4/9のエントリー記事の最後にご紹介したこの写真(↓)。
お約束どおり謎解きを。
もう、おわかりの方も多いとは思いますが、これは「オネーギン」の衣裳到着を待って行われた写真撮影のヒトコマです。
「オネーギン」という作品の雰囲気をできるだけお伝えしたいと思い、カメラマンの細野晋司さん、メイクアップアーティストの佐藤寛さんのご協力を仰ぎ、素敵な写真が完成しました。
早速、3組のタチヤーナとオネーギンのカット、そしてタチヤーナとオネーギンのポートレート、仕上がったばかりの9点の写真を使い、NBSホームページの「オネーギン」公演情報ページを少しだけリニューアルしました。ぜひご覧ください。
ジョン・クランコ振付「オネーギン」の上演は、東京バレエ団にとって長年の悲願でした。
その夢が実現するまで、あと1ヶ月。
ジェーン・ボーンさんによる集中的なリハーサルが終了した後も、「ザ・カブキ」や<マラーホフの贈り物2010>で上演する"四季"のリハーサルと並行して、稽古場では出演者たちが真剣な表情でクランコの振付に取り組んでいます。
そして、もちろん公演準備も着々と進行中。
今回、衣裳と装置はミュンヘン・バレエよりお借りしました。
先週、まず衣裳が到着。
衣裳到着に合わせて来日してくださったミュンヘン・バレエの衣裳スタッフの方と一緒に荷が解かれました。
厳重に梱包された衣裳箱を解いて現れた衣裳はいずれも、美術品のような美しさ。
さすが、名匠ユルゲン・ローゼの手による衣裳です。
「オネーギン」を上演するのであれば、ユルゲン・ローゼの装置と衣裳で・・・というのも絶対に譲れない東京バレエ団のこだわりでした。
第2幕「タチヤーナの名の日の祝い」の女性のたちの衣裳は、1着として同じ色がありません。
ピンク、オレンジ、黄色、淡い緑色・・・まるで水彩画のような美しいグラデーションです。
こちらも、淡いトーンのグラデーションが美しいドレス。第3幕の舞踏会のシーンで、女性たちが着用する衣裳です。
ドレスにちりばめられた布製の花々の繊細で美しいこと。
女性だったら、誰もがこんなドレスに憧れるのではないでしょうか。
中央の鮮やかなピンクのドレスは、3幕の舞踏会でのタチヤーナの衣裳。
痛ましい出来事から月日が流れ、風格と気品に溢れる公爵夫人となったタチヤーナに相応しい華やかな1着です。
まだまだご覧いただきたい衣裳がたくさんありますが、それは別の機会にご紹介するとして、最後にこちらの写真を。
この写真は一体何なのか・・・謎解きは来週このブログで。
本日より4月。新年度がはじまりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
4月24日(土)、25日(日)の「ザ・カブキ」公演を前に、今週月曜日より、日本舞踊家の花柳達真師による所作指導が行われています。
1986年の「ザ・カブキ」初演時、故モーリス・ベジャール氏が創作を進める過程で、日本的な立居振舞の指導を花柳芳次郎師(現花柳流家元、花柳壽輔師)に仰ぎました。
その後も、折々にご指導いただいておりましたが、今回は初役を演じる団員が多いことから、壽輔師の愛弟子であり、新進舞踊家として高い評価を受けていらっしゃる花柳達真師に、改めて指導をお願いすることになりました。
団員たちは達真師の指導を受けるにあたり、レオタードから浴衣に着替えて稽古に臨みました。
いつもがらっと雰囲気の変わったスタジオで、基本の歩き方、座り方、お辞儀の仕方から指導が始まりました。
バレエとは全く違う、独特の動き、姿勢に戸惑いながらも、団員たちは真剣な表情で指導を受けています。
達真師からは、所作だけではなく、演じる役柄や性別、年齢によって、歩幅や手の位置、指の開き方、腕の角度や位置が違うことなど、「ザ・カブキ」を演じる上で必要な知識が伝えられていきます。
基本指導の後は、兜改めの場面より、場面ごとの指導に移りました。
兜改めの場面では、兜改めの儀式はどのようなものなのか、侍女たちが持つ兜がいかに重要であり、命がけで預かっているものであるか、ということが、達真師から丁寧に説明され、顔の角度や動きの早さなどで、場面の雰囲気をいかに作りだすのかということまで、きめ細かい指導が行われました。
続いて行われた一力茶屋の場面。
遊女役の団員には、着物のさばき方と扇子の扱いを中心に、「遊女という役柄が所作から伝えられるように」と達真師自らがお手本を示しながら指導が進みます。
扇子と指の動かし方ばかりに意識が集中してしまう団員たちに、達真師が手本として演じてみせてくださった遊女は、美しさ、色気、しぐさ・・・男性でありながら、すべてが遊女そのもの。
間近で見るプロの動きに、団員たちは圧倒されていました。
その他の場面でも、時代背景やその役の身分、置かれた状況などを解説しながら指導を進める達真師の言葉をひとつも聞き逃すまいとする団員たち。
改めて、役を表現するということを学び、自分たちの演じる役柄をさらに深めようという熱意がスタジオ中に溢れています。
さらに進化した「ザ・カブキ」にご期待ください!
東京バレエ団初演「シルヴィア」が、いよいよ本日初日を迎えます。
ダンサーたちは、一昨日より劇場入りし、舞台でのリハーサルを行ってきました。
昨日は、1時間半のクラスレッスンを終えると、27日(土)のマイ・キャスト公演キャストで約3時間にわたる舞台リハーサル。
そのあとには、オーケストラも入り、全員が衣裳、メイクを付け、ゲネプロが行われました。
今回は特殊なメイクも多く、頭飾り等も役によってひとつひとつ違っています。
そのため、メイクさんはダンサーたちのメイク、頭飾りのセットに大忙し!
ダンサーたちも、リハーサルとゲネプロの間、順番にセットを終えると着替えなどで大忙しでした。
本番さながらの緊張感の中で行われたゲネプロは、東京文化会館主催の"青少年のための舞台芸術体験プログラム"の参加者に公開され、約200名の学生たちが客席に集まりました。
ベルリン国立バレエ団よりお借りしている舞台装置は、立体的で、色合いも美しく、迫力満点です!
(第1幕のリハーサルより)
1幕の背景には、オリオン座も見えますので、ぜひ探してみてください。
ゲネプロの後の舞台上では、振付指導者のクリストファー・ニュートンさん、アンナ・トレヴィエンさんから最後の指導が行われました。
そして、お二人からは、
「東京バレエ団とこうして一緒に舞台を創ることができて、2人とも大変うれしく思っています。
皆さんの努力に感謝しています。」
と、暖かいお言葉とサプライズが!
ニュートンさんがリハーサルの合間を縫ってデザインしてくださった、東京バレエ団オリジナル「シルヴィア」Tシャツが、ダンサー1人1人に配られました。
ダンサーたちは、思わぬプレゼントに大喜び!
リハーサル、ゲネプロとハードスケジュールだった1日の疲れが吹き飛んだようすでした。
本日は、そのTシャツを着てレッスンをしています。
初日へ向けて、さらに心がひとつになりました。
東京バレエ団が総力をあげてお届けする「シルヴィア」の世界を、どうぞお楽しみください!
当日券は、開演1時間半前より会場の東京文化会館にて承ります。
S-C席を若干枚数ご用意しております。
皆様のご来場、お待ちしています。
本日より2月。
東京バレエ団初演「シルヴィア」の初日まで1ヶ月を切りました。
1月22日よりはじまった、振付指導のクリストファー・ニュートンさんとアンナ・トレヴィエンさんのリハーサルは初日に向けて順調に進んでいます。
今回の公演では、衣裳・装置をベルリン国立バレエ団よりお借りするのですが、すでに衣裳がバレエ団に到着。30日には、"マイ・キャスト"公演でシルヴィアを演じる田中結子とアミンタを演じる木村和夫の衣裳撮影が行われました。
ニュートンさんは、田中のヘアスタイルもアドバイスをしてくださり、次第に"ニンフ・シルヴィア"が完成していきます。
まずは、3幕の衣裳を着けて撮影がスタート。
ニュートンさんが撮影するポーズを決め、アゴの角度や手の角度まで、2人に細かく注意をしていきます。
撮影は、東京バレエ団の撮影をいつもお願いしている長谷川清徳さんです。
カメラの液晶画面で確認して、次のポーズの撮影へ。
撮影のタイミングは、アンナさんの「イチ・ニ・サン」という日本語の掛け声。
リラックスした雰囲気で、一人ずつのカットも交えて、順調に撮影は進んでいきます。
次に1幕の衣裳に着替えての撮影です。
月と狩の女神ダイアナに仕えるシルヴィアを演じる田中には、「力強い感じで」というアンナさんのアドバイスが。
シルヴィアといえば「弓」なのですが、装置とともに日本に向かう航海の途中のため、今回は残念ながら「弓」なしの撮影となりました。
1時間半かけて、撮影は終了。
完成した写真は近日中にご覧いただけると思いますので、お楽しみに。
本日より、アシュトン版「シルヴィア」の振付指導のクリストファー・ニュートンさんとアンナ・トレヴィエンさんによるリハーサルが始まりました。
昨日来日したばかりの2人は、東京バレエ団に到着するとそれぞれの役の候補となっているダンサーをクラス・レッスンで確認。午後からリハーサルがスタートしました。
初日の今日は、シルヴィアのお付き、農民、水の精、木の清、森の精、牧神、シルヴィアとアミンタのリハーサルが行われました。
こちらは、<マイ・キャスト>公演でシルヴィアを演じる田中結子とアミンタ役の木村和夫のリハーサルの様子です。
「白鳥の湖」、「ラ・バヤデール」に続き、3度目の共演となる田中と木村。
指導にあたる2人からは、抜群のパートナーシップだと太鼓判が押されました!
主演以外のキャストは、これからリハーサルが進められる中で決定しますので、決まり次第ホームページ等でお伝えします。
昨日、東京バレエ団の2010年第一弾公演となる「ラ・シルフィード」が初日を迎えました。
(終演後の、上野水香、レオニード・サラファーノフ、西村真由美)
たくさんのお客様にご来場いただき、ありがとうございました。
初日に主演した上野水香とレオニード・サラファーノフは、今回が3度目の共演。
舞台を無事に終え、成功を喜び、お互いを讃えあう笑顔いっぱいの2人には、団員、スタッフからも大きな拍手が贈られました。
サラファーノフは、上野を「Wonderful partner(素晴らしいパートナー)!」と称賛。
上野とサラファーノフは、明日の公演(18:30開演)に再度主演しますので、ぜひ会場に足をお運びください。
そして、本日18:30からの<マイ・キャスト>シリーズ[2]では、高木綾と柄本弾が「ラ・シルフィード」に初主演いたします。
高木と柄本は昨年6月からリハーサルを開始し、いろいろな人の支えの中、それぞれのシルフィードとジェイムズを創り上げてきました。
本日も舞台上では、最後のリハーサルが行われています。
新しいシルフィードとジェイムズの誕生を、どうぞお楽しみに!
本日と明日の当日券は、開演1時間半前よりS-D席を若干枚数ご用意しております。
ご来場お待ちしております。
2010年第一弾公演となるラコット版「ラ・シルフィード」を前に、ジェイムズ役でゲスト出演するレオニード・サラファーノフが来日しました。
本日、サラファーノフは元気いっぱいの笑顔でバレエ団に登場し、
"オハヨウゴザイマス!A Happy New Year! Merry Christmas!"
と、挨拶。
スタッフ、ダンサーは「なんでクリスマス?」と思ってしまいましたが、ロシアでは本日1月7日がクリスマスなのです。
1時間半のクラスレッスンの後、早速、芸術監督補の高岸直樹の指導のもと、シルフィード役の上野水香と一緒に約2時間のリハーサルを行いました。
本日は、ゆっくり振付を確認。
3人の会話は上野を中心にして英語がメインでしたが、時折サラファーノフが日本語で答えたり、冗談が飛び交ったり、リハーサル中は笑いが絶えませんでした。
リハーサル後に2人にブログ用にと写真をお願いすると、リハーサルの雰囲気がそのまま伝わってくるようなとびっきりの笑顔で撮影に応じてくれました。
明日も2人でリハーサルを行い、来週から全体でのリハーサルがはじまります。
本番まであと10日。皆様、お楽しみに!
今年も残すところあと2週間となりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
東京バレエ団は今年、創立45周年の記念の年として年明けから新作を含む、多彩なラインナップを展開し、12月12日(土)の「くるみ割り人形」岩国公演をもって、2009年全49公演が終了いたしました。
今回は、年内最後の公演となった、「くるみ割り人形」岩国公演の様子をお伝えします。
東京バレエ団のダンサーたちは公演2日前の10日(木)のクラスレッスン終了後、岩国へ移動しました。
岩国までは、新幹線と在来線で5時間の移動!
新幹線の中では、本を読んだり、休んだり、音楽を聴いたり、ゆっくり話をしたり、それぞれ思い思いに過ごしていました。
国内外で公演を行い、いろいろな劇場、環境で踊ってきたダンサーたちは、もうすっかり旅慣れていて、どんな場所でもすぐに自分のペースに。
さすがです!
岩国に移動した翌日11日は、劇場にてレッスンと舞台リハーサルが行われました。
東京バレエ団が岩国で公演を行うのは、今回が初めて。
皆、初めての劇場の感触を確かめるように入念にリハーサルを行いました。
本番当日は、11:00からの1時間半のクラスレッスンが一般公開され、約150名のお客様がご来場くださいました。
会場には、バレエを習っているとおぼしきお子様の姿が多く見受けられ、皆様レッスンの様子を熱心にご覧になっていました。
クラスレッスンでは、ダンサーたちは体を作り、日々の調子を確かめているため、レッスン中のダンサーたちはとても自然体です。
クラスレッスンを通じて素顔のダンサーたちを少しご覧いただけたことで、皆様により親近感をもっていただけたのか、開演前の客席からはとても温かい空気があふれていました。
そして、舞台は定刻通り開演。
岩国公演の主演をつとめたのは、11月21日(土)の<マイ・キャスト>公演で初主演を果たした佐伯知香、松下裕次。
東京公演で初主演を果たし、大きく成長した2人からは、より一層クララと王子の雰囲気が溢れていました。
会場にお越しいただきました皆様には、東京公演同様に温かい拍手をいただき、忙しかった45周年記念の年の締めくくりにふさわしい、温かい舞台となりました。
2010年は1月の「ラ・シルフィード」からスタートします。
来年も応援よろしくお願いします。
いよいよ明日、5年ぶりのワイノーネン版「くるみ割り人形」が初日を迎えます。
クララ役のアリーナ・コジョカルとくるみ割り王子のヨハン・コボーも、無事来日し、東京文化会館でのリハーサルに合流。
18時からのゲネプロでは、ずっとリハーサルを重ねてきたかのように、東京バレエ団のメンバーと息の合った舞台を見せていました。
(ゲネプロ終了後の2人)
今回はコジョカル-コボー主演公演のほかに、佐伯知香、松下裕次による<マイ・キャスト>公演も行われます。
佐伯と松下は、昨日衣裳を着けて、初めて舞台での通し稽古を行い、本日も体の角度からリフトのタイミングなどの細かいところまで入念にリハーサルしていました。
両キャストとも、それぞれの役にぴったり。
かわいらしいコジョカルと佐伯のクララと、クララを優しく導くコボーと松下の王子には、きっと皆様思わず顔がほころんでしまうはず!
(ゲネプロ風景)
東京バレエ団が皆様にお届けする、少し早いクリスマス・プレゼントをどうぞお楽しみに!
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