会に行くことです。そのあと家族で温かい食卓を囲みます。たくさんのプレゼントにたくさんの友人との会話。素晴らしい日です」

---先のシーズンでもボリショイ劇場で『オネーギン』や『椿姫』などご自身にとって初めての作品を踊られましたね。いくつかの作品はモスクワの女優さんとともに役作りをしたと伺っています。

「ええそれは私のアイディアです。ドラマティックで複雑な心理表現が必要な役のときはいつもそうしています。演劇の役者さんか、もしくは演技の先生にいつも助けてもらっています。

どういう役柄か、ということは振付家が示してくれるものだけど、それ以外に自分自身で理解することが必要な部分もあります。それだから私には女優さんの助けが必要なんだと思います。女優さんとだいたいは話し合うんですね、自分が演じる人物はどんな人間か、どんな行動をとる人か、ということを。そのあと今度は自分ひとりで役の舞踊的イメージを作り上げるときに、話し合ったことが活きてくるんです。でももちろん振付には影響しません。これは私が作り上げる心理描写の部分の話です」

---日本の観客にメッセージをお願いします。

「もちろん私はいつも日本へ行くのが好きです。大切に思っています。日本の皆さんはバレエを本当に愛していて、公演のあとにも心からの感激を表してくれるのですから。怪我のせいで今まで日本に行くことができずに『ドン・キホーテ』をキャンセルしてしまいましたが、今はかなり良くなっているので私自身嬉しいです。11月には舞台に出る予定ですから、東京公演は復帰後まもない公演になるでしょう」

●「くるみ割り人形」公式サイト>>>

インタビュー&文:斎藤慶子(舞踊史研究家)

photo : Damir Yusupov

公演情報2014/11/15

「くるみ割り人形」エフゲーニャ・オブラスツォーワ インタビュー[前編]

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---オブラスツォーワさんは『くるみ割り人形』をいろいろな演出で踊られていますが、ワイノーネン版についてどう思われますか?

ワイノーネン版はとても好きです。私が初めて踊った『くるみ割り人形』だからでしょうね。ワガノワ・バレエ学校の卒業の時に踊りました。これがわたしのバレリーナとしての第一歩でした。ワイノーネン版には一番優しい気持ちで接しています。踊りの展開も論理が通っているし、それでいてとても感動的で、子どもの世界を描きながら非常に完成度が高い作品ね。たぶん考えうる最高のバージョンじゃないかしら。

---作品の中ではどの場面が一番お好きですか?

そう、王子とマーシャ(クララ)が初めて出会うところですね。たぶん音楽的にももっとも感情が高まっていて、私にとってはその場面が一番強い印象を受けるところです。作品の中でもっとも感動的な場面だと思います。やはりそれは子どもが夢見ていることですし、おとぎ話のような魔法のような雰囲気があります。チャイコフスキーの音楽の中でもこのアダージオがとても好きです。このアダージオを新しいパートナーと踊ることをとても楽しみにしています。

---マーシャの役のイメージは?

まず何よりも、子どもだということですね。おとぎ話を信じているとても純粋な子。作品全体がこのテーマに貫き通されていると思います。ずっと胸に秘めてきた夢がクリスマスの夜に叶うひとりの少女の物語。彼女は自分の夢について語っています。いつの日か大人になって、素敵な王子様に出会うことができるかしら、という夢なんです。必要なのはまごころを表現することですね。それがこの作品の中で一番大事なことだと思います。

---卒業の年にマーシャを踊ることはバレリーナへのひとつの登竜門とされていましたが、バレエ学校の生徒だった頃はその役をいつも意識していましたか?

もちろん私の子ども時代の夢でした。この夢のためにより良く踊れるようにいつも努力していました。もし一番優秀な生徒になれなかったら絶対主役は踊れないとわかっていましたから。

([後編]へ続く)

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●「くるみ割り人形」公式サイト>>>

インタビュー&文:斎藤慶子(舞踊史研究家)

photo : Damir Yusupov

新着情報2014/10/18

【イベントレポート】 第40回クラブ・アッサンブレ特別イベント 『第九交響曲』リハーサル見学会

開催いたしました。本ブログをご覧の皆様には、特別にイベントの様子をお届けいたします!

去る1013日(月・祝)、東京バレエ団友の会「クラブ・アッサンブレ」会員様限定の『第九交響曲』リハーサル見学会を開催いたしました。本ブログをご覧の皆様には、特別にイベントの様子をお届けいたします!

開催いたしました。本ブログをご覧の皆様には、特別にイベントの様子をお届けいたします!

クラブ・アッサンブレではこれまでにも『ダンス・イン・ザ・ミラー』(2011年)、『オネーギン』(2012年)とリハーサル見学会を開催して参りましたが、いずれも「作品創作の過程がみられてとても興味深い」「本番観劇前の予習になる」とご好評をいただいております。今回は大型台風が迫る中、約80名もの会員様がご参加くださいました。

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(東京バレエ団正面入り口よりお客様をご案内)

開催いたしました。本ブログをご覧の皆様には、特別にイベントの様子をお届けいたします!

開催いたしました。本ブログをご覧の皆様には、特別にイベントの様子をお届けいたします!

リハーサル開始前には、振付指導のピョートル・ナルデリ氏が日本語を交ぜながら作品の見所などを解説してくれました。

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開催いたしました。本ブログをご覧の皆様には、特別にイベントの様子をお届けいたします!

広いスタジオを目いっぱい使い、この日は第一楽章・第二楽章・第四楽章のリハーサルを行いました(※1)。前半は、音楽なしで一連の振り・動きをチェック。途中ナルデリ氏が動きを止め、全身を使いながら熱くダンサーに指導します。後半は『第九』の音楽に合わせながら、最初から通してのリハーサルを。

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開催いたしました。本ブログをご覧の皆様には、特別にイベントの様子をお届けいたします!

ナルデリ氏の指導によって、目に見えて変化していくダンサーたちの動き。会員の皆様は、目の前で繰り広げられるこの迫力満点な光景を、真剣な眼差しで観ていらっしゃいました。

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開催いたしました。本ブログをご覧の皆様には、特別にイベントの様子をお届けいたします!

イベント終了後には、「舞台とは違ったダンサーの個性を発見することができた」、「少しずつ変わっていくダンサーの姿を間近で見ることが出来て良かった」といったお言葉を、参加者の方々からいただきました。

開催いたしました。本ブログをご覧の皆様には、特別にイベントの様子をお届けいたします!

本番では、東京バレエ団の他にモーリス・ベジャール・バレエ団が加わり、更にズービン・メータ氏が指揮するイスラエル・フィル、ソロ歌手・合唱団の総勢350名が舞台に乗り、圧巻の『第九』をお見せします! この作品でしか味わえない大スペクタクルを、どうぞお見逃しなく!

開催いたしました。本ブログをご覧の皆様には、特別にイベントの様子をお届けいたします!

東京バレエ団友の会「クラブ・アッサンブレ」では、このようなリハーサル見学会を始め、会員の皆様に楽しんでいただけるイベントを開催しております。ご興味がある方は、ぜひご入会ください。お待ちしております!

(※1)合同リハーサル前のため、東京バレエ団の出演場面については流動的な部分があります。

開催いたしました。本ブログをご覧の皆様には、特別にイベントの様子をお届けいたします!

催いたしました。本ブログをご覧の皆様には、特別にイベントの様子をお届けいたします!

★『第九交響曲』チケットのご購入はコチラ! ⇒ 

クラブ・アッサンブレへのご入会はこちら(入会随時受付中)>>>

公演情報2014/09/16

「ドン・キホーテ」配役決定のお知らせ&リハーサル・レポート【9/16更新】

9月19日に初日を迎えます「ドン・キホーテ」の配役が決定いたしましたのでお知らせいたします。

※9月5日に発表しました配役より、下線部分が変更となっております。あらかじめご了承ください。

10.jpgただいま、バレエ団は創立50周年〈祝祭ガラ〉ツアーの真っ最中ですが、今回は6月より始まりました「ドン・キホーテ」リハーサル写真をお届けします!

まずは、9月20日の東京公演に主演する上野水香と柄本弾のペア。

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(上野水香、柄本弾)

これまで、「ダンス・イン・ザ・ミラー」、子どものためのバレエ「ねむれる森の美女」、「ザ・カブキ」(2014年6月シュツットガルト公演)などの共演はあるものの、本格的に組むのは今回が初めて。リハーサルでも息の合った様子に本番への期待が高まります。

続いて、岩国公演(9/27)に主演する沖香菜子と梅澤紘貴の二人。こちらも全幕共演は今回が初めて。〈祝祭ガラ〉「スプリング・アンド・フォール」で印象的な踊りを見せた二人が、どのような物語を見せてくれるのか、どうぞお楽しみに!

14-09DQ2.JPG(沖香菜子、梅澤紘貴、岡崎隼也)

さて、今回の「ドン・キホーテ」では多くのダンサーたちが初めての役に挑んでいます。

14-09DQ3.jpgドン・キホーテ役とサンチョ・パンサ役を演じる、木村和夫と岡崎隼也)

14-09DQ4.JPG(バジル役と同時にガマーシュ役にも挑む梅澤紘貴)

14-09DQ5.JPG(左より、氷室 友、梅澤紘貴、上野水香、永田雄大)

バルセロナの広場の生き生きとした人間模様が伝わってきます!

振付・演出のウラジーミル・ワシーリエフ氏の来日を前に、本作の指導を一任されたのは、昨年6月「ラ・シルフィード」公演で情熱的な指導で若手主演を成功に導いた斎藤友佳理です。

14-09DQ6.JPG(斎藤友佳理)

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(左より、斎藤友佳理、柄本 弾、上野水香)

いよいよ、来週にはバレエ界のレジェンド、ワシーリエフ氏が来日します。ワシーリエフ氏による指導の模様はこちらのブログでもお届けする予定ですので、どうぞお楽しみに!

●「ドン・キホーテ」公式サイト>>>

新着情報2014/09/11

「ドン・キホーテ」ワシーリエフ来日&リハーサル快調!

来週開幕の「ドン・キホーテ」に向け、バレエ界のレジェンド、ウラジーミル・ワシーリエフ氏がロシアより来日。昨日より直々の指導が始まりました!

DQ0911_1.jpg闘牛士のマント捌きを指導するワシーリエフ氏(左)

緊張の中、始まったリハーサル。冒頭からバルセロナの街の広場の活気を表現するべく、「舞台にいる一人ひとりに人生がある、それを見せてほしい」と、ワシーリエフ氏の檄が飛びました。

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バレエ団がワシーリエフ氏の直々の指導を受けるのは約10年ぶり。ワシーリエフ氏はスタジオ中を縦横無尽に行き来して、団員の一人ひとりに熱い指導をしていきます。

DQ0911_4.jpgバジル役を演じる柄本弾に登場の場面の指導をするワシーリエフ氏

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キトリ役:上野水香、バジル役:柄本弾

「スタジオは自分の限界を試す場。転んでもいいから、全力で踊り、自分の限界を知れ。自ら限界を決めるな」という、熱い指導に団員たちが応え、いつしか本物の活気がスタジオに溢れていきます。

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キトリの友人役:左より、河谷まりあ、川島麻実子

DQ0911_5.jpgワシーリエフ氏に一任され、6月より指導にあたっている斎藤友佳理(右)

2001年に東京バレエ団初演されて以来、人気レパートリーの一つとしてたびたび再演が重ねられてきたワシーリエフ版「ドン・キホーテ」。今回の指導で、また新たな作品として生まれ変わりつつあります! ぜひ劇場にその成果を観にいらしてください!

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サンチョ・パンサ役(氷室友)とガマーシュ役(梅澤紘貴)を指導するワシーリエフ氏

●「ドン・キホーテ」公式サイト>>>

リハーサル撮影:細野晋司

稽古場より2014/02/24

稽古場より 2月3日-2月10日 [氷室 友]最終回

皆さま、ボンジョルノ!!!
モンタギュー家の使用人アブラハムこと氷室友でございます。
今回、ジョン・ノイマイヤー振付「ロミオとジュリエット」を観にいらしてくださった皆さま、ありがとうございました。

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(左より、ベンヴォーリオ(杉山優一)、グレゴリー(中村祐司)、アブラハム(氷室友)、モンタギュー公(森田雅順)、ティボルト(森川茉央))

とてもタイトなリハーサルスケジュールのなか、ノイマイヤーさんをはじめ、ハンブルク・バレエより振付指導にいらしてくださった、ケヴィン・ヘイゲンさん、エドゥアルド・ベルティーニさん、大石裕香さん、スタッフの皆さんなどなど、たくさんの方々のご協力のもと、無事に公演を終えることができました。団員一同、それぞれ自分の役を一生懸命掘り下げ、ヴェローナの街の情景や活気を表現できるようリハーサルに臨んできました。この作品を踊った経験は、我々の宝物になるでしょう!

一度観ただけでは、すべての役どころを観きれない、個性が盛りだくさんな舞台!!!
その舞台裏を私、アブラハムが写真満載でお届けいたします!
名付けて...
〈東京バレエ団初演「ロミオとジュリエット」バックステージ・フォトアルバム2014〉

写真からでも団員の若いエネルギーに溢れた活気を感じられると思います!お楽しみくださいませ!

ノイマイヤー版「ロミオとジュリエット」の登場人物には一人ひとりに名前があり、それぞれに人生があります。そのため、皆想像力を働かせ、工夫しながら役柄にアプローチしていました。例えば、朝が弱かったり、お祭り好きだったり、ワインが大好きな人だったり、男勝りで喧嘩っ早い女の子だったり、実は両家の和解を望んでいたり、とさまざまです。

7ee11d418f33e2925a2f8f83b3de4058.JPG争うモンタギュー家の人々とキャピュレット家の人々
...を眺めるマキューシオ(木村和夫)

4b574688e8cca572bf762cbe031148ef.JPG仲良し3人組こと、マキューシオ(木村和夫)ロミオ(柄本弾)、ベンヴォーリオ(杉山優一)

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スキャンダラス・ボーイ、ティボルト(森川茉央)を発見。
なんとロザリンデ(渡辺理恵)にまで声をかけています!

0b13cf2bf2f6308cd0752ced7ee96776.JPGヴィオレンタ(高木綾)とイモーガン(矢島まい)

66aa5d8885b341d850bc7697c09409ec.JPGジュリエットの乳母(坂井直子)を囲むキャピュレット家のメイドたち
(左より、ネル(加藤くるみ)、ウルスラ(伝田陽美)、カミーラ(古閑彩都貴)、ルチェッタ(加茂雅子)、宮下加瑞(グラティアーナ)、三雲友里加(スーザン))

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キャピュレット家の舞踏会を前に想いにふけるロミオ(柄本弾)とジュリエット(沖香菜子)
とても印象的な場面でしたよね。

fb2a3b5ea511dbe17280a6b6a56ebb05.JPG続いて、初日のカーテンコールの様子

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初日を踊り終えたというより、ロミオとジュリエットとして生きた二人(沖香菜子と柄本弾)

20140224_04.JPGジュリエットのいとこたち
(左より、幼いエミーリア(二瓶加奈子)、完璧なロザリンデ(渡辺理恵)、好奇心旺盛でおませなヘレナ(村上美香))

20140224_05.JPGアブラハム(中央)とモンタギュー家のメイドたち
(左より、マリア(市村紗也華)、フランチスカ(中川美雪)、シルヴィア(金子仁美)、マルガレータ(片岡千尋))

20140224_06.JPGアブラハム(中央)とベンヴォーリオ(杉山優一)と僧ローレンス(岸本秀雄)

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続いて、ハンブルク・バレエよりゲスト出演されたエレーヌ・ブシェさんとティアゴ・ボアディンさん、そして指導を務めた大石裕香さん。

16e40314dbb93c64b310b2c999c789ce.JPGブシェさんと一緒に
(左より、乾友子、坂井直子、矢島まい)

0b149e94e3bbd751d28eb9528dcfa80b.JPG華麗なるキャピュレット一族
(左より、キャピュレット公(高岸直樹)、キャピュレット夫人(奈良春夏)、ティボルト(森川茉央))

5c5c442f4affc886f361bc7ce2ac6ca2.JPGブシェさんとボアディンさんを囲んで全員集合!

18024ce3a90cdca355f4ef0f71602011.JPGヴェローナ大公、エスカラス(飯田宗孝)

bd3c6174b19ea9faecf0f10ba4ff7b8a.JPG僧ローレンス(杉山優一)

797d86c38423863e752aafed8fa0e55c.JPG鋭い剣のような個性を持った(和田)康佑のティボルト。
よーく見ると後ろに人影が...。
「家政婦は見た!」ならぬ「乳母(坂井直子)は見た!」(笑)

87cb6758db67df018aca8dbf76a01c42.JPGパリス伯爵(梅澤紘貴)と

0725453bfce1d8deb71cd8e56c0e3462.JPGロミオとジュリエット(岸本夏未と後藤晴雄)
最終日、こちらも見事にロミオとジュリエットを生きた二人

565c80ee0870feae2b20888aa792f32c.JPG

「ロミオとジュリエット」公演をもって、後藤晴雄さんが退団することが発表されました。終演後、飯田芸術監督より「特別団員」に任命することが発表され、特別団員証書が手渡されました。

この素晴らしい経験を活かし、団員一人ひとりのダンサーとしての質を高め、これからまだまだ続く創立50周年記念シリーズの舞台を楽しんでご覧いただけるよう頑張りたいと思います!

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※ご好評いただいておりました[稽古場より]のコーナーは今回が最終回になります。
また新たな企画でお目にかかりますので、引き続きご愛読いただきますようお願いいたします。

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